外注せずに自分で行えば、支出は発生しません。会計上の費用は確かに抑えられます。
ただ、その工程には時間がかかっています。時間を使わずに済んだわけではなく、現金の代わりに時間で払っている状態です。
この時間を数えないと、どの工程に無理があるのかが見えなくなります。
時間をゼロと数えると、判断できない
自分の作業を費用として扱わないと、比較ができません。
同じ工程の二つの選択
- 外注する 費用が発生する
- 自分で行う 時間が発生する
本人の時間を無料として扱うと、得意な企画へ使えた時間を単純作業へ費やす負担が見えなくなります。
どちらが有利かを判断するには、両方を同じ単位で比べる必要があります。
失われているのは、別の作業に使えた時間
時間の総量には上限があります。ある工程に使えば、他には使えません。
- 画像を作る時間で、比較設計ができたかもしれない
- 公開作業の時間で、市場を調べられたかもしれない
- 形式を整える時間で、読者の動きを確認できたかもしれない
これらは支出として記録されません。ただ、進まなかった工程として結果に現れます。
支出が増えないことと、損失が発生していないことは別です。
工程ごとに時間を測る
どこに時間が使われているかを把握すると、判断の材料になります。
測る手順
- 一本公開するまでの工程を書き出す
- それぞれに何時間かかったか記録する
- 数本分の平均を出す
- 判断を含む工程と、そうでない工程に分ける
4番目が分かれ目です。判断を含まない作業に多くの時間が使われているなら、外に出す候補になります。
逆に、判断の工程に時間がかかっているなら、それは本来自分が使うべき時間です。
想定例:時間を測ってみた場合
考え方を整理するための想定例です。実在する記録ではありません。
一本あたりの内訳
- 市場と論点の検討 1時間
- 調査と情報収集 2時間
- 執筆 3時間
- 画像作成と公開作業 2時間
判断を含むのは最初の1時間だけです。残りの7時間は、手順が決まっている作業です。
この配分だと、月に10本作ると80時間かかり、そのうち70時間が判断以外に使われています。
一部を外に出すという判断
すべてを外注する必要はありません。効果の大きい工程から検討します。
- 時間がかかっていて、判断を含まない工程はどれか
- それを外注するといくらか
- 浮いた時間で何ができるか
- その結果、いくらの成果が見込めるか
4番目まで計算すると、投資の判断が数字になります。感覚で「まだ早い」と決めずに済みます。
回収の見込みが立たないなら、その段階では自分で行う判断が正しくなります。
時間を減らす、外注以外の方法
費用をかけずに作業時間を圧縮する方法もあります。仕組みを整えるだけで短縮できる部分があります。
工程を短くする工夫
- 記事の構成に型を作る(毎回ゼロから考えない)
- 公開前の確認項目を四つに固定する
- 画像や表の形式を統一しておく
- 調べた情報は一箇所にまとめ、再利用する
4番目の効果が大きい部分です。同じことを何度も調べ直している場合、その時間はまとめて削減できます。
1番目も繰り返し効いてきます。型があれば、構成を考える時間が毎回発生しません。外注する前に、まずここを整えるだけでも配分が変わります。
換算した金額の扱い方
時間を金額に置き換えるとき、混同しやすい点があります。
- 換算した金額は、判断のための試算である
- 実際の支払いとは別のものとして扱う
- 会計上の経費にはならない
- 資金繰りの計算には含めない
この区別をしないと、資金の見通しを誤ります。時間の換算は、外注するかどうかを比べるための計算であって、手元のお金とは関係ありません。
比較のための数字と、実際に動く金額。この二つを分けて扱えば、換算は判断の道具として機能します。混同すると、実態より余裕があるように見えてしまいます。
自分で行うこと自体が非効率なわけではない
ここまで読むと、外注を進めるべきだという主張に見えるかもしれません。そうではありません。
立ち上げ期に自分で一通り経験しておくと、任せた仕事の良し悪しを判断できるようになります。工程を理解していなければ、指示も確認もできません。最初に自分で行う意味は確実にあります。
問題は「時間を費用として数えないこと」であって、自分で作業すること自体ではありません。
また、外注できる範囲は資金の状況によって変わります。予算がなければ時間で補うしかありませんし、時間が取れないなら費用で補うことになります。二つの資源のうち、どちらに余裕があるかで配分が決まります。
先週、何に何時間使ったか
直近の一週間について、工程ごとに使った時間を書き出してみてください。
判断以外の作業が大半を占めているなら、そこに改善の余地があります。すぐに外注しなくても、時間の使い道が見えるだけで、次の判断が変わります。
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