最初の記事を自己紹介にすると、書きやすい代わりに読者の役には立ちません。最初の1本は、自分が答えられる疑問を一つ選び、その疑問に答える形にするのが確実です。自己紹介は別のページに置くか、記事の中で必要な範囲だけ触れれば足ります。
この記事では、題材を一つに絞るまでの手順を扱います。100記事の計画を立てる方法や、キーワード調査の全手順は別の記事の範囲です。ここでは、今日書き始める一本を決めることだけを考えます。
1.なぜ自己紹介では足りないのか
自己紹介を読むのは、既にその人に関心がある読者です。開設したばかりのサイトには、まだそういう読者がいません。誰も知らない人の経歴を読む理由がないのです。
一方、疑問に答える記事なら、その疑問を持った人が読む理由を持ちます。書き手が誰であっても、内容が役に立てば読まれます。最初の一本としては、こちらのほうが機能します。
自己紹介が不要という意味ではありません。記事を読んで興味を持った人が、書き手を確認するために見ます。順序として、後に置くほうが自然だということです。
2.候補を出す
題材の候補を出すところから始めます。次の三つの場所から探すと、自分が答えられるものが見つかります。
- 自分が最近調べたこと。調べたということは、答えが分かりにくかったということです。
- 人から聞かれたこと。同じ疑問を持つ人が他にもいます。
- 自分が失敗したこと。同じ失敗を避けたい人がいます。
この三つから、五つから十個ほど書き出します。この段階では、記事になるかどうかを考えずに並べてください。絞るのは次の段階です。
3.一つの疑問に言い換える
書き出した候補を、疑問の形に直します。「ドメインについて」ではなく「ドメインは最初にいくらかかるのか」のように、答えが一つに定まる形にします。
| 曖昧な候補 | 疑問の形に直したもの |
|---|---|
| サーバーについて | サーバーの契約期間はどう決めればよいか |
| 最初にやったこと | 開設したその日に何をすればよいか |
| 失敗した話 | 無料ブログから移転するとき何を失うか |
| 道具の紹介 | この作業に有料ツールは必要か |
疑問の形にすると、答えられるかどうかがはっきりします。答えられないものは、まだ書く段階ではありません。調べてから書くか、別の候補を選びます。
4.答えを一文で書いてみる
疑問が決まったら、その答えを一文で書きます。書けないなら、まだ理解が足りていないか、疑問が広すぎます。
例えば「サーバーの契約期間はどう決めればよいか」に対して、「続けられるか分からないうちは短く契約し、更新価格を確認しておく」と書けたとします。これが記事の中心になります。
一文が書けたら、その理由と条件を三つほど挙げます。この三つが、記事の見出しになります。ここまでで、記事の骨組みができています。
5.絞り込みのワーク
候補を1本に絞る3段階
- 第1段階:候補を疑問の形に直す。直せないものは外す。
- 第2段階:答えを一文で書く。書けないものは外す。
- 第3段階:残ったもののうち、自分が根拠を示せるものを選ぶ。公式資料で確認できる、自分で試したことがある、のどちらかに当てはまるもの。
三段階を通ると、たいてい一つか二つに絞られます。二つ残った場合、より具体的なほうを選びます。具体的なほうが、読者にとって使いやすい記事になります。
6.範囲を狭くする
初めて書くときは、範囲を広く取りがちです。「アフィリエイトの始め方」のような題材は、書くことが多すぎて終わりません。
範囲を狭くするには、条件を足します。「初めて契約する人が」「一つ目のサイトで」「無料の範囲で」といった限定です。限定が付くほど、書く内容が決まります。
狭すぎるのではと心配になるかもしれませんが、最初の一本では問題ありません。書き上げることのほうが重要です。広げたくなったら、後から別の記事を足せます。
7.自己紹介をどこに置くか
自己紹介を書きたい場合、記事の中に組み込む方法があります。冒頭ではなく、なぜその疑問に答えられるのかを示す箇所に、短く入れます。
配置の例
- 冒頭:疑問と、この記事で分かることを書く。自己紹介は入れない。
- 本文の途中:「自分が契約したときは、この点を見落とした」のように、必要な範囲だけ触れる。
- 記事の終わり:詳しい経歴は、別ページへの案内に留める。
- 別ページ:固定ページとして、扱う分野と調べ方の方針を書く。
この配置なら、自己紹介が記事の役に立つ形になります。読者は、なぜこの人の説明を読むのかが分かります。
運営方針をまとめたページの作り方は、ブログの「運営方針」は何を書く?読者との約束を伝えるページの作り方で詳しく解説しています。
8.書き始める前の確認
- 疑問が一つに絞れている。
- 答えを一文で書ける。
- 答えの根拠を示せる。公式資料か、自分で確認したことか。
- 対象となる読者を一言で言える。
- 書かない範囲を決めている。
五つ目が抜けやすい項目です。書かない範囲を決めておかないと、書いているうちに話が広がります。「この記事では契約後の設定は扱わない」のように、先に決めておきます。
9.書き上げることを優先する
最初の一本は、完璧を目指さないほうが進みます。文章の巧拙より、一本を最後まで書き上げる経験のほうが役に立ちます。
書き上げてみると、調べ方が足りなかった箇所、説明が飛んだ箇所が見つかります。これが次の一本の改善点になります。書かないと、この改善点は見つかりません。
公開後に直せるので、完成度が低くても公開して構いません。むしろ、公開してから読み返すと、書いているときには気づかなかった点が見えます。
10.長さの目安
最初から長い記事を書く必要はありません。疑問に答え、理由を示し、条件を添える。これが揃っていれば、短くても記事として成立します。
文字数を目標にすると、内容を薄める方向に働きます。必要なことを書いた結果として長くなるのは構いませんが、長くするために書き足すのは逆です。
ただし、あまりに短いと、疑問に答えきれていない可能性があります。書き終えたら、想定した読者が読んで判断できるかを自分で確認してください。
11.次の記事につなげる
一本書き終えたら、その記事を書く過程で出てきた疑問を記録します。「調べたが分からなかったこと」「範囲外にしたこと」が、次の候補になります。
この記録があると、二本目の題材を探す時間が要りません。書くたびに候補が増えるので、題材に困らなくなります。
資料の集め方と記録の残し方は、ブログ記事を書く前に資料を集めるには?公式情報の探し方とメモの残し方で詳しく解説しています。
12.最初の記事に広告を入れるか
最初の一本に広告リンクを入れる必要はありません。提携が済んでいないこともありますし、まだ読者もいません。リンクがなくても記事は成立します。
ただし、後から入れる場所を想定して書いておくと、追加が楽になります。読者が判断を終える位置、つまり「では、どこで手に入るのか」と思いそうな箇所を意識しておきます。
広告のために内容を曲げるのは逆です。紹介したい商品に話を寄せると、疑問への答えがずれます。答えを優先し、その流れで自然に案内できる場所にだけリンクを置いてください。
13.公開後にやること
公開したら、自分で読み返します。書いているときとは違う目で読めるので、説明の飛びや誤字が見つかります。スマートフォンでも開いて、読みにくい箇所がないかを見ます。
次に、記録を残します。題材をどう決めたか、何時間かかったか、どこでつまずいたか。この記録が、二本目の計画になります。
数字を見るのは、まだ先で構いません。公開直後に訪問がないのは当然です。数字を見て落ち込む時間があるなら、二本目の題材を決めるほうが前に進みます。
14.最初の一本で確かめること
最初の一本は、収益のためというより、自分の作業手順を確かめるためのものです。どのくらい時間がかかるか、どこでつまずくか、どの工程が苦手か。
これが分かると、二本目以降の計画が立てられます。一本に10時間かかると分かれば、月に何本書けるかも計算できます。逆に、想定より短く済んだなら、範囲をもう少し広げても構いません。
逆に、一本も書かないまま計画だけを立てても、その計画は根拠を持ちません。まず一本、範囲を狭く取って書き上げてください。
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