営業担当を増やす案と、WEBサイトを第二事業として持つ案は、会社の目的が違う場合があります。前者は本業の商品やサービスを売る力を増やす投資、後者は別の読者と対価を作る投資です。どちらが安いかを先に比べず、今の会社が増やしたい売上と引き受ける仕事を分けて検討します。
本業の売上を増やすのか、売上の種類を増やすのか
本業で問い合わせに対応しきれないなら、営業体制の改善や増員を検討する理由があります。会社が一つの商品や市場への依存を減らしたいなら、独立した紹介サイトなどを第二事業として比較できます。WEBサイトの広告収入が増えても本業の商品が売れるとは限らず、営業増員で本業が伸びても収益源の種類が増えたとは限りません。
同じ「売上を増やす」という言葉でも、経営会議の問いを分けます。現在の案件を受ける能力不足なのか、新しい顧客への接点不足なのか、本業とは別の対価が必要なのかを確認してください。原因が違えば必要な投資も変わります。新しいWEB事業を、本業営業の不足を全て解消する手段と考えないことが重要です。
二案の結果が届く先を描く
| 比較 | 本業営業の増員 | 独立したWEB事業 |
|---|---|---|
| 売る対象 | 主に本業の提供物 | 情報・広告接点・他社紹介等 |
| 主な成立条件 | 本業顧客との受注 | 選んだモデルの収益条件 |
| 会社に増える仕事 | 営業管理・顧客対応 | 企画・制作・集客・運営管理 |
| 人員の評価 | 営業の案件と対応力 | 情報維持と事業判断の体制 |
| 本業との関係 | 本業の提供能力に依存 | 資源を使う範囲の分離が必要 |
本業の会社案内サイトを改善して問い合わせを増やす投資は、独立したWEB第二事業と同じではありません。前者なら本業の対応条件と営業の受け渡しを整えます。後者なら誰の疑問を解決し、誰から対価を得るかを別に決めます。分類が曖昧なままでは、予算と結果の評価が混ざります。
営業増員の前に確認する仕事の不足
社員を増やしても、見込客の定義、商談の条件、提案資料、対応範囲が曖昧なら仕事が進みにくくなります。現在の担当がどこで時間を使うかを調べます。受注後の提供が追いつかない場合、営業だけを増やすと顧客への約束と実施能力が離れる可能性があります。
説明用の仮定として、設備保守会社に多くの問い合わせが来ている場合を考えます。担当者が現場へ出て返答できないことが原因なら、受付と条件確認を整理する案が必要です。一方、対象の顧客へ届いていないなら、接点を増やす施策を比較します。同じ採用でも解く問題を明確にしてから判断します。
WEB事業の前に確認する収入の根拠
自社サイトを持てば営業担当なしで代金が入るわけではありません。販売なら商品と提供、掲載なら広告主へ説明する接点、紹介なら読者の選択と成果条件が必要です。会社の専門知識があることと、別の市場で収入が成立することを区別してください。
自社商品を新しく開発したくない場合は、他社商品・サービスを紹介し、条件を満たす成果に応じて報酬を得るアフィリエイトも候補になります。基本はアフィリエイトの仕組みへ渡します。収益を生むアフィリエイトサイトは、本業の営業担当の代役ではなく、紹介という収益モデルを持つ事業として評価します。
資金と担当時間を、同じ試行期間で見る
営業増員なら募集、受入れ、教育、管理、継続する提供を考えます。WEB事業なら市場の検証、制作、会社の確認、集客、維持を考えます。どちらも初期費用と継続負担を分け、同じ期間で支出と社内の時間を示します。WEBだけ見積もり、採用だけ給与というように、比較範囲を変えないでください。
費用に具体的な相場を当てはめるより、会社の見積もりと計画を使います。担当者を採用すれば全工程を行えるとは限らず、外注すれば社内確認が不要になるとも限りません。必要な仕事から体制を選び、期待する結果と実施できる作業を区別します。
本業への影響を二方向で調べる
増員する営業が新しい案件を得たとき、本業の提供量は維持できますか。WEB事業へ専門担当を使ったとき、本業の見積や顧客対応が遅れませんか。どちらの投資も、本業の現在の制約へ影響します。営業の売上見込みだけ、WEBの制作本数だけを評価しても、会社全体の負担は分かりません。
一般的な第二の収益源の検討は会社が第二の収益源を作る方法、本業支援と媒体収入の違いは媒体と本業の役割の分離へ進めます。今回の判断では、会社のどの問題へ投資するかを一つに絞って資料へ書きます。
両方を行う場合は、順番を決める
営業体制を整えながらWEB事業を試す案もあります。ただし同じ責任者へ採用、研修、事業企画、公開確認を集中させると、どちらも判断が遅れる場合があります。まず現在の制約を解く投資を選び、次の投資で何を検証するかを段階に分けます。
WEB事業へ既存顧客を案内する場合も、本業の提案と外部商品の紹介を混ぜないでください。読者がどの会社の商品を比較するか、相談先はどこかを明示します。本業との競合が生じる場合は、会社の方針と取引関係を確認してから進めます。
経営会議の比較資料
目的、成立条件、初期支出、継続業務、必要な社内担当、結果の確認方法、停止する場合の仕事を両案で並べます。「安く集客できそう」ではなく、何の売上を増やし、何の制約を解くかを説明します。WEB事業の形を比較する場合は自社サイトと受託の比較が参考になります。
アフィリエイトが会社に合うかは第二事業としての適合条件へ分けて確認します。営業増員が合う状況で、別の事業を作るために本業の機会を逃さないことも大切です。逆に収益源を分けたい目的を、営業の人手不足という議題へ置き換えないようにします。
選ばなかった案をいつ見直すか
本業の対応量、顧客接点、予算、専門担当の余力が変わったときに再評価します。見送る理由と、その理由が解消する条件を記録します。一度選んだ投資を無期限に正解と扱わず、試行の結果と本業への影響を戻してください。
営業とWEBのどちらが優れているかという一般論では、会社の判断はできません。本業を伸ばす投資と別の対価を作る投資を分け、必要な仕事と負担を具体化します。目的が揃えば、社員、外注、保有サイトのどこへ資源を使うかを、会社の条件から選べます。
二案の評価を取り違えた場合を考える
仮に、受注済み案件の返答が遅れている会社が、営業担当の採用費と紹介サイトの制作費を比較したとします。紹介サイトが完成しても、現在の顧客への見積もり返答を代行するものではありません。この会社の最初の問題は、本業の対応経路です。独立した紹介収入の計画は別議題として審査し、本業の返答改善に成功したと評価しないようにします。
逆に、主要商品の市場に偏った売上を分けたい会社が、営業の増員で販売量を伸ばす案だけを選ぶ場合も注意が必要です。同じ商品の売上が増えても、異なる収益モデルへの分散が進むとは限りません。営業増員の価値は認めたうえで、別の対価を作る必要が残るかを確認します。採用かサイトかという二択へ単純化すると、二つの経営目的を取り逃がします。
選択しない場合の機会も示す
本業の営業改善を後回しにする場合、現在の問い合わせへ対応できない期間を考えます。WEB事業を後回しにする場合は、新しい収益モデルの検証が遅れることを考えます。ただし、得られなかった売上を根拠なく金額にせず、保留中の案件や調査できなかった条件として記載します。
社長が両案を兼務する計画なら、採用面接、営業教育、サイトの市場選定、制作承認が同じ期間に集中しないかを確認します。費用が予算内でも、経営の判断時間が足りない場合があります。開始時期をずらす理由を、単なる延期ではなく、どの前提を先に整えるかとして説明します。
比較表の結論欄には、本業の受注能力を変える判断と独立事業へ使う資源の判断を別々に記載してください。片方を選んだからもう片方が不要とは限りません。営業増員の結果は本業の案件と提供で、紹介サイトの結果はその市場と収益条件で確認します。同じ尺度で安さを競わせるより、会社が解決したい問題に対応する投資を選ぶことができます。