第二事業の売上に本業の営業担当が貢献したとき、実際の売上を計上する事業と、社員・部門の貢献を評価するルールを分けておくと、社内の争いと二重計上を防げます。紹介件数だけで配分するのか、販売や提供まで含めるのかによって、協力の仕方も変わります。ここでは会社内の評価を対象に、誰のどの仕事を認めるか、途中で担当が変わった案件をどう扱うかを整理します。
売上の所属と、協力への評価は別に決める
本業の営業部が顧客を紹介し、第二事業の担当が契約と提供を行う会社を考えます。第二事業の売上に加えて、同じ金額を営業部の売上へ加算すると、部門表の合計が会社の実際の売上を上回ってしまいます。社内の評価点や貢献額を置く場合は、実際の売上とは違う欄で管理します。正式な会計の所属や処理は経理担当者と確認してください。
営業部へ評価を付けること自体は、協力を促す方法になり得ます。ただし、評価額が会社の売上、部門の予算、人事評価のどれに使われるかを明記する必要があります。同じ表の中で用途の違う数字を足すと、予算の判断を誤ります。会社の収益源を考える際は会社の第二の収益源を作る方法へ戻り、本業支援と独立した事業収入の目的を区別します。
社内ルールの目的も一つに絞って説明します。紹介への協力を増やすのか、販売から提供までの責任を明らかにするのか、事業間の費用を調整するのかで、必要な記録が違います。評価のために細かい報告を増やし過ぎると、少ない件数の事業では管理の負担が収入を圧迫する場合があります。
貢献を、案件の作業へ戻して見る
| 仕事 | 記録する事実 | そのまま売上配分にしない理由 |
|---|---|---|
| 顧客の紹介 | 相手の了承と紹介先、日時 | 購入の意思や予算が確認できていない場合がある |
| 用途の確認 | 誰が何を必要としているか | 本業の商談と第二事業の需要は異なる |
| 提案・契約 | 条件の説明と合意した範囲 | 紹介者と契約の担当が同じとは限らない |
| 提供・修正 | 納品、受領、追加対応 | 売上だけでは提供の負担が見えない |
| 継続の案内 | 顧客が選んだ更新や追加購入 | 初回の紹介だけで永久に配分する根拠にはならない |
紹介数を評価するなら、渡した名刺の数と、顧客が了承した紹介を区別します。社内で連絡先を共有しただけでは、第二事業の話を受けたいと確認できていません。営業担当へ無理な案内を促さないためにも、評価対象の紹介に含める条件を具体化します。本業の関係を守るため、顧客が断った場合に繰り返し勧めない扱いも決めておきます。
担当者が案件へ使った時間も、評価を検討する材料です。ただし、長く働いた人へ多く配分する仕組みでは、不要な作業を減らす意欲が弱まることがあります。必要な仕事を果たしたか、顧客へ誤った約束をしていないか、情報を次の担当へ渡したかを併せて見ます。時間の扱いは第二事業にかかる社内工数で整理しています。
仮の販売案件で、数字を二つの表へ分ける
説明用に、本業の営業担当が第二事業の資料作成サービスを紹介し、10万円の契約が成立したと仮定します。実在する実績や推奨単価ではありません。会社の管理用売上表には、第二事業の取引として10万円を一度記録します。別の貢献表には「営業部が了承済みの紹介を行い、第二事業担当が用途確認と契約・提供を行った」と残します。
この会社が初回紹介への評価を決める場合、営業部の評価へ何を反映するかを社内で承認します。紹介者が提供まで担当していないのに、売上の一定割合を永久に配分する必要はありません。逆に、営業部が毎回継続の説明と顧客対応を行うなら、初回紹介だけの扱いでは協力の負担が見えません。配分率より先に、繰り返し生じる仕事を確認します。
提供の外部費用と社員時間は、収支の資料へ別途入れます。貢献評価を社内で移し替えただけなのか、部門間の費用負担を変えたのかも明らかにします。会社の資金が外へ出ていない社内調整を、新しい外部支出として重ねないようにしてください。承認する金額と、その用途を定める基本は新規事業の事業計画が参考になります。
担当変更や継続契約で揉めやすい部分を先に決める
同じ顧客へ複数の担当が連絡した場合
先に記録した人だけを評価すると、顧客の意思を確認する前に連絡先を登録する行動を招く場合があります。初回のきっかけ、用途の確認、契約をまとめた仕事を分けて記録し、同じ案件へ複数の担当が関わる条件を決めます。顧客にとって重複した案内になる場合は、社内評価より連絡の整理を優先します。
担当交代の後で追加購入があった場合
前任者の初回紹介と、後任者による新しい提案を区別します。継続購入は前任者の仕事だけで生じたとは限りません。引き継いだ顧客情報、残る約束、追加の対応を記録し、何を評価対象にするかを変更前に伝えます。退職や異動の後まで続く扱いを置く場合は、人事や契約の担当へ確認が必要です。
解約や返金が生じた場合
契約の成立だけで確定する評価と、受領や支払いまで待つ評価では、調整の仕事が違います。返金後に評価を直す仕組みなら、誰がいつ確認するかを決めます。説明不足による解約を紹介者だけの責任へ戻すのではなく、どの工程で条件が伝わらなかったかを調べます。顧客対応の失敗を、配分だけで解決しようとしないことが大切です。
配分の変更は、案件と担当者の両方へ伝える
会社が新しい事業の協力を促すために一時的な評価を置く場合、その期間と終了後の扱いを最初に示します。期間限定の評価を通常の給与や売上配分と誤解したまま広げると、終了時に不満が残ります。社内の賃金や人事に関わる変更は、担当部署と必要な確認を行い、現場だけで約束しないようにします。
記録には案件番号、顧客の了承、関わった部署、提供の担当、適用した評価ルールの版を残します。後から率だけを変えて過去の案件へ当てはめると、当時の合意が見えなくなります。例外を認める場合も、経営が理由を記録し、似た案件へ同じ条件を適用するかを判断します。担当者同士の口約束に戻さないための資料です。
評価の変更を顧客へ説明する必要は通常の社内配分と別に考えます。顧客が確認したいのは契約、価格、提供、連絡先です。社内で部門の配分が変わっただけなのに、顧客へ追加料金や窓口の変更を求めることは避けます。取引条件へ影響する変更があるなら、その内容を別に確認し、必要な合意を得てから実施してください。
評価ルールは、少数の実例で運用してから広げる
最初から多くの部門へ複雑な配分を導入するより、限られた案件で記録と集計ができるかを確かめます。顧客の紹介に必要な確認、案件の識別、契約や提供の担当、継続の扱いがそろうかを見ます。例外の度に経営者が数字を変える状態なら、条件が不足している可能性があります。新しいルールの適用開始日と、過去の案件をどう扱うかも示してください。
見直しの会議では、配分された額だけでなく、顧客への案内、提供の負担、本業営業の優先順位を確認します。第二事業へ貢献した担当が、本業の重要な仕事を放置しているなら、評価指標そのものを変える必要があります。その具体的な調整は本業営業と第二事業の評価・優先順位で扱います。
将来、直接営業とは別に収益を生むアフィリエイトサイトを持つ場合は、サイトの報酬と営業部への送客を混ぜずに管理します。企業の商品・サービスを紹介し、条件を満たした成果に応じて報酬を受ける仕組みはアフィリエイトの仕組みから確認できます。すべての第二事業がこの方式に向くわけではありません。まず自社が何を提供し、どの仕事へ評価を付けるかをそろえることが先です。