媒体を運営して収益が出ていると、それは資産からの収入だと感じます。ただ、内訳を分けてみると、そう言い切れない場合があります。
毎月一定の作業を続けなければ収益が止まるなら、その部分は労働に対する対価です。止めても続く部分だけが、資産としての収入にあたります。
ここでは、その線引きの考え方を整理します。
止めたら何が残るか
区別する方法は単純です。作業を止めたときに、何が残るかを見ます。
作業を三か月止めた場合
- 新規記事を作らなくても発生する収益
- 更新を止めると下がっていく収益
- 対応をやめると即座に止まる収益
運営者の継続的な作業が欠かせない部分は、収益の形をしていても実質は労働の対価です。
1番だけが資産に近い性質を持ちます。2番と3番は、続けているから発生している収入です。
どちらが良いという話ではない
労働型の収入が劣っているという意味ではありません。作業に対して報酬が出ることは、正常な状態です。
問題になるのは、労働型の収入を資産型だと考えて、将来の計画を立ててしまう場合です。
資産だと考えていれば、手を止めても続くと想定します。実際には止まるため、想定と結果がずれます。
想定例:内訳を分けた場合
考え方を示すための想定例です。実在の数値ではありません。
月10万円の収益を分けると
- 止めても発生する部分 2万円
- 更新を止めると下がる部分 5万円
- 対応をやめると止まる部分 3万円
この場合、資産としての収入は2万円です。残りは作業に対する対価として発生しています。
この内訳を知らないまま「月10万円の不労所得がある」と考えると、判断を誤ります。
労働の部分を減らす方向
内訳が分かれば、次に何をするかも決まります。
- 更新が必要な情報を、記事本文から切り離す
- 問い合わせが多い点を、記事内で先に説明する
- 手作業になっている工程を、手順化して人に渡す
- 短期的な流行に依存した記事の比重を下げる
いずれも、作業を止めたときに残る部分を増やす方向です。
時間あたりで見ると別の姿になる
もう一つの見方として、収益を作業時間で割る方法があります。
確認する項目
- 1か月の収益額
- その月に使った作業時間
- 時間あたりの金額
- その金額が、他の働き方と比べてどうか
時間あたりの金額が低いままなら、続けても労働の割合が高いままです。この数字が上がっていくかどうかが、資産に近づいているかの指標になります。
初期は労働の比重が高くて当然
始めたばかりの段階では、収益のほとんどが労働型になります。記事がなければ発生する収益はなく、作り続ける以外に増やす方法がないためです。
段階ごとの傾向
- 開始から数か月 ほぼ全部が労働型
- 記事が蓄積した段階 一部が資産型に
- 更新の仕組みが整った段階 資産型の比率が上がる
この推移をたどるのが通常の形です。最初から資産型を期待すると、実際の進み方と合いません。
比率が上がらない場合の原因
続けても資産型の割合が増えない場合、いくつかの原因が考えられます。
- 記事の内容が、短期の話題に寄っている
- 更新しないと成立しない情報を本文に入れている
- 作った記事が、継続的な流入につながっていない
- 新規制作に時間を使い、既存記事の改善が進んでいない
いずれも、作った記事が積み上がっていない状態です。本数が増えても、止めたときに残る部分は増えません。
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どのくらいの期間で判断できますか
作業量を意図的に落とした月を作り、その月の収益を見ると分かります。数か月分の推移があれば傾向がつかめます。
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労働型のままでも問題ありませんか
それを理解したうえで続けるなら問題ありません。誤解したまま将来の計画を立てる場合に問題が生じます。
完全に手が離れることは少ない
作業がゼロになる状態を目指すと、現実と合いません。紹介先の条件は変わりますし、情報も古くなります。
現実的な目標は、必要な作業量を下げることと、その作業を自分以外でも行える形にすることです。
手が完全に離れる状態と、負担が小さく他人に渡せる状態は別です。後者のほうが到達しやすく、実際の安定にもつながります。
この記事の範囲
ここで扱ったのは、収益の性質を分けて把握するための考え方です。税や会計上の区分の話ではなく、運営上の判断のための整理です。
また、どの程度の割合が望ましいかについても述べていません。適切な比率は、その媒体の分野や運営の目的によって変わります。
内訳を一度、分けてみる
今月の収益を、先の三分類に分けてみてください。止めても発生する部分がどれだけあるか。それが現時点で積み上がった資産の大きさです。
その割合が小さくても問題ではありません。割合を知らないまま計画を立てることが問題になります。
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