本業の営業経路を第二事業へ使うときは、既存の窓口から案内できることと、新しい商品が売れることを分けて確認します。顧客訪問、紹介先、展示会、会社サイトなどは、相手の目的や取引条件によって使える範囲が異なります。本業の商談を損なわず、新事業の需要を確かめるために、経路の適合、案内の条件、担当と費用の扱いを整理する方法を説明します。

経路を「人脈」ではなく、接点の記録にする

本業で顧客との関係がある、代理店がある、会社サイトに訪問があるという説明だけでは、新事業に使える経路は分かりません。誰が、何の目的で、どの情報を受け取る接点なのかを書きます。たとえば、保守の連絡窓口は既存の契約への対応を期待しているかもしれません。新しい商品の営業を受ける窓口とは限らないため、関係があることを案内の許可として扱わないようにします。

営業の棚卸しでは、顧客訪問、紹介者、販売提携先、資料請求、会社サイトなどを一つずつ挙げます。それぞれに現在の用途、担当、相手が期待する内容、取引条件を付けます。第二事業を案内するときに必要な説明や確認が見える資料にします。顧客の情報や連絡手段を別の用途へ使う場合は、会社のルールと実際の条件を担当部署へ確認してください。

既存顧客を第二事業の対象にするかという判断は同じ顧客へ提供する比較へ渡します。本記事では、顧客が対象に入ると分かったあと、どの接点で、誰が、どう説明するかを考えます。顧客との関係を共用できても、案内の手順や会社の営業負担が自動的に共通になるわけではありません。

相手の目的と、新しい説明が合っているかを見る

新事業の案内が役立つ接点は、相手がその課題を相談している場面です。反対に、本業のトラブル対応中や、既存商品の条件を確認する場面へ別の売込みを混ぜると、相手の目的から外れる場合があります。本業の相談を解決してから、必要であれば別の担当へ案内するなど、順序を決めます。接点があることより、相手に必要な説明かを優先してください。

新事業の利用者が現在の窓口と違う場合は、紹介の可否と渡す資料を確認します。相手の社内の担当を推測で決めず、新しい提供物がどの部署の仕事に関係するかを聞きます。現在の窓口が詳しい説明を代わりにしてくれる前提ではなく、短い案内で内容、条件、問い合わせ先が伝わる状態にしてください。紹介された先で最初から誤解を解く負担を減らします。

一般的な市場への到達は新規事業の市場選定で確認できます。既存の営業経路を使う案では、到達できる人数だけでなく、届く相手の用途が新事業と合うかを見ます。本業の顧客向け資料が多く読まれていても、それだけで別の商品への購買需要があるとは判断しません。

三つの経路を、同じ項目で比較する

営業経路活用できる点確認してから案内する点
既存顧客への訪問現場の仕事を聞ける新事業の説明を求めているか、本業の時間を圧迫しないか
紹介・販売の提携先利用者との接点を借りられる新商品を扱う条件、紹介と販売の責任、対価
会社サイト・資料新事業を継続的に説明できる本業との関係、相談の分類、担当へ渡る流れ

紹介先と販売先では、仕事が異なります。窓口を紹介するだけの相手と、商品の説明や契約まで担う相手を同じ経路として数えません。第二事業の追加が既存の提携に含まれるか、別の合意が必要かを確認します。商品を案内してもらえることと、提供後の対応まで任せられることは違います。期待する役割と対価を明らかにします。

会社サイトを使う場合は、問い合わせの分類を考えます。本業の相談か第二事業の相談かが担当者へ伝わらなければ、返答が遅れる場合があります。逆に、窓口を細かく分けすぎると、利用者がどこへ聞けばよいか迷います。名称を増やすより、提供する内容と相談後の流れを説明してください。既存媒体からの送客を考える場合はアクセスと売上の不一致の確認も参考になります。

仮の販売会社で、既存訪問を使う試行を組む

説明用に、業務用品の販売会社が、資料整理の支援を第二事業として案内する場面を仮定します。実例ではありません。営業担当は定期訪問で顧客に会えますが、その訪問は商品の補充や要望を確認するためのものです。支援サービスを長く説明すると、本来の確認が終わらない場合があります。訪問に新事業を追加する前に、既存の仕事を守れる案内の範囲を決めます。

試行では、まず資料整理で困っていることがあるかを聞き、関心がある場合に短い案内を渡す方法を考えます。その場で新事業の契約まで進める前提にせず、詳しい質問は担当へつなぎます。営業担当は、新しい提供物の専門判断をすべて担う必要はありません。ただし、会社が何を提供するか、含まない仕事は何かを説明できる資料が必要です。

顧客の反応は、資料を受け取った、担当へ相談した、条件を確認した、実際に発注したという段階に分けて記録します。訪問先が好意的に資料を受け取っただけでは、有料需要の確認になりません。本業との関係が反応へ影響した場合も、その条件を残します。既存の営業担当が作った接点と、新事業が提供する価値を別に見てください。

試行後には、本業の注文や返答へ影響がなかったかも確認します。新事業の資料を配った件数だけで評価すると、営業担当の本来の仕事を押しのけても数字が伸びたことになります。既存訪問の追加時間、顧客からの質問、社内へ転送した回数を記録し、続ける案内の範囲を判断してください。

経路を共用しても、担当と費用を曖昧にしない

紹介する人と、提供する人

本業の営業が案内し、第二事業の担当が契約や納品を行うなら、どの段階で引き渡すかを決めます。引継ぎには顧客の用途、関心を持った内容、説明済みの条件を残します。新しい担当が同じ聞き取りを繰り返さなくてよい資料にし、営業側が対応範囲を過大に約束しないようにします。引き渡したあとに追加質問が来た場合の窓口も必要です。

営業担当の優先順位と評価は本業の営業に第二事業も任せる場合で詳しく扱います。経路を借りることが、営業の全時間を新事業へ使う承認にはなりません。本業と新事業のどちらで使った時間かを記録し、会社が負担を判断できるようにします。

既存の費用と、増えた費用

定期訪問で案内したから集客費はゼロ、とまとめないでください。移動は本業のためでも、資料の準備、説明、質問の転送には追加の仕事があります。提携先へ払う対価や、新事業の相談を受ける担当の時間もあります。正確にすべて配分できない場合でも、共用している費用と追加の費用を別に示すと、経営判断の前提が分かります。

外注先へ営業や制作の一部を渡すときは、経路そのものを会社が持つのか、相手が接点を提供するのかを区別します。一般的な依頼範囲は外注する工程の決め方へつなぎます。新事業の売上から対価を払う条件がある場合も、何を実行し、何を測って配分するかを実際の合意で確認してください。

紹介事業では、既存顧客の関係を集客の保証にしない

収益を生むアフィリエイトサイトを第二事業にする場合、本業の顧客との接点を調査や案内に使えるか検討できます。しかし、サイトの読者が本業の取引先と違うなら、現在の営業経路だけで集まる前提にはしません。商品を選ぶ情報を必要とする人へ、どこで届けるかを調べます。広告案件の条件や紹介する内容も、既存の販売契約とは別に確認します。

最後に、経路、相手の目的、案内できる条件、担当、追加の仕事、試行で確認した反応を一枚にまとめます。使いやすい接点へ無理に商品を当てはめるより、新事業の用途に合う接点を選んでください。既存の営業経路は貴重な会社資源ですが、守る本業の関係も含めて、会社が継続して使える条件を説明する必要があります。