開設前に題材を試すこと自体は有効です。ただし、反応があったからといって検索需要があるとは限らず、反応がなかったからといって需要がないとも言えません。反応から何が言えるのかを区別しないと、誤った判断につながります。

この記事では、試す手順と、結果の読み方を扱います。投稿を伸ばす方法や、アルゴリズムの攻略については扱いません。判断材料としてどう使うかだけを整理します。

1.何のために試すのか

目的は、自分がその題材について書けるかを確かめることです。反応の数を集めることではありません。

短い投稿でも、説明を組み立てる作業は記事と同じです。書いてみて、資料が足りない、うまく説明できない、と気づけば、それが収穫になります。

副次的に、反応が得られることもあります。質問が来れば、読者がどこで迷うかが分かります。ただし、これは期待するものではなく、あれば有益という程度です。

2.試す手順

題材を試す投稿の作り方

  1. 扱いたい分野で、読者が持ちそうな疑問を一つ選ぶ。
  2. その疑問に、200字程度で答えを書く。条件も添える。
  3. 投稿する。宣伝の言葉は入れない。
  4. 反応があれば、内容を記録する。質問、指摘、別の観点など。
  5. 反応がなくても、書いた内容は記録して残す。

この手順で試すと、記事の材料が手元に残ります。反応の有無にかかわらず、書いた内容は後から記事に使えます。

3.反応から言えること

観察できたこと言えること言えないこと
反応が多かったその表現や話題に関心を持つ人がいた検索している人が多い
反応がなかった届いた範囲では関心が薄かった需要がない
質問が来たその点が分かりにくかった全員が同じ疑問を持つ
指摘を受けた説明に不足があった内容が間違っている
保存された後で見返す価値があると判断された購入につながる

右の列に共通するのは、範囲を超えた推論です。届いた範囲での反応は、その範囲のことしか示しません。

4.反応数を需要と混同しない

SNSで反応が多い話題と、検索される話題は一致しません。SNSでは、目に入った人が反応します。検索では、能動的に探した人が来ます。

例えば、驚きのある話題や共感を呼ぶ話題は反応を集めますが、検索されるとは限りません。逆に、地味な手続きの説明は反応が少なくても、検索では読まれることがあります。

したがって、反応の多かった題材を優先して記事にする、という判断は必ずしも正しくありません。

読者がどの経路から記事に来るのかは、ブログは誰がどうやって見つける?検索・SNS・リンクからの訪問を知るで詳しく解説しています。

5.反応がない場合の読み方

反応がない理由は複数あります。届いていない、時間帯が合わなかった、表現が伝わらなかった、そもそも関心がない。どれかは分かりません。

特に、始めたばかりでつながりが少ない場合、そもそも届いていない可能性が高くなります。この状態での「反応なし」は、需要の判断材料になりません。

つまり、フォロワーが少ない状態での試行は、題材の良し悪しを測る方法としては精度が低いということです。書く練習としては有効ですが、判断には使えません。

6.質問が来たときの扱い

質問は、反応の中で最も価値があります。どこが分かりにくかったかが具体的に分かるためです。

質問の内容は記録しておきます。同じ質問が複数来たら、その点は多くの人が迷う箇所です。記事を書くときに、その部分を厚く説明します。

ただし、一件の質問を全体の傾向と考えないでください。その人の状況に固有の疑問であることもあります。

7.指摘を受けたとき

内容に誤りがあると指摘されることがあります。まず、指摘の内容を確認します。根拠となる資料があるかを調べ、自分の記述と比べます。

自分が間違っていたなら、訂正します。投稿を消すのではなく、訂正の内容を書き添えるほうが誠実です。

指摘が正しいとは限りません。相手の情報が古い、条件が違う、という場合もあります。どちらの根拠が確認できるかで判断します。

8.試す期間を決める

試行に時間をかけすぎると、開設が遅れます。期間を決めておきます。

目安として、二週間から一か月程度で十分です。その間に五本から十本の投稿を作れば、自分が書けるかどうかは分かります。

それ以上続けても、判断材料は大きく増えません。開設して記事を書くほうが、得られる情報が多くなります。

9.投稿と記事の違い

短い投稿では、条件や例外を書ききれません。記事にするときは、投稿の内容をそのまま使うのではなく、条件を足して書き直します。

短い投稿記事
分量200字程度数千字
条件の記載省略されがち必須
読者つながりのある人検索から来た人
前提知識共有されている場合があるない前提で書く
残り方流れていく検索から繰り返し読まれる

投稿で反応があった表現が、記事でも効くとは限りません。読者の前提が違うためです。記事では、前提知識がない人にも伝わる形にします。

10.試さずに始めてもよい

試す作業は必須ではありません。書きたい題材が決まっているなら、そのまま記事を書き始めて構いません。

試す意味があるのは、題材が複数あって決められない場合や、自分が書けるか不安な場合です。目的がないまま試すと、時間だけが過ぎます。

最初の記事の題材を決める手順は、ブログの最初の記事は何を書く?自己紹介だけで終わらせない題材選びで詳しく解説しています。

11.試行の記録を残す

投稿した内容、反応、質問、指摘。これらを記録しておきます。開設後、記事を書くときの材料になります。

最後の項目が、実は最も有用です。書きにくかった部分は、資料が足りていないか、理解が不十分な箇所です。記事にする前に調べ直す対象が分かります。

12.開設のタイミング

試行の結果にかかわらず、開設は早いほうが有利です。記事が読まれるまでに時間がかかるため、開設が遅れるとその分だけ後ろにずれます。

試行と並行して開設することもできます。試した内容を記事にしていけば、両方が進みます。

13.反応を目的にしない

試行を続けるうちに、反応を得ることが目的になることがあります。そうなると、反応を得やすい内容に寄っていきます。

反応を得やすい内容と、判断に役立つ内容は違います。目的は記事を書くことなので、反応が少ない題材でも、必要なら書きます。

この区別を保つには、試行の期間を区切ることです。期間を決めて、終わったら記事を書く作業に移ります。

14.検索需要を知りたい場合

題材に検索需要があるかを知りたいなら、SNSの反応ではなく、検索の側で調べる必要があります。検索の候補表示、関連する検索語、質問が集まる場所などを見る方法があります。

ただし、これらも需要の量を正確に示すものではありません。候補に出ることは検索された実績を示しますが、どのくらいの人数かは分かりません。

正確な数字を知ろうとするより、その疑問を持つ人が存在するかを確かめる程度で十分です。始める段階では、自分が答えられる疑問かどうかのほうが重要です。

需要の測定に時間をかけるより、記事を公開して実際の訪問を見るほうが確実です。公開後の数字は、推測ではなく実測です。

15.結論としての使い方

SNSでの試行は、書く練習と材料集めには有効です。需要の測定には向きません。この二つを混同しないでください。

試すなら期間を決め、記録を残し、終わったら開設する。この流れなら、試行が無駄になりません。反応の数は、参考程度に留めておいてください。

なお、試行の結果が芳しくなくても、それを理由に始めないという判断はしないでください。届いた範囲が狭ければ、反応が出ないのは当然です。判断材料としては弱いものだと理解したうえで使ってください。

試行で得た最大の収穫は、たいてい反応ではなく、自分が書いた文章そのものです。五本書けば、五本分の材料が手元に残ります。

逆に、反応が良かったからといって、その題材に飛びつくのも避けます。反応の理由が、内容ではなく表現や時期にあることもあります。反応の中身を読み、なぜ反応したのかを考えてから判断してください。

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