飲食店、美容室、エステ、物販店、学習塾、ジムなど、世の中には店舗を借りなければ始めにくいビジネスが数多くあります。
店舗を構えることで信用を得られたり、立地そのものが集客装置になったりするため、店舗型ビジネスには当然大きなメリットがあります。
しかし、その一方で非常に大きな弱点があります。
それが、「自分ではコントロールできない固定費を抱えること」です。
その代表が賃料です。
- 商品が売れても売れなくても家賃は発生します。
- 雨が降って客が来なくても家賃は発生します。
- 景気が悪くなっても家賃は発生します。
- 経営者が病気になって店を休んでも家賃は発生します。
そして、契約条件や更新、周辺相場などの事情によって賃料負担が上がれば、それまで成立していた事業の採算が一気に崩れることがあります。
もちろん、賃料は貸主が好きな日に自由に何倍にもできるという単純な話ではありません。契約条件や法的なルール、当事者間の協議があります。
しかし経営という観点から見ると重要なのは、
「店舗を利用し続ける限り、自分以外の誰かが所有する不動産に事業の基盤を依存している」という事実です。
月商300万円あっても安心できない
例えば、小さな飲食店を考えてみましょう。月商300万円。数字だけを見れば、それなりに売れている店に見えます。
しかし、
月商300万円の内訳(例)
- 食材費 100万円
- 人件費 100万円
- 家賃 40万円
- 光熱費 20万円
- 広告費 10万円
- その他経費 10万円
- 残る利益 20万円
とすると、残るのは20万円です。ここで家賃負担が10万円増えればどうなるでしょうか。利益は20万円から10万円になります。20万円増えれば利益はほぼなくなります。
売上は変わっていません。店員も同じです。商品も同じです。お客さんの数も同じです。経営者は何も失敗していない。それでも、
固定費が変わっただけで利益が消えることがあります。
これが店舗型ビジネスの怖さです。
「繁盛している店」でも撤退する理由
街を歩いていると、「この店、いつも人が入っていたのになぜ閉店したのだろう」と思うことがあります。
店舗経営では、客が入っていることと利益が残っていることは同じではありません。
売上が増えれば、
- 仕入れも増える。
- 人件費も増える。
- 決済手数料も増える。
- 場合によっては営業時間を延ばす必要もある。
そのうえで高額な固定費を支払います。そのため、外から見ると繁盛店でも、実際には利益率が非常に低いことがあります。
ここへ、
- 家賃、
- 人件費、
- 光熱費、
- 原材料価格
などの上昇が重なると、突然採算が合わなくなります。
店舗型ビジネスは、「売上を維持すれば生き残れる」のではなく、「上昇する固定費以上に利益を増やし続けなければならない」という構造を持っています。
一等地ほど「売上」と一緒にリスクも大きくなる
店舗ビジネスでは立地が非常に重要です。
- 駅前。
- 繁華街。
- 大型商業施設。
- 人通りの多い道路沿い。
こうした場所は集客力があります。しかし、当然ながら賃料も高くなります。つまり、
集客力をお金で買っているとも言えます。
例えば、月30万円の物件と月100万円の物件を比較した場合、月100万円の物件の方が集客しやすいかもしれません。しかし毎月70万円多く利益を生み出さなければ、その立地を選んだ意味がありません。
年間では840万円です。5年間なら4,200万円。
店舗を借りるということは、開業時だけの問題ではなく、事業を続ける限り固定費を払い続ける契約でもあります。
店舗ビジネスでは「撤退」にもお金がかかる
さらに厳しいのが、店舗ビジネスはやめるにも費用がかかることです。
WEBサイトであれば、事業を縮小するときにサーバー契約を見直したり、記事制作を止めたりできます。しかし店舗の場合は簡単ではありません。
- 契約上の予告期間。
- 原状回復。
- 内装撤去。
- 設備処分。
- 在庫処分。
- 従業員への対応。
- 移転費用。
こうした問題が発生します。つまり、
「儲からないから明日やめよう」が難しいビジネスなのです。
事業を始めるときに多額のお金がかかり、事業を続けるためにも毎月お金がかかり、やめるときにもお金がかかる。店舗型ビジネスにはこの三重の固定性があります。
家賃は売上と連動してくれない
経営者にとって理想的なのは、
売上が減ったら経費も減るというビジネスです。
売上100万円なら経費30万円。売上50万円なら経費15万円。こうした変動費中心の事業なら、売上が落ちても比較的耐えやすくなります。
しかし家賃は違います。
- 売上300万円でも家賃50万円。
- 売上200万円でも50万円。
- 売上100万円でも50万円。
- 売上ゼロでも50万円。
固定費は経営者の都合を待ってくれません。
この違いは事業を考えるうえで非常に重要です。
人件費上昇と賃料上昇が同時に来る
店舗ビジネスでさらに怖いのは、上がる可能性があるのが家賃だけではないことです。
- 最低賃金が上がる。
- 採用コストが上がる。
- 食材価格が上がる。
- 電気代が上がる。
- 配送費が上がる。
- キャッシュレス決済費用も発生する。
その状態で賃料負担まで増えれば、経営者が努力して売上を10%伸ばしても利益が増えないことがあります。
売上は伸びている。従業員も忙しくなっている。経営者も以前より働いている。それなのに手元に残るお金は減っている。
店舗経営では珍しくない現象です。
値上げすれば解決するほど簡単ではない
「費用が上がったなら販売価格を上げればいい」という考え方もあります。理論上はその通りです。
しかし実際には、価格を上げれば客離れする可能性があります。
- 1,000円だったランチを1,300円。
- 5,000円だったサービスを6,000円。
- 月額1万円だったサービスを1万2,000円。
簡単に値上げできる業種ばかりではありません。近隣に競合店があれば、客はそちらへ移る可能性があります。つまり、
経費は市場環境によって上昇するのに、販売価格は自分の都合だけでは上げられないという難しさがあります。
WEBビジネスには「店舗がない」という大きな強みがある
ここでアフィリエイトなどのWEBビジネスと比較すると、大きな違いが分かります。
アフィリエイトサイトを運営するために、銀座や新宿の一等地に店舗を借りる必要はありません。50坪のオフィスも必要ありません。内装工事も不要です。毎月数十万円、数百万円の家賃を払わなくても事業を始められます。
基本的に必要なのは、
- ドメイン。
- サーバー。
- WEBサイト。
- コンテンツ。
そして運営するための知識と時間です。
もちろんアフィリエイトにも費用はかかります。記事を外注すれば制作費が発生します。SEOにも費用がかかる場合があります。広告を使えば広告費も必要です。
しかし大きな違いがあります。
多くの費用を自分の判断で増減できることです。
- 記事制作を月20本から10本にする。
- 広告を一時停止する。
- 外注費を見直す。
- サーバープランを変更する。
これは店舗の家賃とは性質が違います。
WEBメディアでは「場所」を借りる必要がない
店舗型ビジネスでは、「どこで営業するか」が売上を左右します。WEBメディアでは基本的に違います。
東京に住んでいても北海道のユーザーへ情報を届けられます。沖縄から東京のユーザーへ販売することもできます。海外から日本向けメディアを運営することも技術的には可能です。
つまり、物理的な商圏に縛られません。
店舗型ビジネスが、
- 半径500メートル、
- 半径3キロ、
- 駅利用者、
- 地域人口
などを市場とすることが多いのに対し、WEBメディアでは日本全国が市場になり得ます。
そのため、
高い家賃を払って人通りを買う必要がありません。検索、SNS、広告、メールなどを通じてユーザーを集められるからです。
だからといってWEBビジネスがノーリスクなわけではない
もちろん、WEBビジネスにもリスクがあります。
- Googleの検索順位が下がる。
- 広告案件が終了する。
- ASPの条件が変わる。
- 競合サイトが参入する。
- AIによって検索行動が変わる。
- サーバートラブルが起きる。
店舗がないから安全という意味ではありません。ただし、大きな違いは、
物理的な店舗という巨大な固定費を持たずに事業を構築できることです。
この違いは非常に大きいと考えます。
アフィリエイトは小さく始めて、大きくすることができる
店舗ビジネスの場合、開業初日から一定規模の設備が必要です。
- 飲食店なら厨房。
- 美容室ならシャンプー台。
- ジムならトレーニング機器。
開店初日に客が一人しか来なくても、設備や店舗は用意しなければなりません。つまり、
売上がまだ存在しない段階から大きな投資が必要です。
アフィリエイトは違います。
段階的に投資を増やす考え方
- 最初は小規模サイトから始める
- 10記事作る
- アクセスを見る
- 反応を見る
- 可能性があれば30記事、50記事、100記事
と投資を増やすことができます。
もちろん本格的に事業化する場合には相応の資金が必要になります。しかし、
市場の反応を確認しながら段階的に投資できるという特徴があります。
「固定費の低さ」は地味だが非常に強い
ビジネスというと、売上はいくらになるのか。利益率はいくらなのか。何年で回収できるのか。という「攻め」の数字に注目しがちです。
しかし、長く生き残る会社を考えると、
毎月必ず出ていくお金がいくらあるのかも同じくらい重要です。
月300万円稼がなければ生き残れない会社と、月50万円あれば維持できる会社。同じ売上減少が起きたとき、耐久力は大きく違います。
固定費が低いということは、単に経費が安いというだけではありません。
- 失敗しても致命傷になりにくい。
- 市場環境が変化しても耐えやすい。
- 新しい挑戦がしやすい。
ということでもあります。
まとめ|「いくら儲かるか」の前に「いくら払わないと生き残れないか」を考える
店舗を借りるビジネスが悪いわけではありません。店舗が必要だからこそ成り立つビジネスも数多くあります。成功すれば非常に大きな利益を生む店舗もあります。
しかし事業を始めるときは、
「成功したらいくら儲かるか」だけではなく、「売上が落ちても毎月いくら払い続けなければならないのか」を見る必要があります。
店舗型ビジネスでは、
- 賃料、
- 人件費、
- 水道光熱費、
- 設備費、
- 在庫、
- 原状回復費
など、大きな固定費や撤退コストを抱えやすくなります。その中でも賃料は、自分が物件を所有していない限り、自分だけでは完全にコントロールできないコストです。
今の家賃なら黒字。しかし、固定費が増えたら赤字。そんなギリギリの状態では、どれだけ繁盛しているように見えても事業基盤は強くありません。
一方、アフィリエイトをはじめとするWEBメディア事業には、物理的な店舗を必要としないという大きな特徴があります。
一等地の家賃を払わなくても、日本全国のユーザーへアクセスできます。売上が小さいうちは小さく運営し、成長に合わせて記事数や外注費を増やすこともできます。
これは派手なメリットではありません。しかし、事業を長期間続けることを考えれば非常に大きな強みです。
ビジネスを選ぶとき、「最大でいくら稼げるか」だけを見るのではなく、「何もしなくても毎月いくら出ていくのか」を見る。
そして、
自分ではコントロールできない固定費を、どれだけ抱えるビジネスなのかを見る。
店舗を持たずに始められるアフィリエイトの強みは、まさにここにあります。