本業と繁忙期が違う第二事業を選ぶには、売れる時期だけでなく、受注前の営業、提供、更新、入金の時期を年間で比較します。本業の受注が少ない月に第二事業の売上があっても、準備のピークが本業と重なれば、会社の負担は平準化できません。候補の季節性を自社の仕事と照合し、どの波をならしたいのかを決める方法を解説します。

「忙しい月」を一つの色で塗らない

本業の忙しい月には、営業の提案が集中する月、納品が多い月、保守対応が多い月があります。売上が計上される月と、社員の仕事が増える月も一致するとは限りません。過去の売上表だけから第二事業を選ぶと、表に出ない準備や事後対応を同じ時期に増やしてしまいます。まず本業の実際の工程を月ごとに記録します。

会社の部署によっても波が違います。営業が落ち着く時期に、経理は決算対応で忙しいかもしれません。制作部門に余裕があっても、社長の承認が集中しているなら、新事業の開始は止まります。「会社の閑散期」とまとめる前に、第二事業で使う人員や決裁者に余裕があるかを見てください。空き時間がある部署と、依頼に必要な部署を取り違えないようにします。

季節の影響が毎年同じとも限りません。大口契約の開始や終了で、ある年度だけ忙しい月がある場合もあります。可能なら複数の期間を比べ、毎年起きる仕事と、その年だけの出来事を分けます。記録が十分にない場合は、担当者の見立てに仮説と書き、試行で確かめる条件にします。過去の一回を会社の恒常的な季節性として固定しません。

候補事業の年間工程を、本業と並べる

工程本業で確認する記録第二事業で調べる条件
需要が生まれる相談・見積依頼の時期利用者が探し始める時期
営業・制作提案・制作・調達の時間販売前に必要な準備と更新
提供納品・実施・顧客対応利用の集中と例外対応
回収請求・入金・遅延支払条件と回収予定
維持保守・更新・契約管理販売後に残る仕事

この表を候補ごとに作り、年間の予定へ落とします。第二事業の売上だけを本業の空欄へ置く方法では不十分です。売上が出る前に何をし、売上後にどの仕事が残るかも入れてください。毎月続く更新や問い合わせ対応には、閑散期だけで済む仕事とは違う印を付けます。季節の波が小さい事業でも、通年の最低負担があります。

候補の需要がいつあるかは、提案会社の説明だけで確定しません。実際の顧客の利用時期、既存の取引記録、商品の提供条件を確認します。検索が増える時期を調べる場合も、その時期に購入や申込まで進むかは別です。情報を集める段階と支払いの段階を区別し、本業の業務計画へどの工程が重なるかを考えます。

新規事業の候補を広く比較したい場合は本業を続けながら始められる新規事業へ進めます。本記事では種類を増やすより、候補を同じ年間工程で評価します。本業の余剰時間に合わせる計画全体については余剰時間で第二事業を回す計画も合わせて確認できます。

仮の会社で、売上の波と準備の波を比べる

売る月は違っても、制作が重なる案

説明用の仮定として、秋に納品が集中する制作会社が、冬に販売する教材を第二事業として検討するとします。実際の業界傾向ではありません。冬の売上なら季節を分けられそうですが、教材の制作と試験販売が秋に必要なら、本業と第二事業の作業が重なります。売上の予定だけを見れば採用したい案でも、同じ社員が制作する前提では工程を組み直す必要があります。

組み直す方法には、前の閑散期に制作を終える、必要な工程を外注する、最初の提供量を減らすといった選択があります。ただし、早く作った教材を販売時期まで更新できるか、外注の検収を秋に自社が行えるかも確かめます。制作を前倒ししただけで、繁忙期の確認や修正がなくなるとは限りません。変える工程と残る工程を分けてください。

需要は通年でも、更新が一時期に集まる案

もう一つの仮定として、毎月使われる情報サービスを運営する案を置きます。利用料は毎月入る想定でも、掲載情報の確認や顧客契約の更新が同じ月に集中する場合、その月の仕事は増えます。通年需要という言葉だけで、会社の年間負担が均等になるとは説明できません。需要と、会社が実行する更新の予定を別に見ます。

この案なら、更新を分散できる条件と、顧客の都合で動かせない条件を確認します。契約や資料の更新期限を勝手に変更するのではなく、最初の提供時点で運営可能な日程を提案できるかを検討します。どうしても本業と重なるなら、外部支援を使う費用も年間計画に入れます。毎月収入があることは、毎月同じ仕事量になる保証ではありません。

平準化したいのは人員か、利益か、入金か

繁忙期をずらす目的には、人員を活用すること、毎月の利益の波を抑えること、資金の入る時期を分けることがあります。これらは別の目標です。暇な時期に社員が働ける案でも、その月に代金を回収できるとは限りません。入金を分ける案でも、先行制作が本業の忙しい時期へ重なれば、人員の平準化にはつながりません。主目的を先に決めます。

目的の違いは第二事業で増やす売上と利益の選び方で整理できます。第二事業を「売上の柱」として育てる考え方はもう一本の売上の柱を作る方法へつなぎます。季節を分けることは、その柱を会社が運営できるかを見る一つの条件として扱ってください。

人員を活用する目的でも、余裕のある社員が新事業の仕事を担えるかを確かめます。本業の技能をそのまま使えない場合には、学習や確認の仕事が必要です。表では空いて見える時間も、休暇や通常の改善に使う予定があるかもしれません。全時間を第二事業へ振れる前提ではなく、会社が継続して割り当てる範囲を決めます。

資金の平準化を目的にする場合は、第二事業の回収前に払う費用も同じ年間表へ入れます。本業の入金が少ない時期に、第二事業の制作費や利用料が先に必要になる案では、資金の波をむしろ大きくする場合があります。将来の収入で支払えるという見込みと、実際の支払日に用意する資金を混ぜないようにします。自社の資金計画で確認してください。

季節性を根拠に採用する前の確認順序

  1. 本業の需要、提供、回収を月別に分ける。
  2. 第二事業の準備、提供、維持の時期を仮置きする。
  3. 共用する担当と承認者の重複を見つける。
  4. 移せる工程と動かせない期限を区別する。
  5. 試行の結果で年間表を修正し、投資判断へ戻す。

繁忙期を一度経験するまで分からない仕事もあります。最初から通年の大規模提供を約束せず、受けられる範囲を決めて試す方法があります。試行中は、通常の仕事に加えて質問、差戻し、臨時対応に使った時間を記録します。本業と重なったときに何が遅れたかが分かれば、次の年度の工程と外注範囲を具体的に直せます。

収益を生むアフィリエイトサイトを検討する場合も、原稿の公開時期だけで季節を判断しません。読者が商品を調べる時期、広告案件の変更、既存記事の確認に必要な仕事があるからです。仕組みはアフィリエイトの基本へつなぎ、会社が担当できる継続作業を別に見積もります。店舗や在庫がなくても、本業の繁忙期に何もする必要がない事業とは限りません。

最後の比較表には「本業とは違う月に売れる」だけでなく、「本業のどの波を変えるか」「共用する工程はどこか」「重なった場合の対応は何か」を書きます。季節の違いが小さくても、外注や提供量の調整で運営できる案はあります。反対に、販売時期が大きく違っていても準備が重い案もあります。会社の実際の工程に合わせた判断をしてください。