「このジャンルは人気がある」という情報を見て、参入を検討することがあります。人気があるなら需要も大きいはずだ、と考えるのは自然です。
ただ、その「人気」が誰の間での人気かは、確認しておく価値があります。読者が多いのか、発信する側が多いのか。
この二つは、参入の判断としてまったく違う意味を持ちます。
発信者の人気と、読者の需要は別
情報が多く流通している分野には、二つの理由があり得ます。
情報が多い理由
- 読者の需要が大きい 参入の余地あり
- 発信する側が多い 競合が多い
稼ぎ方を知りたい人の関心と、商品を買いたい人の需要は違います。
特に、収益化の方法そのものを扱う分野では、発信者同士で情報が回っていることがあります。この場合、市場の外から見えている「人気」は、供給側の密度を示しています。
どちらの人気かを見分ける
実際に検索してみると、判断の材料が得られます。
確認する内容
- 上位に並ぶのは、購入を検討する人向けのページか
- それとも、運営者向けの情報か
- 紹介されている商品は、一般の読者が買うものか
- 検索している語句は、購入の場面で使われるものか
2番目に該当するページが多いなら、その分野の情報は発信者向けに流通しています。
参入するなら、購入を検討する読者に向けたページが不足していないかを確認します。
人気が高いほど、競合も多い
読者の需要が大きい分野であっても、参入の難度は別に考える必要があります。
- すでに多くの媒体が存在する
- 企業が運営するサイトが上位にいる
- 比較サービスが検索結果を占めている
- 広告枠にも競合が並んでいる
需要があることと、そこに入れることは違います。人気があるという情報だけでは、参入の可否は判断できません。
需要の大きさと、参入の余地は別々に確認する必要があります。
想定例:発信者向けの人気だった場合
考え方を整理するための想定例です。実在する分野の分析ではありません。
参入後に判明したこと
- 情報の量 非常に多い
- 発信している人 多数
- 購入を検討する読者 想定より少ない
- 紹介できる商品 限られる
情報が多かったのは、発信する人が多かったためでした。読者の需要はそれほど大きくありません。
この状態では、競合は多く、対象読者は少ないという条件で戦うことになります。
読者の需要を確かめる方法
参入前に、購入を検討する読者が存在するかを確認します。
- 購入の場面で使われる語句で検索してみる
- その語句に、比較や条件を扱うページが並んでいるか
- 紹介できる商品が複数存在するか
- 広告が表示されているか(費用をかける企業がいるか)
4番目は判断材料になります。広告を出す企業があるということは、その語句で来る読者に価値があると判断されている状態です。
逆に、情報は多いのに広告が見当たらない場合、購買につながりにくい領域である可能性があります。
競合が多い分野に入る場合の条件
読者の需要が確認できていても、そのまま正面から入るのは難しくなります。入り方を変える余地を探します。
余地の探し方
- 上位のページが扱っていない条件を探す
- 対象を特定の層に限定する
- 比較の軸を、他とは違うものに設定する
- 更新されていない領域を見つける
4番目は見落とされやすい部分です。競合が多くても、情報が古いまま放置されているページが上位にいることがあります。最新の条件で書き直せば、入る余地があります。
1番目から3番目は、正面から競うのではなく、扱う範囲をずらす方法です。競合の多さそのものは変えられませんが、重ならない位置を選ぶことはできます。
参入判断の材料をそろえる
人気の有無だけでなく、複数の観点から見ると判断しやすくなります。
- 購入を検討する読者が実在するか
- 紹介できる商品が複数あるか
- 上位のページに、扱われていない条件があるか
- 自分が用意できる時間や費用で戦える範囲か
4番目を含めると、現実的な判断になります。需要も余地もあるが、必要な制作量が確保できないなら、その分野は条件に合いません。
四つすべてが揃う分野は多くありません。どれかを妥協するなら、どれを許容できるかを決めておくと、選定が進みます。
人気の分野を避けるべきという話ではない
ここまで読むと、話題になっている分野は選ぶべきでないという主張に見えるかもしれません。そうではありません。
需要が大きい分野には、それだけ多くの読者がいます。競合が多くても、条件を絞れば入る余地は残ります。市場の存在が確認できている点は、参入の判断としては有利な材料です。
問題は「人気という言葉の主語を確認しないこと」であって、人気の分野を選ぶこと自体ではありません。
また、判断の基準は自分の体制によって変わります。制作の量を確保できるなら競争の激しい分野でも戦えますし、限られた時間で進めるなら、競合の少ない領域を探すほうが現実的です。
その分野で、誰が発信しているか
検討している分野について、上位のページを五本ほど開いてみてください。
それらが購入を検討する読者向けか、運営者向けかを確認します。後者が多いなら、その人気は発信側のものかもしれません。数分の確認で、参入の判断が変わることがあります。
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