メニューは、飾りではなく案内です。初めて来た読者が、次にどこへ行けばよいかを示すのが役割で、置くべき項目は読者の移動先から決まります。思いつく項目を並べると、多すぎて選べない状態になります。
この記事では、読者の移動の場面からメニューを設計する方法を扱います。記事の分類をどう作るかは別の記事の範囲です。ここでは、上部に置く案内だけを考えます。
1.メニューを使う場面
読者がメニューを押すのは、今見ているページで目的が達成できないときです。逆に言えば、今のページで満足していれば押しません。
したがって、メニューの項目は「今のページで足りなかった人が、次に行きたい場所」になります。この視点で考えると、置くべきものが絞られます。
2.三つの場面
| 場面 | 読者の状態 | 行きたい場所 |
|---|---|---|
| 記事を読み終えた | 他の記事も読みたい | 記事の一覧、分類 |
| 書き手を確認したい | この説明を信用してよいか | 運営方針、書き手の情報 |
| 連絡したい | 質問や指摘がある | 問い合わせ |
この三つが、最低限の項目になります。記事の一覧、運営についての説明、問い合わせ。三つあれば、読者は迷いません。
3.記事の一覧
最も使われる項目です。一本読んで、関心を持った読者が次に押します。
一覧のページでは、記事を探せる形にします。数が少ないうちは全部を並べれば足りますが、増えたら分類で分けます。
分類をメニューに直接置く方法もあります。ただし、分類が多いとメニューが長くなります。一覧のページ内で分ける形のほうが、メニューは簡潔に保てます。
4.運営についての説明
初めて来た読者が、このサイトは何を扱っているのかを確認する場所です。扱う範囲、調べ方の方針、対象としない内容などを書きます。
この項目があると、読者は説明の前提を理解できます。誰が、どういう立場で書いているのかが分かるためです。
運営方針のページに何を書くかは、ブログの「運営方針」は何を書く?読者との約束を伝えるページの作り方で詳しく解説しています。
5.問い合わせ
連絡を受ける窓口です。読者からの質問だけでなく、企業からの依頼や、誤りの指摘も届きます。
ASPへの登録の際に、連絡先の記載を求められることもあります。この観点からも、用意しておく意味があります。
形式は、フォームでもメールアドレスの記載でも構いません。届いた連絡を確認できる状態にしておくことが前提です。
6.置かないほうがよいもの
思いつく項目を全部置くと、メニューが使えなくなります。次のようなものは、別の場所で足ります。
- 個別の記事へのリンク。数が増えると管理できない。
- 外部のサービスへのリンク。読者がサイトを離れる。
- 更新情報。記事の一覧で分かる。
- 検索の窓。メニューとは別に置くほうが使いやすい。
- 広告。メニューは案内の場所であって、広告枠ではない。
特に一つ目は、最初は便利に見えます。記事が増えると、どれを載せるかの判断が毎回必要になります。
7.項目数の目安
三つから五つが目安です。それ以上になると、読者が全部を見なくなります。
特にスマートフォンでは、画面に収まる数が限られます。開いたときに全部見える状態が望ましい形です。
項目を増やしたくなったら、既存の項目に含められないかを考えます。含められるなら、階層を作らずに一覧のページ内で分けます。
8.項目を減らす順序
多すぎる場合の減らし方
- 各項目について、読者がどの場面で押すかを書く。
- 書けない項目を外す。使う場面が想定できないものは不要。
- 同じ場面で押される項目をまとめる。
- 記事の中から案内できる項目を外す。本文中のリンクで足りる。
- 残った項目を、使われる頻度の順に並べる。
四つ目が有効です。メニューに置かなくても、記事を読んでいる流れの中で案内できる項目は多くあります。
9.並べる順序
左から順に、使われる頻度の高いものを置きます。記事の一覧が最も使われるので、最初に置くことが多くなります。
問い合わせは、使う人は少ないものの、必要なときに探される項目です。最後に置いても見つけてもらえます。
順序を後から変える場合、既に慣れた読者が迷います。頻繁には変えないほうが親切です。
10.文言の決め方
項目名は、中身が予想できる言葉にします。凝った名前を付けると、何があるのか分かりません。
| 分かりにくい名前 | 分かりやすい名前 |
|---|---|
| アーカイブ | 記事一覧 |
| アバウト | このサイトについて |
| コンタクト | お問い合わせ |
| トピックス | 新着記事 |
読者は、押す前に中身を予想します。予想と違うページに行くと、戻る手間が発生します。
11.スマートフォンでの表示
画面が狭いため、メニューが折りたたまれる形になることが多くあります。押して開く形式です。
この場合、開くためのボタンが分かりやすい位置にあるかを確認します。見つけられなければ、メニューがないのと同じです。
また、開いたときに項目が押しやすい大きさかも確認します。項目同士が近すぎると、誤って別の項目を押します。
スマートフォンでの表示の点検は、ブログの文字サイズや行間はどう決める?スマホで読みやすさを確かめる方法で詳しく解説しています。
12.ロゴやサイト名
メニューの近くに、サイト名を置きます。どのサイトを見ているかが分かるためです。
サイト名を押すと最初のページに戻る、という形が一般的です。読者もそう期待するので、そのように設定しておきます。
13.記事が少ない段階
記事が数本の段階では、分類は不要です。一覧のページに全部並べれば足ります。
分類を作るのは、一覧が長くなって探しにくくなってからです。先に作ると、記事が入っていない分類ができます。
14.後から変えるとき
項目を増やしたり減らしたりするのは、いつでもできます。ただし、変えたら表示を確認します。
特に、項目が増えて折り返す、スマートフォンで収まらない、といった問題が起きやすくなります。
削除した項目へのリンクが、記事の中に残っていないかも確認します。残っているとリンク切れになります。
15.サイトの紹介との関係
メニューの項目とは別に、最初のページでサイトの説明を書く方法もあります。初めて来た読者が、何のサイトか分かります。
サイトの紹介文の作り方は、ブログを初めて読んだ人に何を伝える?サイトの紹介文の作り方で詳しく解説しています。
16.分類をメニューに置く場合
記事が増えて分類ができたら、分類をメニューに置くかを検討します。よく読まれる分類だけを置く方法もあります。
ただし、分類を全部置くとメニューが長くなります。三つ程度に絞るか、一覧のページ内で分けるかのどちらかにします。
分類をメニューに置く場合、分類名も中身が予想できる言葉にします。自分だけが分かる呼び方だと、読者は押しません。
また、記事が一本もない分類は置かないでください。押した先が空だと、読者は戻ることになります。
17.メニュー以外の案内
読者を次の場所へ案内する手段は、メニューだけではありません。記事の下に関連する記事を並べる、本文の中で該当する記事へ案内する、といった方法があります。
むしろ、本文中の案内のほうが押されやすくなります。読んでいる流れの中で、必要だと感じた場所にあるためです。
メニューは、どのページからでも使える共通の案内です。この役割に絞れば、置く項目も絞られます。
公開した後も、読者がどこで迷っているかは分かりません。問い合わせで「どこにあるか分からなかった」と言われたら、その項目の置き場所を見直す機会になります。
メニューが短いほど、置いてある項目は目に入ります。項目を増やすほど、一つあたりが見られる機会は減ります。増やす判断は慎重にしてください。
この使い分けができると、メニューを増やす必要がなくなります。読者は、必要になった場所で案内を見つけられます。
18.確認すること
- 項目が三つから五つに収まっている。
- 各項目について、読者がどの場面で押すか説明できる。
- 項目名から、中身が予想できる。
- スマートフォンで開けて、押しやすい。
- サイト名を押すと最初のページに戻る。
- リンク切れがない。
二つ目を満たさない項目があれば、外す候補です。使う場面を説明できない項目は、読者も使いません。
19.結論
置くのは、記事の一覧、運営についての説明、問い合わせの三つが基本です。これで、読者が次に行きたい場所はほぼ覆えます。
増やしたくなったら、その項目を読者がどの場面で押すかを考えてください。説明できないなら、メニューではなく記事の中から案内すれば足ります。
公開前に整える表示の最低限は、ブログのデザインはどこまで整えてから始める?読みやすさの最低限で詳しく解説しています。
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