法人のWEB第二事業には、顧客の依頼を受けて制作する受託型と、自社でサイトを保有して販売・広告・紹介などの収入を得る型があります。どちらもWEBの知識を使えますが、代金を支払う相手、売上が成立する条件、社内の仕事の増え方は異なります。本業の余力を何へ振り向けるかを、同じ会社の投資案として比べます。

二つの事業は、完成したサイトの持ち主から違う

受託では、依頼者が必要とする成果物を契約の範囲で提供します。案件ごとの提案、制作、検収、修正を管理し、次の仕事を得る営業が必要です。自社保有では、会社自身が読者や利用者を集め、商品や広告などの条件を満たしたときに収入を得ます。制作が完成しても、それだけで代金の支払者が決まるわけではありません。

受託は労働型、自社保有は何もしなくても収入が出る、と単純に分けないでください。受託でも共通の工程を整理できますし、自社サイトにも情報の更新、広告の管理、読者への対応が残ります。会社の判断では、社員がどの仕事を継続し、外部へ何を任せ、誰が条件変更を承認するかまで見る必要があります。

会社の資源を同じ欄で比較する

審査項目受託のWEB事業自社サイトの事業
代金の根拠依頼者との提供契約販売・掲載・紹介等の成立条件
初期の仕事見込顧客と提供範囲の検証読者需要と対価の検証
増員の圧力案件数と納期に応じる扱う情報と運営範囲に応じる
本業への影響顧客対応と制作の兼務先行費と継続確認の兼務
終了の仕事残案件・検収・保守契約の処理掲載・利用者・資産・契約の処理

この比較は、収入の速さや利益率を保証するものではありません。既存顧客へ提案できる会社でも新しい有料需要は確かめる必要があり、自社サイトに強い専門性があっても集客が成立するとは限りません。見積もりで確認できる費用と、まだ検証していない収益の仮説を分けてください。

受託を選びやすい会社の条件

既存の制作経験、顧客との接点、納期と検収を管理する担当がある場合、受託を検討しやすくなります。本業で使っている資料制作や記事編集を、別の顧客へ有料で提供できるかを試します。ただし本業の成果物をそのまま見本へ使えるとは限らないため、利用権と秘密情報を確認します。

弱点は、受注した案件に合わせて確認や修正が増えることです。空き時間だけで提供する前提では、顧客の納期と本業の繁忙期が衝突します。担当時間の上限、受けない依頼、追加修正の条件を決めます。営業が売れるものと、会社が継続して提供できるものを一致させる必要があります。

自社保有を検討しやすい会社の条件

特定の読者が知りたい条件を説明でき、記事の根拠を公開でき、収入が出る前の制作と運営に予算を付けられる会社に向きます。自社のサイトを持つこと自体ではなく、誰が何を決めるために読むかと、誰から対価を得るかを確認します。一般的な収益設計は収益までの設計図を先に作る考え方へ渡します。

負担は、会社自身が市場と収益条件を引き受けることです。受託顧客が内容を指定してくれるモデルとは違い、対象を選び、比較の基準を作り、結果から修正する必要があります。外部の制作会社を使っても、この事業目的まで決まったことにはなりません。サイト制作と事業の違いは制作会社へ依頼する範囲を参考にできます。

同じ社員を使う二案を、繁忙期で試す

説明用の仮定として、法人研修を本業とする会社が、外部企業の教材制作を受託する案と、研修サービスを比較するサイトを保有する案を検討するとします。教材受託では顧客別の内容と納期が増えます。比較サイトでは各社の対象、実施形式、申込条件の確認が続きます。両案とも研修の知識を使いますが、同じ担当が同じ仕事を行うわけではありません。

会社は、繁忙期に誰が確認を代われるかを試します。受託なら顧客への返答を止められず、自社サイトなら急ぐ新規制作を減らせる場合がありますが、終了した案内や誤りの訂正は残ります。仕事を延期できる範囲まで調べると、本業との両立を現実的に比較できます。

自社商品がない場合の第三の見方

自社保有サイトで必ず新商品を開発する必要はありません。他社商品・サービスを紹介し、条件を満たす成果に応じて報酬を得るアフィリエイトも候補になります。仕入れや自社商品開発を行わない場合でも、読者需要、案件、比較の根拠、情報更新は必要です。基本はアフィリエイトの仕組みで確認してください。

収益を生むアフィリエイトサイトを持つ案は、顧客のサイトを制作する受託とは違います。会社が紹介事業の資産と運営を持つ案として、予算と責任を審査します。会社の収入相手を詳しく分けるにはWEB事業の対価の整理、投資の範囲は商品開発なしのWEB事業の投資へ進めます。

二案を同時に始める前の確認

受託収入を自社サイトの制作費へ使うことは考えられますが、受託の仕事が忙しくなると保有サイトが後回しになる場合があります。両方の予算、社員時間、責任者を分けて承認し、どちらを優先するかを決めます。片方が他方の無償の制作部門になる状態を、二つの収益事業が成立したと評価しないでください。

制作の共通化も、顧客の契約や素材の権利に沿って確認します。受託で得た内部資料を自社サイトの比較へ流用することは別の用途です。既存の制作環境を共用する利点と、情報を分離する必要性を同じ計画へ入れます。

決裁資料に残すもの

両案について、対価の根拠、検証する相手、初期支出、継続業務、本業の参加時間、外注範囲、追加投資の条件を記載します。売上だけで順位を付けず、未確認の仮説をどう確かめるかを比較してください。会社の余力が少ない場合は、全部の構築を決める前に限定した試行を行う選択肢があります。

選ぶ基準はWEBが得意かどうかだけではなく、会社がどの顧客又は読者へ何を継続して提供できるかです。受託なら契約した提供、自社保有なら需要と対価の成立を中心に判断します。両方を説明できる資料があれば、流行する事業名だけで本業の資源を移すことを避けられます。

受託の断り方と保有サイトの縮小方法を試算する

二つの案の比較には、仕事を増やす方法だけでなく、増やせない時の対応を入れます。受託では新規の依頼を止めても、既に受けた案件の納品と修正が残ります。自社保有では新規記事を止めても、公開中の情報と紹介条件の確認が残ります。忙しくなれば全てを止められるという前提を、両案から外してください。

仮に、本業の繁忙期が近づき、専門担当の時間を減らす必要があるとします。受託案なら、繁忙期に重なる納品を契約前に断れるか、提携先へ作業を任せても顧客への責任を守れるかを確認します。保有案なら、急がない新規制作を減らしつつ、紹介先の変更を確認する担当を維持できるかを調べます。調整できる仕事と必ず残る仕事を記載すると、二案の余力が同じでないことが見えます。

会社の顧客資産をどちらへ使うか

受託を既存顧客へ提案する場合、本業の契約とは別の提供であることを説明します。自社サイトの読者候補として案内する場合も、取引の中で得た連絡先を自由に集客へ使えると決めつけないでください。必要な確認ができないなら、新事業の接点は別に作る前提で費用と時間を見ます。

比較会議では「既存顧客がいるので集客費は不要」という記載に根拠を求めます。誰が新しい依頼へ対価を払う意思を示したのか、誰がサイトの読者になるのかは別の仮説です。受託の有料提案への反応と、保有サイトの情報への反応を別に残します。

最初の承認を片方に限定する場合は、もう一方の案を否定せず、再検討する条件を付けます。受託の継続案件で担当が埋まるなら保有サイトへ移る余力は減ります。保有サイトの維持に予算を使うなら受託の納品環境への投資が後になる場合があります。両案を同じ専門担当の空き時間だけで成立させる計画を避けるために、この順序を決裁に残します。