どちらが伸びるかではなく、どちらなら続けられるかで考えるほうが現実的です。動画は一本あたりの制作工程が多く、内容を直したいときに作り直しが必要になります。記事は工程が少なく、公開後も部分的に直せます。この差が、継続のしやすさに表れます。
この記事では、同じ題材を扱ったと仮定して、工程ごとの負担を比べます。どちらの媒体に将来性があるかという予測はしません。時間の見積もりは説明のための仮の値で、人や題材によって大きく変わります。
1.同じ題材で工程を並べる
題材として、「ある道具の選び方」を扱うとします。記事なら3,000字程度、動画なら10分程度を想定します。以下は工程ごとの作業です。時間は仮の目安です。
| 工程 | 記事 | 動画 |
|---|---|---|
| 調査 | 2時間 | 2時間 |
| 構成 | 1時間 | 1時間 |
| 本文・台本 | 3時間 | 2時間 |
| 収録 | なし | 1〜2時間 |
| 編集 | 図表の作成 1時間 | カット・字幕 3〜5時間 |
| 公開作業 | 30分 | 1時間(説明欄・サムネイル) |
| 合計の目安 | 7時間半 | 10〜13時間 |
調査と構成は共通です。差が出るのは、収録と編集です。動画では、撮り直しが発生すると時間が一気に伸びます。編集作業も、慣れるまでは見積もりより長くかかることが多い部分です。
2.必要な道具と環境
記事は、文字を入力できる環境があれば作れます。パソコンでもスマートフォンでも書けます。静かな場所である必要もありません。
動画では、撮影する場所、音を録る環境、編集するための機器が必要です。家族と同居している場合、話す声を録れる時間帯が限られることもあります。環境の制約が、続けられるかどうかに直結します。
この点は、始める前に確認しておく価値があります。編集ソフトを買ってから、静かな時間が取れないことに気づく、という順序は避けたいところです。
3.修正のしやすさ
記事では、一文だけ直すことができます。価格が変わった、条件が変わった、誤りがあった。該当箇所を書き換えれば、それで反映されます。
動画では、話した内容を後から差し替えることができません。誤りがあれば、説明欄に訂正を書くか、動画を作り直すことになります。作り直せば、それまでに付いた再生数や評価はゼロに戻ります。
仮の例:紹介した商品の価格が変わった場合
- 記事:本文の価格部分を書き換え、確認日を更新する。作業は数分。
- 動画:価格を読み上げている場面が含まれる。説明欄に訂正を追記するか、該当部分を含む動画を非公開にして作り直す。
- 結論:変わりやすい情報を含む題材ほど、記事のほうが保守しやすい。
逆に言えば、変わりにくい題材なら動画の不利は小さくなります。考え方の説明、手順の実演など、しばらく古くならない内容は動画に向きます。
4.伝わりやすさの違い
動画には、記事にできないことができます。動いている様子、音の大きさ、実際の操作の速さ。こうした情報は、文章で説明するより見せたほうが速く伝わります。
一方、条件を比較する、数値を並べる、必要なときだけ読み返す、といった使い方は記事のほうが向きます。動画では、特定の情報を探すために早送りする手間がかかります。
題材によって、どちらが適切かが変わります。両方の性質を持つ題材なら、記事に動画を埋め込むという形も選べます。
5.読者・視聴者の探し方が違う
記事は、検索から見つけられます。疑問を言葉にして検索した人が、その言葉に合う記事を開きます。目的を持った人が来るので、判断まで進みやすい傾向があります。
動画は、一覧に表示されて選ばれる形が中心です。何かを探している人だけでなく、たまたま目に入った人も見ます。そのぶん、まだ買う段階にない視聴者も多くなります。
どちらがよいかは、扱う商品の性質によります。検討段階の人に届けたいなら記事、まず知ってもらいたいなら動画、という分け方ができます。
6.顔や声を出す必要
動画では、顔を出さない形も選べますが、声は必要になることが多くなります。音声を使わない形式もありますが、選択肢は狭まります。
記事では、顔も声も不要です。匿名で運営することもできます。本業との関係で発信を知られたくない場合、この点は大きな違いになります。
ただし、匿名であっても、書いた内容の責任はあります。誰が書いたか分からないから何を書いてもよい、ということにはなりません。
無理のない作業量で続ける方法については、アフィリエイトを続けられるか不安な人へ|作業の負担を小さく試す方法で詳しく解説しています。
7.リンクの置き方
記事では、本文中の適切な位置にリンクを置けます。読者が判断を終えたところで案内できるので、自然な流れになります。
動画では、本文中に相当する位置がありません。説明欄に置くか、画面上で案内することになります。視聴者が説明欄を開く手間が挟まるため、移動する人の割合は下がりやすくなります。
また、動画の掲載先によって、アフィリエイトリンクの扱いに関する規約が異なります。掲載してよいか、表示が必要かを、公式の案内で確認してください。
8.続けられるかを決めるのは何か
ここまでの比較をまとめると、続けやすさを決めるのは次の三つです。一回あたりの作業時間、作業できる環境の制約、そして直したくなったときの手間です。
動画は、この三つすべてで負担が大きくなります。その代わり、伝わり方に強みがあります。負担を受け入れられるかどうかが判断の基準になります。
「どちらが稼げるか」で選ぶと、続かなかったときに何も残りません。「どちらなら半年続けられるか」で選ぶほうが、判断としては確実です。
9.片方から始めて、後から足す
両方を同時に始めるのは、時間の面で難しくなります。まず片方で進め方を身につけ、余裕ができたらもう片方を足すほうが現実的です。
記事から始めた場合、書いた内容が動画の台本になります。調査と構成が済んでいるので、動画を作る際の負担が減ります。逆の順序でも、動画の内容を記事にすることはできます。
どちらから始めても、調査と構成は共通です。この部分の力がつけば、媒体を変えても無駄になりません。
10.最初の一本にかかる時間を実測する
ここまでの比較は目安です。実際にどれだけかかるかは、やってみないと分かりません。そこで、判断の前に一本だけ作ってみる方法があります。公開しなくても構いません。
記事なら、短いものを一本書き、調査から公開作業までの時間を記録します。動画なら、5分程度のものを一本作り、同じように記録します。この二つを比べると、自分にとっての負担の差が数字で出ます。
記録するのは合計時間だけでなく、工程ごとの内訳です。編集に時間がかかるのか、台本に時間がかかるのかで、改善できる余地が変わります。二本目以降で短縮できる部分も見えてきます。
試した結果、どちらも想定より時間がかかると分かることもあります。その場合は、媒体を選ぶ前に、扱う題材の範囲を狭めることを検討してください。題材が広すぎると、調査だけで時間が尽きます。
11.決めるための質問
- 1本あたり10時間以上を確保できるか。難しければ記事から。
- 声を録れる環境と時間があるか。
- 扱いたい題材は、価格や条件が変わりやすいか。変わりやすければ記事が保守しやすい。
- 動いている様子を見せないと伝わらない題材か。そうなら動画の利点が大きい。
- 顔や声を出すことに支障はないか。
五つのうち、確保できる時間と環境の二つが実質的な分かれ目になります。ここが厳しい状態で動画を選ぶと、数本で止まります。まず続く形を選び、後から広げてください。
なお、どちらを選んでも、調べた内容を整理する力が中心になります。媒体は届け方の違いであって、伝える中身を作る作業は共通です。中身が薄ければ、どちらの形式でも読者の判断には使えません。
媒体選びに時間をかけるより、扱う題材を一つ決めて、実際に一本作ってみるほうが早く答えが出ます。作ってみて苦にならなかったほうが、自分に合っている形です。
もし両方とも苦にならないなら、記事から始めて、内容が固まったものを動画にする順序が無駄になりません。調査と構成を二度やらずに済むためです。
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