アフィリエイトを始めたばかりの人は、「どの広告主の商品を紹介するか」を非常に重要な問題として考えます。
もちろん、広告主選びは重要です。
しかし、長期間にわたってアフィリエイトで収益を上げ続けることを考えるのであれば、さらに重要な考え方があります。
それは、特定の広告主を信用しすぎないことです。
ここでいう「信用しない」とは、「広告主は信用できない会社ばかりだ」という意味ではありません。
広告主とアフィリエイターでは、そもそもビジネス上の立場が違います。
広告主は自社の商品やサービスを販売するためにアフィリエイト広告を利用しています。一方、アフィリエイターは広告主の商品・サービスを紹介することで成果報酬を受け取ります。
お互いにメリットが一致している間は非常に良い関係を築くことができます。
しかし、広告主にとってアフィリエイト広告は数ある集客手段の一つにすぎません。
広告主の経営方針、市場環境、広告予算、利益率、法律・規制、競合状況などが変われば、アフィリエイト広告に対する方針も当然変わる可能性があります。
そのため、あなたがアフィリエイトを「事業」として考えるのであれば、「この広告主ならずっと広告を出してくれるだろう」という前提でアフィリエイトサイトを作るべきではありません。
むしろ、「この広告主が明日なくなったとしても、このWEBメディアは存続できるか」という視点で考えることが重要です。
広告案件は永遠には続かない
初心者がアフィリエイトサイトを作るときに陥りやすいのが、一つの広告案件を中心にサイト全体を設計してしまうことです。
例えば、あるジャンルで非常に条件の良い広告案件を見つけたとします。
- 成果報酬が1件3万円。
- 承認率も比較的高い。
- 知名度もあり、商品自体も売りやすい。
この案件を見つけると、「この商品を紹介するサイトを作れば儲かるのではないか」と考えたくなります。
しかし、ここで一度立ち止まる必要があります。
その広告案件が1年後も存在している保証はありません。
広告主側の事情によって、
- アフィリエイト広告そのものが終了する
- 新規提携を停止する
- 成果報酬が下がる
- 成果条件が厳しくなる
- 対象商品が変更される
- 特定キーワードでの集客が禁止される
- 広告表現のルールが変更される
- 成果を承認しない
といったことは十分に起こり得ます。
広告主も利益を出すために広告を出しています。
例えば、これまで1件3万円を支払っても利益が出ていた商品が、市場環境の変化によって1件3万円では採算が合わなくなることもあります。
その場合、成果報酬を2万円、1万円へ変更することは、広告主として合理的な判断です。
問題なのは、アフィリエイター側が、「3万円の報酬がずっと続く」という前提で事業を組み立ててしまうことです。
稼いでいる人ほど「広告主」ではなく「市場」を見る
長くアフィリエイトを続けるのであれば、見るべきなのは特定の広告主ではありません。
見るべきなのは市場そのものです。
例えば、同じ金融系のジャンルでも、A社しか広告を出していない市場と、A社・B社・C社・D社・E社と複数の広告主が存在する市場では、アフィリエイトサイトとしての事業リスクが大きく違います。
仮にA社の成果報酬が3万円で、その他4社の成果報酬が5千円だったとします。
一見すると、A社だけを紹介するサイトを作った方が儲かりそうに見えます。
A社集中型(1社のみ)
- A社 30,000円
しかし、A社が広告を終了すると、そのサイトの収益源が一気になくなってしまいます。
一方で、次のような市場であればどうでしょうか。
複数広告主分散型
- A社 15,000円
- B社 12,000円
- C社 12,000円
- D社 10,000円
- E社 10,000円
単価だけを見れば最初の3万円案件には劣ります。
しかし、A社が終了してもB社へ送客できます。
B社の条件が悪化すればC社を中心に紹介することもできます。
つまり、広告主を入れ替えながらWEBメディア自体を存続させることができます。
アフィリエイトを長期的な事業として考えるのであれば、こちらの方がはるかに重要です。
「最高単価の案件」ではなく「代わりがある案件」を選ぶ
初心者はどうしても成果報酬の数字に目が行きます。
「1件5万円」「1件10万円」と書かれていれば魅力的に感じるのは当然です。
しかし、当社がアフィリエイト事業を考える際には、成果報酬額だけではなく、少なくとも次のような点を確認する必要があると考えています。
- 同じ市場に広告主が何社存在するか
- 代替できる広告案件があるか
- 案件終了時に別の商品へ誘導できるか
- 広告主によって成果条件が大きく違わないか
- 一つの広告主に売上が集中しないか
- 市場そのものが今後も存在する可能性が高いか
- 新しい広告主が参入する余地があるか
つまり、「今いくら稼げるか」だけでなく、「環境が変わったときにも稼ぐ方法を残せるか」を見るわけです。
これは株式投資などで一つの銘柄に全資産を集中させない考え方と少し似ています。
アフィリエイトでも、収益の大部分を1社の広告主に依存すれば、その広告主の方針変更がそのまま自分の事業リスクになります。
月100万円稼ぐサイトほど危険なこともある
例えば、あるサイトが毎月100万円のアフィリエイト報酬を生んでいたとします。
数字だけを見れば成功サイトです。
しかし、その内訳が次のようになっていた場合、実際にはかなり大きなリスクを抱えています。
一見成功しているが危険な内訳
- A社 95万円
- B社 3万円
- C社 2万円
A社が広告を終了すれば、翌月から売上が100万円から5万円になる可能性があるからです。
逆に、次のような100万円であれば、一社が終了しても事業全体が突然なくなる可能性は低くなります。
分散された安定的な内訳
- A社 30万円
- B社 25万円
- C社 20万円
- D社 15万円
- E社 10万円
この違いはGoogleの検索順位を見ているだけでは分かりません。
そのため、アフィリエイトサイトを運営するときは、「アクセスはいくつあるか」「検索順位は何位か」だけでなく、どの広告主から何%の売上が発生しているのかまで確認した方がよいのです。
広告主だけでなくASPにも依存しすぎない
同じ考え方はASPにも当てはまります。
初心者の場合、「このASPだけ登録しておけば大丈夫」と考えてしまうことがあります。
しかし、同じ広告主でもASPによって条件が違うことがあります。
また、あるASPでは取り扱いが終了しても、別のASPでは継続していることもあります。
そのため、サイトを本格的に運営するのであれば、複数のASPを確認しておく価値があります。
重要なのは、登録数を増やすこと自体ではありません。
「現在使っている案件が終了した場合、どこへ切り替えるか」をあらかじめ考えておくことです。
アフィリエイトは、問題が発生してから代替案件を探すより、問題が起きる前から選択肢を持っている方が圧倒的に対応しやすくなります。
広告案件からサイトを作るのではなく、市場からサイトを作る
ここまでの話を踏まえると、アフィリエイト初心者がサイトを作る際の考え方も変わってきます。
よくある順番
- 報酬が高い広告を見つける
- その広告を売るサイトを作る
という順番だけで考えるのではなく、
丸投げアフィリエイトが考える順番
- 需要が継続する市場を探す
- その市場に複数の広告案件が存在するか調べる
- 広告主が変わっても成立するサイトテーマを決める
- キーワードとサイト構造を設計する
- サイトを制作する
という順番で考えます。
この違いは非常に大きいものです。
例えば、サイト名まで特定の広告主の商品名にしてしまうと、その商品の販売が終了したときにサイトそのものを作り直さなければならない可能性があります。
一方で、市場やテーマを軸にしたサイトであれば、広告主が変わっても記事を書き換えたりリンク先を変更したりすることで対応できます。
これこそが、単なる「広告紹介ページ」と「WEBメディア事業」の大きな違いです。
本当に持つべき資産は広告案件ではなくWEBメディア
アフィリエイトを始めると、成果報酬額ばかりに目が向きがちです。
しかし、長期的に考えれば、本当に価値を持つのは広告案件そのものではありません。
広告主は変わります。広告単価も変わります。ASPも変わります。Googleの検索環境も変化します。SNSの流行も変わります。
そのような状況でも残るものがあります。
それが、ユーザーから認知され、検索され、訪問されるWEBメディアそのものです。
「○○について調べるならこのサイト」というポジションを取ることができれば、その時点で最も条件の良い広告案件へユーザーを誘導できます。
A社の条件が良ければA社。B社のサービスが優れてくればB社。将来C社という新しい広告主が参入すればC社。
広告主に合わせてWEBメディアを作るのではなく、WEBメディアを持ち、その時々で最適な広告主を選ぶ。この主従関係を間違えないことが重要です。
初心者ほど「誰を信用するか」ではなく「依存しなくて済む設計」を考える
アフィリエイトでは、「おすすめのASPはどこですか」「どの広告案件なら安心ですか」「どの広告主が稼げますか」という質問がよく出てきます。
もちろん、それぞれを調べることは必要です。
しかし、本当に重要なのは、完璧に信用できる広告主を探すことではありません。
ビジネスである以上、環境は必ず変わります。だからこそ、変化しても困らない仕組みを最初から作ることの方が重要です。
一社の広告主に依存しない。
一つのASPに依存しない。
一つの集客経路に依存しない。
一つのキーワードに依存しない。
これらを意識してWEBメディアを作ることで、アフィリエイトは単なる副収入ではなく、より安定した事業に近づいていきます。
アフィリエイトを始める前に確認したい5つの質問
これからアフィリエイトを始めるのであれば、サイトを作る前に次の5つを確認してみてください。
-
この広告主がなくなってもサイトは成立するか
特定企業だけに依存したサイトになっていないか確認します。
-
代わりになる広告案件が2〜3社以上あるか
現在使う予定がなくても、代替案件が存在すること自体が重要です。
-
広告案件がなくなっても読まれるテーマか
広告ではなく、ユーザーの需要を基準に市場を判断します。
-
複数の収益ページを作れるか
一つの商品紹介ページしか作れない市場より、比較、ランキング、目的別、悩み別など複数の収益ページを展開できる市場の方がWEBメディアを育てやすくなります。
-
3年後もユーザーが検索する可能性があるか
短期間の流行だけでなく、継続的な需要が期待できるかを考えます。
この5つに答えられない状態でサイト制作を始めるより、先に市場・広告案件・キーワードを調査した方が、失敗する可能性を減らすことができます。
まとめ|広告主を信用するのではなく、広告主に依存しないサイトを作る
「稼いでいるアフィリエイターは広告主を信用していない」という言葉は、広告主を疑うべきだという意味ではありません。
正確には、長くアフィリエイトを続けている人ほど、特定の広告主が永遠に同じ条件で広告を出し続けることを前提にしていないということです。
広告案件の終了、単価変更、成果条件の変更は、アフィリエイトというビジネスを続ける以上、常に考えておく必要があります。
だからこそ、「一番報酬が高い広告はどれか」だけでジャンルを決めるのではなく、「広告主が変わっても、このWEBメディアは収益を生み続けられるか」を考える必要があります。
アフィリエイトで本当に作るべきなのは、特定の商品を売るためだけのサイトではありません。
広告主が変わっても、案件が変わっても、収益源を入れ替えながら運営できるWEBメディアです。
この考え方を持ったうえでジャンル選定、広告案件選定、キーワード選定、サイト設計を行うことが、アフィリエイトを長期的な事業として育てる第一歩になります。