WordPressは、サイトの中身を管理するためのソフトウェアです。文章や画像を登録すると、それを組み立ててページとして表示する仕組みで、見た目と中身を別々に扱えるのが特徴です。公式の説明によれば、GPLv2以降のライセンスで提供される、誰でも利用できるオープンソースのソフトウェアです。
この記事では、開設する前に知っておきたい基本機能を整理します。インストールの具体的な手順や、利用者の権限を分ける設定は、別の記事の範囲です。ここでは、何ができるソフトなのかという全体像を扱います。
1.どういう位置づけのソフトか
公式の説明では、WordPressは2003年に公開され、PHPとデータベースで構築されていると案内されています。世界のサイトの多くで使われており、開発は世界中の協力者によって進められています。
ライセンスはGPLv2以降で、目的を問わず実行する自由、動作を研究し変更する自由、再頒布する自由、変更したものを配布する自由が示されています。つまり、ソフト自体の利用料はかかりません。
ただし、無料なのはソフトだけです。動かすためのサーバーと、住所にあたるドメインは自分で用意します。この点を混同すると、費用の見積もりがずれます。
2.四つの部品で考える
WordPressの機能は多岐にわたりますが、最初に覚えるのは四つで足ります。それぞれが何を担当するかを対応させます。
| 部品 | 担当すること | 実際の作業 |
|---|---|---|
| 投稿 | 日付順に並ぶ記事 | ブログ記事を書く |
| 固定ページ | 日付順に並ばない独立したページ | 運営方針、問い合わせ、サイトの説明 |
| テーマ | 見た目とページの組み立て方 | デザインを選ぶ、色や文字を変える |
| プラグイン | 標準にない機能の追加 | 目次、問い合わせフォーム、保存機能など |
この四つを区別できれば、管理画面で迷うことは大きく減ります。どこを触ればよいか分からなくなったときは、やりたいことが四つのどれにあたるかを考えてください。
3.投稿と固定ページの使い分け
投稿は、記事の一覧に並び、新しいものが上に表示されます。分類やタグを付けて整理できます。ブログとして書く記事は、基本的にこちらです。
固定ページは、一覧に並びません。単独で存在するページで、メニューから開く形が一般的です。運営方針、問い合わせ、サイトの紹介など、更新頻度が低く独立した内容に使います。
迷ったときの基準は、日付が意味を持つかどうかです。「いつ書いたか」が読者にとって重要なら投稿、いつでも同じ内容として読まれるなら固定ページです。
4.テーマが担当すること
テーマは、登録した中身をどう表示するかを決めます。文字の大きさ、余白、色、見出しの形、一覧の並べ方などです。テーマを変えると、同じ記事でも見た目が変わります。
中身とテーマが分かれているため、後からデザインを変えても記事は残ります。これが、見た目と中身を別々に扱うという特徴の意味です。
テーマには無料のものと有料のものがあります。最初は無料のもので構いません。表示に不足を感じてから、有料のものを検討する順序で問題ありません。
どこまで見た目を整えてから始めるかは、ブログのデザインはどこまで整えてから始める?読みやすさの最低限で詳しく解説しています。
5.プラグインが担当すること
プラグインは、標準にない機能を足す部品です。問い合わせフォームを作る、目次を自動で生成する、データを保存するなど、目的ごとに用意されています。
便利ですが、入れすぎると管理が増えます。それぞれに更新があり、相性の問題で表示が崩れることもあります。必要になったときに、必要なものだけを入れるのが基本です。
導入前に確認するのは、最近更新されているか、利用している人が一定数いるか、自分が使っているバージョンに対応しているかの三点です。これらは配布ページに表示されています。
6.記事を1本公開するまでの流れ
実際に触る画面の順序を並べます。最初の一本を公開するまでに、必要な操作はそれほど多くありません。
最初の記事を公開するまで
- 管理画面にログインする。
- 「投稿」から新規追加を選ぶ。
- タイトルを入力する。
- 本文を書く。見出しや段落は用意された形式から選ぶ。
- 必要なら画像を追加する。
- 分類を選ぶ。
- 下書きとして保存し、プレビューで表示を確認する。
- 問題なければ公開する。
この八つが、繰り返し行う作業です。二本目からは、慣れて短時間で済むようになります。設定に時間をかけるより、この流れを一度通してみるほうが理解が早くなります。
7.自分で管理することになるもの
無料ブログと違い、WordPressでは自分で管理する部分があります。何が自分の担当になるのかを、先に把握しておきます。
- 本体、テーマ、プラグインの更新。放置すると不具合や安全上の問題につながる。
- バックアップ。更新前や大きな変更の前に取っておく。
- ログイン情報の管理。管理画面は誰でも開ける場所にある。
- サーバーの契約更新。切れるとサイトが表示されなくなる。
- 表示の確認。更新後に崩れていないかを見る。
どれも難しい作業ではありませんが、誰もやってくれません。月に一度、確認する時間を決めておくと、後で困りにくくなります。
8.よくある勘違い
一つ目は、「WordPressを入れれば検索で有利になる」というものです。ソフトを使うこと自体が評価につながるわけではありません。中身が読者の役に立つかどうかが判断されます。
二つ目は、「無料だから費用がかからない」というものです。ソフトは無料ですが、サーバーとドメインの費用は継続します。
三つ目は、「プラグインを入れれば何でもできる」というものです。できることは増えますが、増やすほど管理と更新の手間も増えます。
9.似た名前のサービスとの違い
自分でサーバーを用意して設置する形とは別に、提供会社のサービス上で使う形もあります。名前が似ているため混同されますが、できることと費用が違います。
提供会社のサービス上で使う場合、設置や更新の作業は不要になる代わりに、使える機能やプランに制約があります。広告の掲載条件も、プランによって異なる場合があります。
どちらを使うかを決めるときは、名前ではなく、広告を掲載できるか、独自ドメインを使えるか、費用はいくらかで比べてください。条件は変わることがあるため、公式の案内で確認します。
10.設置の前に決めること
設置作業そのものは、サーバー会社が用意した手順に従えば進みます。その前に決めておくことがあります。
- サイト名。後から変えられますが、最初に入力を求められます。
- ドメイン。サーバーの契約と合わせて用意します。
- 管理画面のログイン情報。推測されにくいものにし、安全に保管します。
- テーマ。無料のもので構いません。後から変えられます。
この四つが決まっていれば、設置作業は進みます。決まっていない項目があると、途中で手が止まります。
サーバーを選ぶときに見る項目は、アフィリエイト用レンタルサーバーはどう選ぶ?専門用語より先に見る項目で詳しく解説しています。
11.覚える順序
最初から全部を理解しようとすると進みません。次の順序で覚えると、必要な分だけ身につきます。
まず、投稿を書いて公開する。次に、固定ページで運営方針と問い合わせを作る。次に、メニューを整える。次に、必要になったプラグインを一つずつ入れる。最後に、テーマの細かい設定を触る。
この順序なら、最初の記事が早く公開できます。設定を先に全部やろうとすると、記事が一本もないまま時間が過ぎます。
12.分からないときの調べ方
操作で迷ったら、公式のドキュメントとサーバー会社のヘルプを先に見ます。第三者の解説記事は、古い画面を前提にしていることがあります。
検索する場合、使っているバージョンやテーマの名前を添えると、該当する情報が見つかりやすくなります。画面の見た目はテーマによって変わるため、同じ手順でも表示が違うことがあります。
調べて分かったことは、自分用のメモに残します。同じ操作を数か月後にもう一度やるとき、探し直す手間がなくなります。設定の変更履歴も一緒に残しておくと、表示が崩れたときにどこを戻せばよいかが分かります。
なお、ここで説明した内容は、執筆時点で公式に案内されている範囲に基づいています。ソフトの仕様や画面の構成は更新されるため、実際に操作する際は最新の公式資料を確認してください。
参考資料・公式情報
公式情報の確認日:2026年9月12日。仕様・料金・規約は変更されるため、実行時は最新の公式案内を確認してください。
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