資料集めでつまずくのは、集める前に目的を決めていないからです。何を確かめるために調べるのかを先に決め、主張・出典・確認日・該当箇所の四つを記録する形にすると、集めた情報が使えます。やみくもに検索すると、量だけ増えて整理できません。
この記事では、公式情報の探し方と記録の様式を扱います。引用の書き方や著作権の扱いは別の記事の範囲です。ここでは、書く前の準備だけを扱います。
1.調べる前に決めること
まず、記事で答える疑問を一つ決めます。次に、その疑問に答えるために確かめる項目を三つから五つ挙げます。
例えば「この手続きに何が必要か」という疑問なら、必要な書類、所要時間、費用、条件、申込先といった項目になります。
この項目が決まっていれば、調べる範囲が限定されます。項目に関係ない情報が出てきても、今回は使わないと判断できます。
2.公式情報を優先する
最も信頼できるのは、その事柄の当事者が公開している情報です。制度なら所管の機関、サービスなら提供元、商品なら製造元です。
第三者が書いた解説記事は、探す入口としては有用です。ただし、そのまま根拠にはしません。書かれた時期が古い、条件が変わっている、誤読されている可能性があります。
解説記事で概要をつかんだら、必ず公式のページへ移動して確認します。
3.公式情報の探し方
| 調べる対象 | 探す場所 |
|---|---|
| 制度や手続き | 所管する機関の公式サイト |
| サービスの条件 | 提供元の公式サイト、規約、料金ページ |
| 商品の仕様 | 製造元の製品ページ、取扱説明書 |
| 広告の条件 | ASPの案件ページ、広告主の案内 |
| ソフトの使い方 | 開発元の公式ドキュメント |
検索するとき、公式サイトが上位に出ないことがあります。組織名やサービス名を添えて検索すると、見つけやすくなります。
4.記録する四つの項目
見つけた情報は、その場で記録します。後から思い出そうとすると、どこで見たか分からなくなります。
- 主張:何が書かれていたか。自分の言葉で短く。
- 出典:ページのURL。可能なら該当の見出しまで。
- 確認日:いつ見たか。条件は変わるため必須。
- 該当箇所:ページのどこに書かれていたか。
四つ目があると、後から確認するときに探し直さずに済みます。長いページでは、これがあるかどうかで作業時間が変わります。
5.要約するときの注意
自分の言葉で短くする際、条件を落とさないようにします。元の資料に「一定の条件を満たす場合」とあれば、その条件も記録します。
条件を落とすと、断定的な記述になります。記事にしたときに、読者へ誤った情報を渡すことになります。
判断に関わる部分は、原文の表現を残しておくと安全です。後から確認するときにも役立ちます。
6.見つからない場合
探しても公式の情報が見つからないことがあります。この場合、「確認できなかった」と記録します。
記録する内容は、何を探したか、どこを見たか、見つからなかったかです。この記録があると、後で別の人が探すときにも役立ちます。
記事では、確認できなかったことを確認できなかったと書きます。推測で埋めると、根拠のない記述になります。
情報の種類を見分ける方法は、アフィリエイト情報は何を信じればよい?公式情報と個人の経験談の読み分けで詳しく解説しています。
7.調査ノートの様式
表計算でも文書でも構いません。一行に一つの主張を書き、四つの項目を列にします。
記事ごとにノートを分けるか、分野ごとにまとめるかは好みです。分野ごとにまとめると、次の記事でも使い回せます。
列を増やしすぎないでください。四つで足ります。増やすと記録が面倒になり、続きません。
8.保存の方法
ページの内容は、後から変わることがあります。確認した時点の内容を保存しておくと、変更に気づけます。
保存の方法は、画像として残す、文章を控えておく、といった形です。全文を保存する必要はなく、該当部分だけで足ります。
ただし、保存したものをそのまま公開することはできません。あくまで自分の確認用です。
9.一次と二次を区別する
当事者が出している情報と、第三者がまとめた情報を区別して記録します。記事に書くとき、どちらを根拠にしたかで書き方が変わります。
第三者の情報しか見つからない場合、そのことを明示します。「◯◯によれば」という形で、出どころを示します。
自分で試す方式と資料で書く方式の違いは、自分で撮影するブログと資料を調べるブログ|必要な準備はどう違う?で詳しく解説しています。
10.集めすぎない
資料が増えると、整理に時間がかかります。最初に決めた項目が埋まったら、そこで止めます。
関連しそうな情報が出てきても、今回の記事に使わないなら、別のノートへ移します。今回の分と混ぜないことが大切です。
集めた資料の半分も使わない状態は、調べすぎです。項目を決めていれば、この状態は避けられます。
11.時間の目安
記事一本あたり、資料集めに使う時間の目安を決めておきます。決めないと、いくらでも時間を使えます。
目安としては、記事一本に2時間程度から始めて、実際にかかった時間を記録します。数本書けば、自分の目安が分かります。
時間を超えたら、いったん書き始めます。書いてみると、足りない情報が具体的に分かるので、追加の調査が効率的になります。
12.書きながら調べる
全部を調べてから書き始める必要はありません。書きながら、足りない部分を調べる形でも進みます。
この場合、調べていない部分に印を付けておきます。後で埋めるべき場所が分かるようにしておけば、書き漏らしを防げます。
ただし、印を付けたまま公開しないよう、公開前に確認します。
13.記事への反映
調査ノートの内容を、記事に書き写します。このとき、四つの項目のうち、出典と確認日は記事にも記載します。
読者が自分で確認できる形にしておくと、説明の信頼度が上がります。また、条件が変わったときに、読者も気づけます。
すべての主張に出典を付ける必要はありません。仕様、料金、規約、条件といった、変わりやすく確認が必要な部分に付けます。
14.更新のとき
記事を公開した後、条件が変わることがあります。調査ノートがあれば、確認すべき箇所がすぐ分かります。
定期的に見直す記事を決めておき、ノートを見ながら公式ページを確認します。変わっていれば、記事も更新します。
更新したら、確認日も更新します。古い日付のまま内容だけ変えると、いつの情報か分からなくなります。
15.ノートを使い回す
一度作ったノートは、他の記事でも使えます。同じ分野なら、確認した条件が別の記事でも必要になります。
分野ごとにノートをまとめておくと、二本目以降の調査時間が短くなります。既に確認した項目は、日付だけ確認すれば足ります。
16.確認する項目
- 調べる前に、確かめる項目を決めた。
- 公式の情報にたどり着いた。
- 主張、出典、確認日、該当箇所を記録した。
- 要約で条件を落としていない。
- 確認できなかったことを記録した。
- 記事に出典と確認日を記載した。
五つ目を書かない人が多くいます。確認できなかったという事実も、記事にとっては有用な情報です。
17.最初の一本で慣れる
最初の記事では、この手順を丁寧に通してみてください。時間はかかりますが、二本目からは速くなります。
慣れると、調べながら記録する動作が一体になります。別の作業として意識しなくても済むようになります。
最初の記事の題材を決める手順は、ブログの最初の記事は何を書く?自己紹介だけで終わらせない題材選びで詳しく解説しています。
18.調査ノートの記入例
「無料体験の終了後はどうなるか」を調べた場合の、架空の記入例です。
| 主張 | 出典 | 確認日 | 該当箇所 |
|---|---|---|---|
| 期間終了後は自動で有料プランへ移行する | サービスの料金ページ | 記入した日 | ページ下部の注記 |
| 解約は期間終了日の前日までに手続きが必要 | 利用規約 | 記入した日 | 第〇条 |
| 解約後のデータの扱い | 確認できず | 記入した日 | ヘルプを検索したが記載なし |
三行目のように、見つからなかったことも行として残します。記事では「公式の案内では確認できなかった」と書けます。
19.結論
調べる前に項目を決め、公式の情報を優先し、主張・出典・確認日・該当箇所を記録する。この三つが基本です。
記録があると、記事を書く作業も、後から更新する作業も速くなります。調べた時間を無駄にしないための手順です。
資料集めは、記事の質を左右する工程です。ここを省くと、どこかで見た説明を書き写すだけの記事になります。
逆に、丁寧に調べた内容は、他のサイトにはない情報になります。同じ資料を読んでも、どこを組み合わせて整理するかで差が出ます。
最初は時間がかかりますが、分野が同じなら二本目からは早くなります。ノートに蓄積した内容が、そのまま次の記事の土台になるためです。
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