制作を依頼したとき、ドメインの「持ち主」が誰になるかは、依頼の形によって変わります。確認するのは、誰の名前で契約するか、誰が支払うか、誰が管理画面を操作するか、依頼を終えたときに誰へ移せるかの四つです。この四つが別々の人になっていることもあります。
この記事では、契約前に確認する項目を扱います。どちらが所有者かという法的な結論を示すものではありません。契約の内容によって扱いが変わるため、判断が必要な場合は契約書の内容を確認し、必要に応じて専門家に相談してください。また、権限の細かい設定方法は扱いません。
1.なぜ名義を確認するのか
ドメインは、サイトの住所にあたります。住所が変われば、それまでに集めた訪問や、外部から貼られたリンクが引き継がれにくくなります。
依頼先の名義で契約されていると、依頼を終えるときに、ドメインを自分の管理に移す手続きが必要になります。依頼先と連絡が取れなくなった場合、手続きが進まないこともあります。
したがって、契約の前に名義を確認し、依頼を終えたときにどうなるかを取り決めておくことが大切です。
ドメインとサーバーの関係については、ブログの独自ドメインとは?サイト名・URL・サーバーとの関係を解説で詳しく解説しています。
2.四つの立場を分ける
| 立場 | 意味 | 確認すること |
|---|---|---|
| 契約者 | 登録サービスとの契約の名義人 | 依頼者の名前か、依頼先の名前か |
| 支払者 | 更新費用を払う人 | 依頼者が直接払うか、制作費に含むか |
| 管理者 | 管理画面を操作できる人 | 依頼者もログインできるか |
| 移管先 | 依頼終了後に移す先 | 誰の管理に移すか、手続きは誰がするか |
この四つが全部依頼者であれば、依頼を終えても管理を続けやすくなります。一部が依頼先になっている場合は、どう移すかを取り決めておきます。
3.よくある三つの形
以下は、依頼の形を整理したものです。どれが良いかは状況によって違います。
| 形 | 契約者 | 管理 | 依頼終了時 |
|---|---|---|---|
| 依頼者が自分で契約 | 依頼者 | 依頼者が権限を渡す | 権限を戻すだけ |
| 依頼先が代行して依頼者名義で契約 | 依頼者 | 依頼先が操作 | ログイン情報を受け取る |
| 依頼先の名義で契約 | 依頼先 | 依頼先 | 移管の手続きが必要 |
三つ目の形は、依頼先がまとめて管理できるため手間が少ない一方、依頼を終えるときの手続きが増えます。
4.依頼者が自分で契約する場合
自分でドメインとサーバーを契約し、作業に必要な権限だけを依頼先に渡す形です。契約者と支払者が依頼者になるため、名義の問題は起きにくくなります。
ただし、契約の手続きや、更新の管理は自分で行います。支払方法の登録や更新日の確認を忘れないようにします。
依頼先に渡す権限は、作業に必要な範囲に絞ります。作業が終わったら、渡した権限を見直します。
5.依頼先の名義で契約する場合
依頼先がまとめて契約する場合、次の点を契約前に確認します。
- 依頼を終えるとき、ドメインを依頼者へ移せるか。
- 移すときの手続きは誰が行うか。
- 移すときに費用がかかるか。
- 依頼先と連絡が取れない場合、どうするか。
- これらが契約書や合意書に書かれているか。
五つ目が重要です。口頭で「いつでも移せます」と聞いていても、書面になければ確認の手段がありません。
6.サーバーの名義
ドメインと同じように、サーバーの名義も確認します。ドメインを移せても、サーバーのデータを移せなければ、サイトを動かし続けることができません。
依頼先のサーバーにサイトを置く場合、依頼を終えるときにデータを受け取れるかを確認します。受け取るデータの形式も聞いておきます。
7.有料テーマや素材の名義
見落としやすいのが、有料テーマや画像素材のライセンスです。依頼先の名義で購入されていると、依頼を終えた後に使い続けられない場合があります。
ライセンスの条件は提供元によって違います。依頼者の名義で購入し直す必要があるかを、事前に確認します。
見積書で確認する項目は、ブログ制作の見積書はどこを見る?初心者が確認したい納品物と別料金で詳しく解説しています。
8.契約前の確認表
以下の表を埋めてから契約します。空欄が残る項目は、依頼先に質問して埋めます。
| 対象 | 契約者 | 支払者 | 管理者 | 依頼終了時の扱い |
|---|---|---|---|---|
| ドメイン | ||||
| サーバー | ||||
| サイトの管理画面 | ||||
| 有料テーマ | ||||
| 画像素材 | ||||
| 解析の道具 |
空欄の表は、自分の依頼に合わせて使ってください。記入した内容は、依頼先と共有しておくと認識のずれが減ります。
9.既に名義が依頼先になっている場合
既に依頼を始めていて、名義が依頼先になっていると分かった場合は、次の順で確認します。
確認の順序
- 契約書や合意書に、ドメインの扱いが書かれているかを確認する。
- 書かれていなければ、依頼先に依頼終了時の扱いを文書で確認する。
- 移管の手続きと費用を聞く。
- 依頼者の名義へ変更できる時期を相談する。
- 合意した内容を文書で残す。
急いで依頼先と対立する必要はありません。まずは扱いを確認し、文書にしておくことが先です。
10.更新の管理
誰が名義人であっても、更新を忘れるとドメインは使えなくなります。更新日と支払者を把握しておきます。
依頼先が支払っている場合、依頼を終えた後の更新を誰が行うかを決めておきます。依頼終了と更新日が近いと、手続きが間に合わないことがあります。
11.ログイン情報の受け取り方
ログイン情報を受け取る場合は、安全な方法で受け取ります。メールの本文にそのまま書いてもらうのは避けます。
受け取ったら、パスワードを自分で変更し、二段階の確認を設定できる場合は設定します。
アカウントの管理方法は、ブログとASPのパスワードをどう管理する?初心者のアカウント整理で詳しく解説しています。
12.依頼を終えるとき
依頼を終えるときに受け取るものは、ドメインだけではありません。契約情報、ログイン情報、操作の資料、素材なども含まれます。
納品時に受け取るものの確認表は、ブログを納品されたら何を受け取る?契約情報・操作資料・素材の確認表で詳しく解説しています。
13.確認すること
- ドメインとサーバーの契約者を確認した。
- 更新費用の支払者を確認した。
- 依頼者も管理画面にログインできるか確認した。
- 依頼終了時の移管の手順と費用を確認した。
- 有料テーマや素材の名義を確認した。
- 取り決めを文書で残した。
14.よくある質問
-
依頼先の名義で契約するのは、避けたほうがよいのですか。
避けるべきとは限りません。依頼先がまとめて管理することで手続きが少なくなる利点もあります。大切なのは、依頼を終えるときにどう移すかが事前に取り決められていることです。
-
名義を確認したいと言うと、依頼先に失礼になりませんか。
契約前の確認として一般的な質問です。「依頼を終えた後も自分でサイトを続けられるように確認したい」と目的を伝えれば、依頼先も答えやすくなります。
-
ドメインの登録情報に書かれている名前は、どこで確認できますか。
登録サービスの管理画面で確認できるのが一般的です。自分がログインできない場合は、依頼先に登録情報の画面を見せてもらうか、内容を文書で送ってもらいます。
-
移管の手続きには、どのくらい時間がかかりますか。
登録サービスや手続きの種類によって違います。取得から一定期間は移せない条件がある場合もあるため、依頼を終える時期が決まったら、早めに依頼先に手続きの流れを確認します。
-
サーバーは依頼先、ドメインは自分、という分け方はできますか。
できます。その場合、依頼を終えるときはサーバーのデータを受け取り、別のサーバーへ移す作業が必要になります。データを受け取れるかと、その形式を確認しておきます。
確認表の空欄が埋まらない項目があれば、それを依頼先への質問として一覧にし、まとめて送ると一度のやり取りで済みます。
質問への回答は、確認表の備考欄に書き写します。回答をもらった日付も添えておくと、後から取り決めの時期が分かります。
15.まとめ
ドメインの扱いは、契約者、支払者、管理者、移管先の四つに分けて確認します。
依頼先の名義で契約する場合は、依頼を終えるときに移せるか、その手続きと費用を契約前に文書で確認します。
サーバーのデータ、有料テーマ、画像素材の名義も、ドメインと同じように確認が必要です。
所有権の法的な判断は契約の内容によって変わります。判断が必要な場合は、契約書を確認し、専門家に相談してください。
名義の確認は、依頼先を疑うためではありません。依頼を終えた後もサイトを続けられるようにするための準備です。
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