図にするかどうかは、内容の性質で決まります。図が効くのは、複数の要素の関係、時間や工程の順序、そして項目ごとの比較を示す場合です。それ以外は、文章や箇条書きのほうが速く伝わります。
この記事では、図にする題材の見分け方を扱います。作図の道具の比較や、装飾のための画像については扱いません。何を図にするかの判断だけを扱います。
1.図が効く三つの場面
| 種類 | 示すもの | 例 |
|---|---|---|
| 関係 | 要素同士のつながり | お金の流れ、当事者の関係 |
| 順序 | 時間や工程の並び | 手続きの流れ、状態の変化 |
| 比較 | 項目ごとの違い | 複数の選択肢の条件 |
三つ目は、表でも表せます。数値や条件が中心なら表、量の差を見せたいなら図、という使い分けになります。
2.関係を図にする
三つ以上の要素が関わり、それぞれがつながっている場合、文章では追いにくくなります。「AがBに支払い、BがCに渡し、CはAに提供する」といった説明です。
この場合、四角と矢印で示すと一目で分かります。要素を四角で、関係を矢印で表し、矢印の上に何が動くかを書きます。
注意点として、要素が多すぎると図も読めなくなります。五つ程度までに収めます。
3.順序を図にする
手続きの流れや、状態が変わる過程は、順序の図が向きます。番号を振って、左から右、または上から下へ並べます。
ただし、順序だけなら箇条書きでも伝わります。図にする価値があるのは、分岐がある場合や、並行して進む工程がある場合です。
分岐がある場合、条件を矢印の横に書きます。「該当する場合」「該当しない場合」のように、どちらへ進むかが分かるようにします。
4.比較を図にする
複数の選択肢を比べる場合、多くは表で足ります。項目が列、選択肢が行になる形です。
図にする価値があるのは、量の差を見せたい場合です。数値の大小や、時間の長さは、視覚化すると差が実感できます。
ただし、正確な数値が必要な場合は、図より表のほうが適しています。両方を併用する方法もあります。
表の作り方については、ブログの表は何を並べれば分かりやすい?比較項目と単位のそろえ方で詳しく解説しています。
5.文章のままでよい場合
次の場合は、図にしても伝わりやすくなりません。
- 要素が二つしかない。文章で十分。
- 順序だけで分岐がない。箇条書きで足りる。
- 理由や背景の説明。図では表せない。
- 条件が細かい。図に書き込むと読めなくなる。
- 一度しか出てこない内容。図を作る手間に見合わない。
図を作るには時間がかかります。作る前に、文章で伝わらないかを確認してください。
6.作る前に紙に描く
いきなり道具で作り始めると、修正に時間がかかります。まず紙に描いて、構成を決めます。
紙で描くと、要素が多すぎる、関係が複雑すぎる、といった問題に早く気づけます。この段階なら、描き直しも簡単です。
紙の段階で伝わらない図は、きれいに清書しても伝わりません。構成の問題は、道具では解決しません。
7.図に入れる要素を絞る
全部を入れようとすると、読めない図になります。その図で示したいことを一つに絞ります。
示したいことが二つあるなら、図を二つに分けます。一つの図に詰め込むより、分けたほうが伝わります。
絞る基準は、その要素がないと理解できないかどうかです。あると親切な程度の要素は、入れなくて構いません。
8.文字の大きさ
図の中の文字が小さいと読めません。特にスマートフォンでは、図全体が縮小されて表示されます。
対策としては、文字を大きくする、要素を減らす、縦長の図にする、といった方法があります。
作った後、実際にスマートフォンで開いて確認してください。パソコンで見て問題なくても、読めないことがあります。
9.図の説明を添える
図だけを置いても、何を示しているか分からないことがあります。前後に短い説明を添えます。
前の文で「次の図は〜を示しています」と書き、後の文で「この図から、〜が分かります」と書く形です。
また、図が表示されない場合に備えて、代わりのテキストを設定します。内容を短く説明する文を入れておきます。
10.同じ図を使い回さない
一度作った図を、内容の違う記事で使い回すと、その記事に合わない部分が出ます。
ただし、同じ仕組みを説明する場合は、同じ図を使って構いません。読者にとっても、同じ図なら理解が早くなります。
使い回す場合、その記事の文脈に合っているかを確認します。合わない部分があれば、作り直します。
11.作る道具
四角と矢印と文字が置ければ、多くの図は作れます。無料の道具でも足ります。
凝った表現は不要です。むしろ、装飾が多いと内容が見えにくくなります。
道具選びに時間をかけるより、紙に描いた構成を素早く形にすることを優先してください。
12.かかる時間
一つの図に、構成を考える時間を含めて1時間程度かかります。記事一本の執筆時間と比べると、無視できない負担です。
したがって、本当に必要な図だけを作ります。全部の記事に図を入れる必要はありません。
画像にどれだけ費用と時間をかけるかは、ブログの写真や素材にいくらかける?自作・無料・有料の使い分けで詳しく解説しています。
13.図が増えたときの管理
作った図は、元のファイルを保存しておきます。後から修正するとき、最初から作り直さずに済みます。
また、どの記事でどの図を使ったかを記録します。内容が変わったとき、修正すべき図が分かります。
14.図で示せないこと
理由、根拠、条件の細部は、図では表せません。これらは文章で書きます。
図は、構造を示すものです。なぜそうなっているのかは、文章が担当します。
図だけで説明しようとすると、必要な情報が抜けます。図と文章の役割を分けてください。
15.読者の理解を確認する
自分では分かりやすいと思っても、初めて見る人には伝わらないことがあります。
可能なら、その分野を知らない人に図だけを見せて、何を示しているか聞いてみてください。説明なしで伝わるかが分かります。
16.後から追加する
最初から図を用意する必要はありません。公開後、説明が伝わりにくい箇所が分かってから追加できます。
読者からの質問が、図が必要な箇所を教えてくれることもあります。同じ部分について何度も質問が来るなら、図の候補です。
文章が長くなったときの整理方法は、ブログの文章が長くなりすぎるときは?説明を削らず読みやすく直す方法で詳しく解説しています。
17.確認すること
- その図で示したいことが一つに絞れている。
- 要素が五つ程度までに収まっている。
- スマートフォンで文字が読める。
- 図の前後に説明がある。
- 代わりのテキストを設定した。
- 文章のままでは伝わらないことを確認した。
六つ目が最も重要です。文章で伝わるなら、図を作る時間を記事の内容に使うほうが有効です。
18.文章から図にする手順の例
「広告主・ASP・運営者・読者の関係」を説明する文章を、図にする場合の手順を示します。
文章から図へ
- 文章から登場する要素を抜き出す。広告主、ASP、運営者、読者の四つ。
- 要素どうしで動くものを書き出す。代金、広告費、報酬、紹介。
- 動く向きを決める。読者から広告主へ代金、広告主からASPへ広告費、ASPから運営者へ報酬。
- 紙に四角と矢印で描き、矢印の上に動くものを書く。
- 図を見ただけで、誰が誰に払うかが分かるかを確認する。
- 分からなければ、要素を減らすか、矢印を二種類に分ける。
この例で図が効くのは、お金の流れが二本あり、文章だと向きを取り違えやすいためです。流れが一本だけなら、文章の一文で足ります。
図にした後は、本文の説明を短くできないかも見直します。図で示した流れを文章でも一から繰り返していると、同じ情報が二回並びます。本文には、図だけでは伝わらない条件や例外、例えば「返品があると広告費は支払われない」といった点を残します。
19.まとめ
図にするのは、関係、順序、比較の三つです。それ以外は、文章や箇条書き、表のほうが速く伝わります。
作る前に紙に描いて、構成を確かめてください。構成の問題は、清書しても解決しません。
図には時間がかかります。本当に必要な箇所だけに絞ることで、記事を書く時間を確保できます。
図は説明を補うものです。図だけで完結させようとせず、理由と条件は文章で書いてください。
図を入れると、記事が丁寧に作られている印象を与えることがあります。ただし、その印象のために作るのは目的が違います。
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