複数作れば機会が増えるように見えますが、作業量は単純に倍になります。調査も更新も管理も、サイトの数だけ発生し、記事を書く時間はその分だけ減ります。始める段階では、一つに絞るほうが結果として早く進みます。
この記事では、一つの場合と複数の場合の作業量を比べ、増やす判断をする時期を整理します。メディアを大きくしていく経営の話や、事業の引き継ぎについては別の記事の範囲です。
1.なぜ複数作りたくなるのか
理由はいくつかあります。分野が違うものを一緒にしたくない、一つがうまくいかなかったときの保険にしたい、どれが当たるか分からないので試したい、といったものです。
どれも理解できる考え方です。ただし、いずれも「作業時間が十分にある」という前提に立っています。実際には、時間は増えません。
分けたい理由が明確なら、分ける意味があります。漠然と機会を増やしたいだけなら、一つに集中するほうが進みます。
2.作業量を割り振ってみる
月に20時間使えると仮定して、一つの場合と二つの場合で作業を割り振ってみます。数字は説明のための仮の値です。
| 作業 | 1サイト | 2サイト |
|---|---|---|
| 分野の調査 | 3時間 | 6時間 |
| 記事の執筆 | 12時間 | 12時間(1本あたりは同じ) |
| 設定・管理 | 2時間 | 4時間 |
| 数字の確認 | 1時間 | 2時間 |
| 更新・修正 | 2時間 | 4時間 |
| 合計 | 20時間 | 28時間 |
| 書ける記事の本数 | 同じ時間なら多い | 管理に時間が取られ減る |
記事を書く時間以外が、サイトの数だけ増えます。同じ20時間に収めるなら、執筆の時間を削ることになります。結果として、どちらのサイトも記事が増えません。
3.費用も倍になる
ドメインもサーバーも、サイトごとに必要です。サーバーによっては一つの契約で複数のサイトを置けますが、ドメインは別々に取得します。
収入がない期間に、費用だけが倍かかることになります。続けられる期間が短くなるという意味で、実質的なリスクが上がります。
必要な費用の内訳については、アフィリエイトを自分で始める費用はいくら?初期費用と更新費用を分けて考えるで詳しく解説しています。
4.管理の負担
見落とされやすいのが、管理の負担です。ログイン情報、契約の更新日、それぞれのサイトの設定。数が増えるほど、把握が難しくなります。
特に、更新日を忘れると、サイトが表示されなくなります。一つなら覚えていられますが、複数になると記録が必要です。
また、どちらのサイトで何をしたかを覚えておく必要もあります。作業を中断して再開するとき、状況の把握に時間がかかります。
作業を中断したときの再開方法については、ブログの作業を中断したとき、どこから再開する?再開メモの残し方で詳しく解説しています。
5.一つに絞る利点
一つに集中すると、記事の本数が増えます。同じ分野の記事が集まると、関連する記事同士をつなげられます。読者が一つの記事から別の記事へ移動しやすくなります。
また、分野についての理解が深まります。同じ領域を調べ続けることで、どこに情報がないか、読者が何に困るかが見えてきます。
判断も速くなります。一つの分野に絞れば、記事を書くたびに調査の前提が積み上がります。毎回ゼロから調べる必要がなくなります。
6.分けたほうがよい場合
例外として、分けるべき場合もあります。次のような状況です。
- 分野の読者がまったく重ならない。一方の読者にとって、もう一方の記事が無関係になる。
- 一方が実名で、一方が匿名で運営する必要がある。
- 既にある程度の規模のサイトがあり、新しい分野を試したい。
- 契約や規約の都合で、同じ場所に置けない。
これらに当てはまらない場合、分ける必要はありません。分野が違っても、読者が重なるなら分類で分ければ足ります。
7.分類で分ける方法
一つのサイトの中で、分野ごとに分類を作る方法があります。読者は目的の分類から記事を探せますし、管理は一つで済みます。
この方法の利点は、後から分けられることです。片方の分野が育ってきたら、その分だけを別のサイトへ移す判断ができます。最初から分けると、この柔軟さがありません。
ただし、分類が多すぎると、サイト全体が何を扱っているのか分からなくなります。三つか四つ程度に抑えると、読者にも伝わります。
8.増やす判断をする時期
いつ増やすかの目安は、今のサイトが自分の手を離れても回るようになったときです。具体的には、次の状態です。
増やしてよい状態の目安
- 書く手順が固まり、一本あたりの時間が読める。
- 記事が一定数あり、訪問が継続している。
- 更新や管理が習慣になっていて、負担になっていない。
- 新しい分野について、調べる時間を確保できる。
- 費用が倍になっても続けられる。
この五つが揃わないうちに増やすと、両方が止まります。特に三つ目が重要です。今のサイトの管理が負担になっている状態で増やすと、確実に手が回らなくなります。
9.増やす場合の進め方
増やすと決めたら、一つ目と同じ手順を繰り返します。分野を決め、読者を決め、記事を数本書く。最初から大きく作ろうとしないことです。
また、一つ目のサイトの更新を止めないようにします。新しいほうに気を取られて、既存のサイトが古くなると、これまで積み上げた分が目減りします。
時間の配分を先に決めておくと、どちらかに偏ることを防げます。「既存に週3時間、新規に週2時間」のように決めておきます。
10.試すだけなら分けなくてよい
どの分野が当たるか分からないから複数試したい、という考え方があります。ただし、試すだけなら、一つのサイトの中で複数の分野の記事を書けば足ります。
読者の反応を見て、反応のあった分野を伸ばす。この形なら、サイトを増やさずに試せます。分けるのは、どれを伸ばすか決まってからで構いません。
最初から分けると、どれも記事数が少ないまま止まります。反応が出る前に判断することになり、比較の材料が揃いません。
11.既にあるサイトを使う場合
既に運営しているサイトがある場合、そこに足すか、新しく作るかの判断になります。読者と分野が近ければ、足すほうが早く進みます。
既存のブログを使うかどうかの判断は、今ある日記ブログでアフィリエイトを始める?別サイトを作る?で詳しく解説しています。
12.数を増やしても評価は分散する
サイトを増やせば、それぞれが独立して評価されます。一つに集めた場合と比べて、各サイトの記事数は少なくなります。
記事が少ないサイトは、扱う範囲が狭く、読者が他の記事へ移動する機会も減ります。一つに集めておけば、関連する記事が揃っている状態を作りやすくなります。
ただし、これは分野が近い場合の話です。まったく関係のない分野を一つに集めると、読者が求めているものと違う記事が並びます。
13.管理表を作る
複数を運営する場合、管理表が必須になります。次の項目を一覧にしておきます。
- サイト名とURL
- ドメインの取得先と更新日
- サーバーの契約先と更新日
- 管理画面のログイン方法(パスワードそのものは別管理)
- 扱う分野と対象読者
- 最後に更新した日
最後の項目があると、放置しているサイトに気づけます。複数運営で起きやすいのは、片方が半年以上更新されていない状態です。
14.減らす判断もある
増やした後で、手が回らないと分かることがあります。その場合、減らす判断も必要です。
減らすときは、いきなり閉じるのではなく、更新を止めて様子を見ます。訪問が続いているなら残す価値がありますし、まったくないなら整理を検討します。
閉じる場合は、記事を手元に保存してから行います。後から別のサイトで使える内容が含まれていることがあります。
15.「保険」にならない理由
一つがうまくいかなかったときの保険として複数作る、という考え方があります。しかし、両方に十分な時間をかけられないなら、どちらもうまくいかない可能性が高くなります。
保険として機能するのは、片方が既に安定して回っている場合です。時間も費用も余裕がある状態で、新しい分野を試す。これなら保険になります。
始める段階では、どちらも軌道に乗っていません。この状態で二つに分けると、失敗の確率を下げるどころか、両方が中途半端な状態で止まります。
リスクを下げたいなら、一つのサイトの中で扱う分野を複数持つほうが有効です。管理は一つで済み、記事も同じ場所に積み上がります。
16.結論
始める段階では、一つに絞ってください。理由は、作業時間と費用が単純に倍かかり、記事が増えないからです。
増やすのは、一つ目が回るようになってからで間に合います。急いで増やしても、どれも中途半端になるだけです。まず一つを、記事が揃った状態まで持っていくことを目標にしてください。
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