専門用語を全部避ける必要はありません。必要なのは、初めて出てくる語に、定義と具体例と必要な例外を添えることです。用語を消すより、読者がその場で理解できる状態にするほうが、後の説明が楽になります。

この記事では、言い換えの手順と練習を扱います。用語の一覧を作る記事ではありません。ここでは、説明の中で用語をどう扱うかだけを扱います。

1.なぜ伝わらないのか

書き手にとっては当たり前の語でも、読者は初めて見ることがあります。意味が分からない語が一つあると、その後の文章も理解できなくなります。

厄介なのは、書き手が「当たり前」だと思っている語ほど、説明を忘れることです。調べた直後は意識できますが、慣れると気づかなくなります。

対策としては、書き終えた後に、用語を拾い出す作業を入れます。

2.三つの要素で説明する

要素書くこと
定義その語が何を指すかリンク経由の購入が記録される期間
具体例具体的な場面記事のリンクを押してから30日以内の購入が対象、など
例外当てはまらない場合案件によって期間が違う。端末が変わると対象外のことがある

三つを順に書くと、読者はその場で理解できます。定義だけだと抽象的で、具体例だけだと一般化できません。

3.書き換えの練習その1

前:「クッキーの有効期間内であれば成果が計上されます。」

後:「リンクを押すと、読者の端末に記録が残ります。この記録が残っている間に購入されれば、紹介した成果として計上されます。残る期間は案件ごとに決まっていて、数時間のものから一か月を超えるものまであります。読者が記録を消した場合や、別の端末で購入した場合は対象外になることがあります。」

用語を使わずに、仕組みを説明しました。長くはなりますが、初めての読者にも伝わります。

4.書き換えの練習その2

前:「インデックスされないとSERPsに表示されません。」

後:「検索エンジンがページを登録していない状態では、検索結果に出てきません。登録されているかどうかは、専用の道具で確認できます。」

二つの用語を、それぞれ日常の言葉に置き換えました。意味は変わっていません。

5.書き換えの練習その3

前:「CVRを改善するにはLPOが有効です。」

後:「訪れた人のうち、申し込みまで進んだ人の割合を上げたい場合、申込のページそのものを見直す方法があります。ただし、そのページが自分で編集できるものかを先に確認してください。広告主のページは変更できません。」

用語を置き換えるだけでなく、例外も足しました。元の文では、自分で変更できないページについて触れていません。

6.用語を残す場合

すべての用語を置き換える必要はありません。読者が今後も使う語なら、覚えてもらうほうが親切です。

残す場合は、初めて出てきたときに説明を添えます。「この記録の期間(クッキー有効期間と呼ばれます)」のように、かっこで示す方法があります。

二回目以降は、説明を省いて構いません。同じ記事の中で何度も説明すると、くどくなります。

7.置き換えにくい語

業界で定着している語の中には、日常の言葉に置き換えにくいものがあります。置き換えると、かえって不正確になる場合もあります。

この場合、無理に置き換えず、説明を添えて使います。読者が別の場所でその語に出会ったとき、理解できるようになります。

判断の基準は、読者がその語を今後使うかどうかです。使うなら残し、この記事だけで済むなら置き換えます。

8.カタカナ語の扱い

カタカナの語は、意味が曖昧になりやすい部分です。同じ語でも、人によって指す範囲が違うことがあります。

使う場合は、この記事での意味を示します。「ここでは〜という意味で使います」と書けば、解釈のずれを防げます。

また、日本語で言える場合は日本語にします。カタカナが多いと、読む速度が落ちます。

9.略語の扱い

略語は、初めて出てきたときに元の言葉を示します。以降は略語だけで構いません。

ただし、記事が長い場合、読者は最初の説明を忘れます。重要な略語は、途中で一度説明を挟む方法もあります。

略語を多用すると、文章が暗号のようになります。数を絞ってください。

10.用語を拾い出す作業

書き終えた後の確認手順

  1. 本文を通して読み、専門的な語に印を付ける。
  2. 印を付けた語について、初出の場所を確認する。
  3. 初出の場所に、定義と具体例があるかを見る。
  4. なければ足す。または、日常の言葉に置き換える。
  5. 置き換えた場合、他の場所でも同じ語を使っていないか確認する。
  6. 同じ語の表記が揺れていないかも見る。

この作業は10分程度で終わります。公開前に一度通しておくと、読者からの「意味が分からない」という指摘が減ります。

11.他人に読んでもらう

自分では分かりやすいと思っていても、伝わっていないことがあります。その分野を知らない人に読んでもらうのが確実です。

聞くのは「分かりやすいか」ではなく、「意味が分からなかった語はあるか」です。具体的に聞けば、具体的に答えてもらえます。

分からない用語を人に聞くときの方法は、アフィリエイトの相談で専門用語が分からないときの質問の仕方で詳しく解説しています。

12.説明が長くなる場合

用語の説明を全部本文に入れると、本文が長くなります。基礎的な用語は、別の記事で説明して案内する方法もあります。

ただし、案内だけだと、読者は移動しなければなりません。一行で済む説明は本文に入れ、詳しい説明が必要なものだけ案内します。

長くなった文章の直し方は、ブログの文章が長くなりすぎるときは?説明を削らず読みやすく直す方法で詳しく解説しています。

13.タイトルでの扱い

タイトルに専門用語を使うと、その語を知らない読者には伝わりません。一方、知っている読者には正確に伝わります。

初めての人向けの記事なら、平易な言葉にします。既に運営している人向けなら、用語のほうが正確です。

タイトルの付け方については、ブログのタイトルの付け方|内容とずれない見出しを作る練習で詳しく解説しています。

14.正確さを落とさない

言い換えるとき、意味が変わらないように注意します。分かりやすくするために単純化すると、不正確になることがあります。

例えば、条件付きの用語を無条件の説明に置き換えると、読者を誤らせます。条件も一緒に言い換えてください。

判断に迷ったら、用語を残して説明を添える形にします。不正確な言い換えより安全です。

15.自分が理解しているか

言い換えられない語は、自分が理解していない可能性があります。説明できない語は、使わないほうが無難です。

調べ直して、自分の言葉で説明できる状態にしてから書きます。理解していれば、言い換えは自然にできます。

16.表記を統一する

同じ語を、記事の中で違う表記にしないでください。漢字とひらがな、カタカナと英字が混ざると、別のものだと思われます。

使う表記を決めて、記事全体で統一します。複数の記事にまたがる場合、サイト全体で決めておくと読みやすくなります。

17.確認すること

六つを確認すれば、初めての読者にも伝わる状態になります。

18.言い換えた用語を記事間でそろえる

同じ用語を複数の記事で説明する場合、説明の文言がばらつくと、読者はどれが正しいのか迷います。

用語サイトで統一する説明(例)使っている記事
確定広告主が成果として認め、支払いの対象になった状態報酬・入金の記事
ドメインサイトの住所にあたる契約開設・契約の記事
広告素材ASPが提供する、掲載用のリンクや画像広告の記事

この表を一つ持っておき、新しい記事を書くたびに参照します。説明を変える場合は、表を先に直してから各記事に反映します。

19.まとめ

用語を全部避ける必要はありません。定義、具体例、例外の三つを添えれば、使っても伝わります。

書き終えた後に、用語を拾い出す作業を入れてください。10分の作業で、読者が離脱する原因を一つ減らせます。

言い換えるときは、正確さを落とさないよう注意します。単純化しすぎると、条件が抜けて誤った説明になります。

分かりやすさと正確さは、両立できます。長くなることを恐れずに、必要な説明を添えてください。

なお、専門用語を避けると文章が長くなります。長くなること自体は問題ではありませんが、説明が本文の流れを止めないよう、置く位置を工夫します。

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