費用の話でつまずくのは、金額の大小より分け方です。最初に一度だけ払うものと、毎年払い続けるものを混ぜて計算すると、2年目以降の負担を見落とします。まず項目を分け、それぞれに必須か任意かの印を付けるところから始めます。

この記事では、自分で開設する場合の費用の整理方法を扱います。制作を依頼する場合の費用とは別の話です。また、実際の金額はサービスと契約条件によって変わるため、ここでは具体的な価格を固定しません。自分で調べた数字を入れられる形で説明します。

1.費用を三つに分ける

項目を並べる前に、三つの箱を用意します。この分け方をすると、どこを削れるかが見えます。

内容判断
必須・初期これがないと公開できない。最初の1回削れない
必須・継続公開を維持するために毎年かかる削れないが、契約先で変わる
任意あると便利だが、なくても公開できる後回しにできる

多くの人が予算を誤るのは、三つ目を必須だと思い込むためです。有料テーマ、有料ツール、素材の購入。どれも役に立ちますが、最初の記事を公開するために必須ではありません。

2.必須にあたる項目

自分でサイトを作って公開する場合、最低限必要なのは次の二つです。どちらも、自分で調べた金額を入れてください。

この二つ以外は、始める時点では任意と考えて構いません。無料のテーマでも記事は公開できますし、画像がなくても記事は成立します。

ただし、二つとも継続してかかる点に注意してください。最初の支払いが済んだら終わりではなく、続ける限り毎年発生します。

3.初年度と2年目で金額が変わる

見落としやすいのがここです。ドメインもサーバーも、初年度が割引されていることがあります。2年目以降は通常の金額に戻るため、初年度の費用だけを見て計画すると、翌年に想定を超えます。

仮の例:初年度と2年目の違い

  • ドメイン:初年度は割引価格。2年目以降は更新価格になり、初年度より高くなることがある。
  • サーバー:契約期間をまとめると割安になるが、更新時に同じ割引が適用されるとは限らない。
  • 結果:2年目の総額が初年度を上回る場合がある。契約前に更新価格を確認しておく。

契約の前に、更新時の価格が公式案内のどこに書かれているかを確認します。書かれていない場合は、問い合わせて確認します。この確認を省くと、翌年に判断を迫られます。

契約前に確認しておく項目の一覧は、ブログのドメイン・サーバーを長期契約する前に確認したいことで詳しく解説しています。

4.任意にあたる項目

次は、あると便利だが必須ではないものです。それぞれ、何のために必要かを書けるかどうかで判断します。理由を書けないものは、まだ必要ではありません。

項目何のために後回しにできるか
有料テーマ表示や機能を整えるできる。無料でも公開は可能
画像素材記事に写真や図を入れるできる。文字と表でも成立する
キーワード調査ツール候補を集めるできる。無料の手段もある
順位を調べるツール変化を追うできる。記事が少ないうちは不要
メール配信読者と継続して接点を持つできる。読者がいない段階では使わない

この表を埋めるとき、「みんなが使っているから」を理由にしないでください。今、自分が何に困っていて、それがこの支出で解決するのか。この形で書けるものだけを買います。

5.予算表を作る

三つの箱と、調べた金額を組み合わせて表を作ります。列は「項目」「箱の種類」「初年度の金額」「2年目以降の金額」「確認した日」です。

確認日を入れるのは、価格が変わるからです。半年前に調べた金額のまま計画を立てると、契約時に食い違います。表を作った日を残しておけば、いつ調べ直すべきかが分かります。

この表ができると、合計が出ます。さらに、必須だけの合計と、任意も含めた合計を別々に出しておくと、削れる額が一目で分かります。

6.収入がない期間を掛ける

合計が出たら、それに月数を掛けます。成果が出るまでの期間は分かりませんが、少なくとも数か月は収入がゼロである前提で計算します。

例えば、月あたりの継続費用が分かっているなら、それに6か月や12か月を掛けます。この金額を用意できるかどうかが、始められるかどうかの判断になります。

用意できない場合、費用を下げるか、始める時期をずらすことになります。始めてから資金が尽きると、更新できずにサイトが消えます。それまでに書いた記事も失われます。

無収入の期間をどう見積もるかについては、収入が出る前のブログ運営費はどう用意する?生活費と分けた資金計画で詳しく解説しています。

7.費用を下げる方向

費用を下げたい場合、任意の項目を全部外すのが最初の手です。それでも足りない場合、契約先や契約期間を見直します。

ただし、安さだけで選ぶと後で困ることがあります。特にサーバーは、表示の速さ、保存の仕組み、問い合わせへの対応が関わります。金額だけを並べず、必要な条件を満たしているかを確認してください。

無料の選択肢もありますが、広告の掲載条件や移転のしやすさに制約が付きます。費用がかからない代わりに、別の形で制約を受け入れることになります。

8.費用に含まれないもの

忘れられがちなのが、自分の時間です。記事を書く時間、調べる時間、設定する時間は費用として計上されませんが、確実に消費されます。

月に何時間使えるかを書き出しておくと、無理のない計画になります。時間が取れないのに費用だけかけると、更新されないサイトに毎月支払うことになります。

時間も費用の一部として見るなら、自分の作業時間に時給を掛けてみると、実際の投入量が見えます。これは判断のための計算であって、誰かに請求するものではありません。

9.記録を残す

この記録は、後から費用を見直すときに使います。何にいくら払っているか分からない状態だと、削る判断もできません。契約した時点で記録するのが、いちばん手間がかかりません。

10.途中で増えやすい費用

始めた後に増えやすい費用があります。あらかじめ知っておくと、突然の支出に驚かずに済みます。

一つは、訪問が増えたときのサーバーの費用です。契約しているプランに上限がある場合、上位のプランへの変更が必要になることがあります。これは順調に進んだ場合に起きる支出なので、悪い話ではありません。

もう一つは、作業を人に頼む費用です。記事の執筆、画像の作成、設定の作業など、自分でやると時間がかかる部分を外に出す場合です。時間を買う判断ですが、予算には含めておく必要があります。

三つ目は、有料ツールの更新です。買い切りだと思っていたものが年額だった、という行き違いが起きます。契約時に、買い切りか継続かを確認して記録してください。

11.最初に決める金額の目安

具体的な金額をここで示すことはしません。サービスによって幅がありますし、時期によって変わるためです。代わりに、決め方を示します。

まず、必須の項目だけで年間いくらかかるかを調べます。次に、その金額を無理なく払える期間を決めます。最後に、任意の項目は、困りごとが出てから買うと決めます。この三段階で決めれば、使いすぎることはありません。

費用が少ないことは、成果が出やすいことを意味しません。逆に、費用をかけたから成果が出るわけでもありません。費用の計画は、途中でやめずに済む状態を作るためのものです。

また、費用を抑えすぎて必要な確認を省くのも避けたいところです。更新価格を調べずに契約する、解約条件を読まずに申し込む。こうした省略は、後で金額以上の手間になります。

予算表は一度作れば、その後は数字を入れ替えるだけで使えます。最初の作成に時間を使っても、翌年以降の見直しが楽になります。作りながら、自分が何にお金を払うつもりなのかも整理されます。

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