デザインに時間をかけ始めると、記事が一本も書けないまま数週間が過ぎます。公開前に決めるのは、文字が読める大きさか、行と行が詰まりすぎていないか、色が読みにくくないか、目的の場所へ移動できるかの四つだけです。それ以外は後回しで構いません。
この記事では、公開前に決める最低限と、その判断基準を扱います。公開前の確認事項の総覧や、本文の読みやすさを実機で点検する手順は別の記事の範囲です。ここでは、最初の設計だけを扱います。
1.なぜ最低限でよいのか
読者が記事を読むかどうかは、内容が疑問に合っているかで決まります。見た目は、読みにくくなければ判断に影響しません。
逆に言えば、読みにくいと内容にたどり着く前に離脱されます。だから、読みにくさだけは解消しておく必要があります。
つまり、目指すのは「良いデザイン」ではなく「読みにくくない状態」です。この基準なら、短時間で達成できます。
2.四つの項目
| 項目 | 確認すること | 目安 |
|---|---|---|
| 文字の大きさ | 小さすぎないか | スマートフォンで無理なく読めるか |
| 行の間隔 | 詰まりすぎていないか | 行を追うときに迷わないか |
| 余白 | 左右が詰まりすぎていないか | 文字が画面の端に触れていないか |
| 色 | 背景と文字の差 | 薄い灰色の文字を避ける |
四つとも、数値ではなく見え方で判断できます。数値を調べるより、実際に開いて読んでみるほうが早く分かります。
3.文字の大きさ
小さいほうが情報が多く入りますが、読みにくくなります。特にスマートフォンでは、拡大しないと読めない大きさだと離脱されます。
判断の方法は、自分が普段読んでいるサイトと比べることです。明らかに小さければ、大きくします。
また、自分が読みやすい大きさが、他の人にとってもそうとは限りません。年齢によって見え方は変わります。迷ったら、少し大きめにしておくほうが安全です。
4.行の間隔
行と行が詰まっていると、読んでいる行を見失います。日本語は、欧文より広めの間隔が読みやすいとされます。
判断の方法は、長い段落を実際に読んでみることです。途中で行を間違えるなら、間隔が足りません。
広すぎると、今度は段落のまとまりが分かりにくくなります。段落の間の空きが、行間より広い状態にしておくと、区切りが見えます。
5.余白
文字が画面の端に接していると、読みにくくなります。左右に余白を取ります。
スマートフォンでは、余白が狭くなりがちです。実際に開いて、端に触れていないかを確認します。
パソコンでは、逆に一行が長すぎることがあります。横幅いっぱいに文字が並ぶと、行の終わりから次の行の始まりまでの視線移動が大きくなります。
6.色
背景と文字の色の差が小さいと、読みにくくなります。薄い灰色の文字を白い背景に置く形は、おしゃれに見えても読みにくい代表例です。
本文は、濃い色にします。黒でなくても構いませんが、はっきり読める濃さにします。
色を使い分ける場合も、数を絞ります。本文の色、見出しの色、リンクの色、強調の色。この四つ程度で足ります。
7.同じ文章で比べる
設定を変えたら、同じ文章で見比べます。別々の文章で比べると、内容の違いに気を取られます。
比べる手順
- 長めの段落を一つ用意する。実際に書いた本文が望ましい。
- 今の設定で表示し、最後まで読む。
- 設定を一つだけ変える。文字の大きさなら大きさだけ。
- もう一度読む。読みやすくなったかを確認する。
- 良いほうを残し、次の項目に移る。
一度に複数を変えると、どれが効いたか分かりません。一つずつ変えるのが確実です。
8.メニューの配置
読者が目的の場所へ移動できるかを確認します。最低限、記事の一覧とサイトの説明へ行ければ足ります。
項目を増やしすぎると、どこを押せばよいか分からなくなります。最初は三つから五つで十分です。
メニューに何を置くかについては、ブログのヘッダーメニューには何を置く?初めての読者が迷わない案内で詳しく解説しています。
9.スマートフォンでの確認
設定を変えたら、必ずスマートフォンでも確認します。パソコンで整えても、スマートフォンで崩れることがあります。
確認するのは、文字の大きさ、余白、横にはみ出していないか、押せる大きさになっているかです。
特に、表がはみ出す問題は起きやすくなります。横にスクロールできる形になっているかを見ます。
実機での読みやすさの点検方法は、ブログの文字サイズや行間はどう決める?スマホで読みやすさを確かめる方法で詳しく解説しています。
10.やらなくてよいこと
公開前にやらなくてよいことも、はっきりさせておきます。
- 独自の装飾を細かく作り込む。
- 色の組み合わせを何十通りも試す。
- 記事の飾り用の画像を用意する。
- 有料のテーマを探して比較する。
- 動きのある表現を追加する。
これらは、読者の判断に影響しません。時間があるときに、記事を書いた後で取り組めば足ります。
11.後から変えられる
デザインは、後から変えられます。記事の内容とは分かれているため、表示を変えても記事は残ります。
したがって、最初の設定に完璧を求める必要はありません。記事が増えてから、必要に応じて調整します。
ただし、記事が増えてから大きく変えると、確認する記事の数も増えます。早い段階で基本を決めておくほうが楽です。
12.参考にする場合
読みやすいと感じるサイトがあれば、何が読みやすいのかを言葉にします。文字の大きさか、余白か、色か。
言葉にすると、自分のサイトで再現できます。「なんとなく良い」では、何を変えればよいか分かりません。
ただし、デザインをそのまま複製するのは避けてください。参考にするのは考え方です。
13.読者に確認してもらう
自分では読み慣れてしまうため、読みにくさに気づきにくくなります。誰かに開いてもらって、読みにくい箇所を聞きます。
聞くのは「おしゃれか」ではなく、「読みにくいところはあるか」です。評価ではなく、具体的な支障を尋ねます。
指摘がなければ、その状態で公開して問題ありません。
14.時間の上限を決める
デザインの設定に使う時間の上限を決めておきます。二時間、あるいは半日といった区切りです。
上限を決めないと、いつまでも触り続けることになります。記事が一本もない状態で見た目を整えても、読む人はいません。
上限が来たら、その状態で公開します。不満があっても、後から直せます。
15.公開前の確認
- スマートフォンで、拡大せずに本文が読める。
- 長い段落を読んで、行を見失わない。
- 文字が画面の端に接していない。
- 本文の色が背景とはっきり区別できる。
- メニューから記事の一覧へ移動できる。
- 横にはみ出している部分がない。
この六つが確認できれば、公開して構いません。それ以上は、記事を書いてから考えます。
16.装飾を増やさない
強調のための色や枠を多く使うと、どこが重要か分からなくなります。全部が目立つ状態は、何も目立っていないのと同じです。
強調は、記事に数か所までに絞ります。使う種類も、太字と一種類の背景色程度にとどめると、意味の違いが伝わります。
また、動きのある表現は、読む邪魔になることがあります。読者が文章を追っている横で何かが動くと、集中が切れます。
装飾を足したくなったら、それが読者の理解を助けるかを考えてください。助けないなら、足さないほうが読みやすくなります。
表示の設定は、一度決めたら頻繁に変えないでください。読み慣れた読者にとって、見え方が毎回変わるのは負担になります。
なお、読みやすさの基準は読者によって違います。自分が読みやすいと感じる設定が、他の人にも合うとは限りません。迷ったら、小さくするより大きくする、狭くするより広くする方向を選んでおくと、外れが少なくなります。
17.有料テーマを検討するとき
無料のテーマでこの六つが満たせない場合、有料のものを検討する理由になります。ただし、多くの無料テーマは満たせます。
有料テーマの判断については、ブログの有料テーマは最初から必要?購入前に確認する機能と条件で詳しく解説しています。
18.結論
公開前に決めるのは、文字の大きさ、行の間隔、余白、色の四つと、メニューの配置です。基準は「読みにくくないこと」で、良いデザインである必要はありません。
時間の上限を決めて、その範囲で整えてください。残りの時間は、記事を書くことに使うほうが、読者の役に立ちます。
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