記事を読み終えた読者が、そこで止まる。次に見るものがなく、ブラウザを閉じるか、検索結果に戻る。

内容が悪かったわけではありません。むしろ、疑問が解けたからこそ、読者はそこで完結します。

問題は、その後に何も用意されていないことです。読み終えた時点が終着点になっている記事を、ここでは出口のない記事と呼びます。

読み終えた読者には、次の疑問がある

一つの疑問が解けると、たいていは次の疑問が生まれます。

疑問の連鎖

  1. 仕組みが分かった → では、どれを選べばよいか
  2. 選び方が分かった → 具体的にどれが候補になるか
  3. 候補が分かった → 自分の条件で申し込めるか
  4. 条件が分かった → 手続きはどう進めるか

読み終えた時に選択肢が示されていなければ、疑問が残っていてもサイト内で進み方を見つけられません。

読者は次の疑問を持ったまま、別のサイトで答えを探すことになります。

「参考になれば幸いです」で終わる記事

記事の締めくくりに、次のような表現が使われることがあります。

いずれも、読者に次の行動を示していません。「選びましょう」と言われても、どこで選べばよいかが分からなければ動けません。

締めくくりの言葉と、次への案内は別のものです。

出口をつける、という作業

特別な工夫は要りません。次の疑問に答えるページへ案内するだけです。

出口を作る手順

  1. この記事を読み終えた読者が、次に何を知りたいかを想像する
  2. その疑問に答えるページが自サイトにあるか確認する
  3. あれば案内を置く
  4. なければ、そのページを作る

4番目が出てきた場合、それが次に作るべき記事です。思いつきで選ぶより、読者の動線から決まるほうが確実です。

案内の文章も、「詳しくはこちら」ではなく、進んだ先で何が分かるかを書きます。

想定例:出口を追加した場合

考え方を整理するための想定例です。実在する媒体の記録ではありません。

変更内容

  • 対象 訪問の多い解説記事5本
  • 追加した内容 次のページへの案内を各2箇所
  • 新規制作 なし
  • 比較ページへの到達 増加

新しい記事は一本も作っていません。既存の記事に案内を足しただけです。

それでも経路が変わるのは、もともと訪問があったからです。行き先を示すだけで、読者は進みます。

出口は一箇所ではない

記事の末尾だけに案内を置くと、最後まで読まなかった読者には届きません。

多くの読者は必要な情報を得た時点で離れます。そのタイミングが記事の中盤であれば、そこに案内がなければ届きません。

ただし、増やしすぎると本文が読みにくくなります。二、三箇所を目安にすると、負担になりにくくなります。

案内文の書き方で反応が変わる

同じ場所に案内を置いても、書き方によって進む人数は変わります。

案内文の違い

  • 「詳しくはこちら」 何があるか不明
  • 「関連記事はこちら」 読む理由が不明
  • 「費用と対応範囲を条件別に比較しています」 進む理由が伝わる

三つ目は、進んだ先で何が分かるかを示しています。読者は自分に必要かどうかを判断できます。

案内文を書き直すだけなら、記事の構成を変える必要はありません。既存記事に対して最も手軽にできる改善です。

出口を整えた後に確認すること

案内を追加したら、実際に読者が進んでいるかを見ます。

3番目が分かると、次の記事でどこに置くべきかが決まります。多くの場合、本文中盤のほうが末尾より反応します。

4番目は見落とされやすい点です。移動はしているのに先へ進まないなら、送り先のページに問題があります。案内の問題ではないため、そちらを直す必要があります。

すべての記事に出口が要るわけではない

ここまで読むと、全記事に案内を入れるべきだという主張に見えるかもしれません。そうではありません。

利用中の人向けのページや、トラブルの対処法など、購入とは関係のない記事もあります。これらは信頼を作る役割を持ちますが、無理に商品へ誘導すると不自然になります。

問題は「出口を意識せずに書くこと」であって、すべての記事に案内が必要ということではありません。

また、どこへ送るべきかは記事の性質によって変わります。購入から遠い記事なら、同じテーマの別の記事へ送るだけでも意味があります。複数ページを読んだ読者は、媒体そのものを覚えます。

その記事は、どこへつながっているか

いま公開している記事を数本開いて、末尾を読んでみてください。読み終えた読者が次に進む先が示されているでしょうか。

示されていないなら、まず訪問の多い記事から案内を足してみてください。新しい記事を作るより早く、経路が動き始めることがあります。

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