ChatGPTをはじめとする生成AIの普及によって、WEB記事を作るハードルは大きく下がりました。

以前であれば、5,000文字の記事を1本作るだけでも、キーワードを調査し、競合サイトを確認し、構成を考え、情報を調べ、文章を書き、校正するという多くの作業が必要でした。

ところが現在では、AIに、「○○について5,000文字の記事を書いてください」と指示すれば、短時間でそれらしい記事が完成します。

そのため、「AIで毎日10記事作れば、1か月で300記事になる」「記事数を増やせばGoogleからアクセスが集まる」「記事制作費をほとんどかけずにアフィリエイトサイトを作れる」と考える人が増えるのも不思議ではありません。

しかし、ここには大きな落とし穴があります。

AIで記事を作れることと、アフィリエイトで稼げることはまったく別の話です。

むしろ、誰でも簡単に記事を作れるようになったことで、「普通の記事」の価値は以前より下がっていると考える必要があります。

Googleも生成AIの使用そのものを禁止しているわけではありません。生成AIは調査やオリジナルコンテンツの構成に役立つと説明しています。

一方で、ユーザーへの付加価値を加えず、大量のページを生成する行為については、Googleのスパムポリシーにおける「大量生成されたコンテンツの不正使用」に該当する可能性があると明記しています。

つまり問題なのは、AIを使ったかどうかではありません。

問題なのは、AIを使って何を作ったのか、です。

AIを使えば誰でも「70点の記事」を作れる時代になった

生成AIが登場する以前は、文章を書く能力そのものが一つの参入障壁でした。

こうした作業には一定のスキルが必要でした。しかし現在は、AIを使えばかなりの部分を自動化できます。

例えば、「アフィリエイトの始め方」についてAIに記事を書かせれば、

といった内容の記事が簡単に完成します。

文章として大きな間違いもなく、読みやすく、見出しも整理されている。一見すると十分な記事です。

しかし問題があります。同じことは競合サイトもできるということです。

自分が5分で作れる記事は、競合も5分で作れます。その結果、

という状態になります。

これではGoogleから見ても、ユーザーから見ても、「なぜこのページを読む必要があるのか」という理由がありません。

AIによって記事制作が簡単になったからこそ、文章そのものでは差別化しにくくなったのです。

検索上位の記事をAIにまとめさせても、検索上位を超えにくい

AI記事を作るときによく行われるのが、「検索上位10サイトを参考にして、網羅的な記事を書いてください」という方法です。

一見すると合理的です。しかし、よく考えてみると大きな問題があります。

検索上位サイトに書いてある、Aという情報。Bという情報。Cという情報。

これをAIが整理して、A+B+Cの記事を作ったとしても、そこには新しい情報がありません。競合サイトの情報を、違う文章に並べ替えただけだからです。

Googleは、他の情報源を単純にコピーしたり書き換えたりするのではなく、十分な追加価値や独自性があるか、独自の情報・調査・分析が存在するかをコンテンツ評価の自己点検項目として挙げています。

AIで記事を作る場合に最も警戒するべきなのが、この、「綺麗にまとまっているが、新しい情報が何もない記事」です。

文章としては悪くありません。しかし、WEB上にはすでに似た情報が大量に存在しています。それをさらに1ページ増やしたところで、検索ユーザーにとって大きなメリットはありません。

100記事作っても「100個の新しい価値」があるとは限らない

AIを利用すると記事数を急速に増やせます。例えば、1日10記事。1か月300記事。半年で1,800記事。

数字だけを見ると非常に強そうに見えます。しかしSEOでは、記事数=サイトの価値ではありません。

極端な話、

というキーワードごとにAI記事を作れば、5ページを簡単に作れます。しかし検索する言葉が多少違うだけで、知りたい内容はほぼ同じです。

Googleは2026年に公開したAI検索向けの公式ガイドでも、ユーザーが使用する検索表現の細かなバリエーションごとにページを大量生成することを勧めていません。

ページ数が多いからサイト品質が高くなるわけではなく、Googleのシステムは検索語と完全一致していなくてもページとの関連性を理解できるようになっていると説明しています。

したがって、300記事作ることより、300記事作る必要が本当にあるのかを考える方が重要です。

AIは「キーワード」を見ても「事業」を見ていない

アフィリエイトで稼ぐために必要なのは記事だけではありません。ここが非常に重要です。

例えば、「クレジットカード」というキーワードが検索されているからといって、クレジットカードの記事を100本作れば儲かるわけではありません。

その前に、

という事業設計が必要です。

ところがAI記事を大量生成すると、「検索されているキーワードの記事を書くこと」そのものが目的になりがちです。

本来は、

本来あるべき順番

  1. 市場を選ぶ
  2. 広告案件を確認する
  3. 収益モデルを作る
  4. ユーザーを決める
  5. キーワードを選ぶ
  6. サイト構造を作る
  7. 記事を作る

という順番で考えるべきところを、

AI記事量産で陥りがちな順番

  1. キーワードを見つける
  2. AIに記事を書かせる
  3. 公開する

だけになってしまいます。これでは、アクセスが発生したとしても収益につながりません。

アフィリエイトでは「アクセスを集める記事」と「売る記事」は違う

例えば、「アフィリエイトとは」というキーワードで毎月1万人を集客できたとします。それだけで大きな売上になるとは限りません。

一方、「○○ 比較」「○○ おすすめ」「○○ 料金」「○○ 口コミ」「○○ A社 B社 違い」といった検索者は、すでに商品やサービスを検討している可能性があります。

検索数は少なくても、こちらの方が売上につながることがあります。

アフィリエイトで必要なのは、PVを最大化することではなく、収益につながるアクセスを集めることです。

そのためにはサイト内に、

収益導線

  1. 集客記事
  2. 比較記事
  3. 個別商品記事
  4. 広告主

という導線を作らなければなりません。

AIに100個のキーワードを渡して100記事作らせても、この収益導線まで自動的に完成するわけではありません。記事単体ではなく、サイト全体でどうユーザーを動かすかを設計する必要があります。

AIは「実際に使った経験」を持っていない

AI記事のもう一つの弱点が一次情報です。

例えば、「A社とB社を比較してください」とAIに依頼すれば、料金、機能、特徴、メリット、デメリットなどを整理できます。

しかし、

という経験そのものをAIが持っているわけではありません。

そこで人間が、「実際にA社とB社を契約して比較したところ、○○については公式サイトのスペックだけでは分からない違いがあった」という情報を追加すれば、記事の価値が大きく変わります。

Googleも、コンテンツが実際の使用などから得られた一次経験や深い知識を明確に示しているかを、ユーザー第一のコンテンツを考える際の判断材料として挙げています。

これからのアフィリエイトでは、この差がますます大きくなります。

「AIに聞けば分かる情報」だけのサイトは存在意義が弱くなる

以前であれば、「○○とは?」「○○のメリットは?」「○○の使い方は?」という情報を調べるためにGoogle検索を利用する必要がありました。

しかし現在では、こうした一般的な情報の多くを生成AIに直接質問できます。そのためWEBメディア側には、AIに聞くだけでは得られない情報がますます必要になります。

例えば、

などです。

Googleも2026年のAI検索向けガイダンスで、価値があり、独自性のある「non-commodity」、つまりコモディティ化していないコンテンツを重視する考え方を示しています。

これからは、「ネットで調べればどこにでも書いてある情報」だけでは、WEBサイトを訪問する理由そのものが弱くなっていく可能性があります。

AI記事だけでは「この人から申し込みたい」が生まれにくい

アフィリエイトの最終目的は検索順位ではありません。成果発生です。そこで重要になるのが信頼です。

例えば、同じ商品を紹介している2サイトがあったとします。

Aサイト

「A社はおすすめです。メリットは○○、デメリットは○○です。」

Bサイト

「実際に6か月利用しました。こちらが管理画面です。申し込みから利用開始まで○日でした。ただし○○については使いづらかったため、このような人にはおすすめしていません。」

どちらから申し込みたいと思うでしょうか。

もちろん文章だけで一概には決まりません。しかし、Bサイトには、「実際に使った人から聞いている」という信頼材料があります。

アフィリエイトでは、この信頼がクリック率や成約率に影響します。

AIによって文章を綺麗にすることはできます。しかし、信用される根拠そのものまでAIが作ってくれるわけではありません。

稼いでいるアフィリエイターほど広告主だけを見ていない

さらに、アフィリエイトを事業として考えるのであれば、AI記事を増やす前に広告案件そのものを確認する必要があります。

例えば成果報酬5万円という非常に高単価な案件があったとしても、その広告主1社しか存在しなければ、案件終了と同時に収益源を失う可能性があります。

一方、A社・B社・C社・D社・E社と複数の広告主が存在する市場であれば、広告条件の変更があっても他社へ切り替えられる可能性があります。

長くアフィリエイトで収益を上げるために重要なのは、広告主を信用することではなく、一つの広告主に依存しなくても済むWEBメディアを作ることです。

これはAIに、「おすすめアフィリエイトジャンルを10個教えて」と質問するだけでは判断できません。報酬単価、案件数、競合、市場規模、検索需要、広告主の厚み、将来性などを総合的に判断する必要があります。

この考え方については、「本当に稼いでいるアフィリエイターほど広告主やASPを信用していない」で詳しく解説しています。

AIを使ってはいけないのではない

ここまで読むと、「それならAIを使わない方がいいのか」と思うかもしれません。

そうではありません。むしろ、これからWEBメディアを運営するのであれば、AIを積極的に活用するべきだと考えます。

Google自身も、生成AIはトピックの調査やオリジナルコンテンツの構造化などに役立つと説明しています。

問題は、AIに記事制作を丸投げして、そのまま公開することです。

AIは、

といった作業には非常に向いています。そこで、

丸投げアフィリエイトメディアが考えるAI活用の流れ

  1. AIで土台を作る
  2. 人間が事実確認する
  3. 実体験を追加する
  4. 独自データを追加する
  5. 自分たちの判断を追加する
  6. ユーザー導線を設計する

という使い方をします。これなら記事制作のスピードを上げながら、独自性も維持できます。

AI時代ほど「記事制作」より「企画」が重要になる

AI以前は、記事を書くこと自体に大きなコストがかかりました。これからは記事を書くコストがさらに下がっていきます。

すると価値が移るのは、何を書くかです。

こうした判断は、記事本文を書くこととは別の仕事です。

つまり、AI時代のアフィリエイトで差がつくのは「文章を書く能力」から「WEBメディアを設計する能力」へ移っていくと考えられます。

まとめ|AIで記事を量産するのではなく、AIを使って価値を量産する

AIを使えば記事はいくらでも作れます。しかし、記事を量産できることと、価値を量産できることは同じではありません。

こうしたページを何百本作ったとしても、強いWEBメディアになるとは限りません。

Googleが問題視しているのもAIそのものではなく、検索順位を操作することを主目的として、ユーザーへの価値がほとんどないコンテンツを大量に作ることです。

これから重要なのは、AIで記事を量産することではなく、AIを使って「他のサイトにはない価値」を効率よく量産することです。

例えば1記事につき、

このうち最低一つでも入れる。

これを100記事積み重ねれば、「ネット上の情報をAIでまとめた100ページ」ではなく、「100個の独自情報を持ったWEBメディア」になります。

AIが普及するほど、文章そのものはコモディティ化していきます。

だからこそ、アフィリエイトで本当に必要なのは「記事を書くこと」ではありません。何を調べ、何を経験し、何を比較し、何を自分たちの情報として世の中に出すのか。

そこまで設計できるかどうかが、AIで簡単に記事を作れる時代に、稼げるWEBメディアと稼げないWEBメディアを分ける大きな違いになるでしょう。

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