名前は後から変えられますが、変えると説明のやり直しが発生します。選ぶ基準は、読者が覚えられること、口頭で伝えられること、そして何を扱うサイトか見当がつくことの三つです。語感の良さだけで決めると、後の場面で使いにくくなります。

この記事では、候補を並べて比べる手順を扱います。名前が法的に問題ないかを判断するものではありませんし、特定の名前が検索で有利になることを示すものでもありません。商標などの権利関係は、必要に応じて専門家へ相談してください。

1.名前が使われる場面を先に並べる

どんな名前がよいかは、どこで使うかによって決まります。まず、使う場面を書き出します。

この六つのうち、見落とされやすいのが口頭で伝える場面です。文字で見れば分かる名前でも、声に出すと通じないことがあります。

2.四つの観点で比べる

候補が複数あるとき、感覚で選ぶと後から迷います。次の四つの観点で並べると、比較しやすくなります。

観点確認すること問題がある例
発音声に出して伝わるか同音の別語がある。読み方が複数ある
意味何を扱うか見当がつくか抽象的すぎて分野が分からない
表記入力しやすいか記号が多い。大文字小文字が紛らわしい
混同既存の名称と紛らわしくないか有名なサービス名に似ている

四つとも満点の名前はなかなかありません。優先するのは、四つ目の混同です。ここに問題があると、後で変更を求められる可能性が残ります。

3.読み上げ検査をする

候補を声に出して、相手に書き取ってもらう検査が有効です。自分では分かりきっている名前でも、初めて聞く人には違って聞こえます。

読み上げ検査の手順

  1. 候補名を声に出して読む。ゆっくりではなく、普通の速さで。
  2. 聞いた人に、そのまま書いてもらう。
  3. 書かれたものと、意図した表記を比べる。
  4. 違っていたら、どこで間違えたかを記録する。
  5. 間違えられやすい箇所があれば、候補から外すか表記を変える。

検査してくれる人がいない場合、時間を置いてから自分で試す方法もあります。数日後に、メモを見ずに正確に書けるかを確かめます。自分が書けない名前を、読者が覚えられるとは考えにくくなります。

4.意味が伝わるかを確かめる

名前を聞いただけで扱う分野が分かる必要はありません。ただし、まったく見当がつかない名前だと、説明を毎回添えることになります。

分野を示す語を入れる方法もあります。例えば分野名や用途を含めると、検索結果に並んだときに内容が推測できます。一方で、後から扱う範囲を広げたくなったとき、名前が制約になることもあります。

どちらを選ぶかは、扱う範囲を固定するつもりかどうかで決めます。一つの分野に絞ると決めているなら分野名を入れる、複数に広げる可能性があるなら入れない、という判断です。

5.表記の揺れを減らす

同じ名前でも、書き方が複数あると紹介されにくくなります。漢字かひらがなか、英字を大文字にするか、間に記号を入れるか。決めたら統一します。

迷いやすい点決め方
英字の大文字小文字一つに決め、すべての場所で統一する
区切り記号なるべく使わない。使うなら一種類だけ
数字読み方が複数ある数字は避けるか、表記を固定する
長音記号入れるか入れないかを決める
スペース入れる場合、詰めた表記も併記するか決める

決めた表記は、メモに残します。後から書くとき、自分でも揺れることがあります。プロフィール、SNS、問い合わせの署名など、すべて同じ表記に揃えてください。

6.既存の名称との混同を確認する

候補が決まったら、検索して確認します。同名または類似の名前で、既に活動しているサイトやサービスがないかを見ます。

完全に一致していなくても、紛らわしい場合は避けます。読者が別のサイトと勘違いする可能性がありますし、相手から連絡が来ることもあります。

特に、広く知られているサービス名に似た名前は避けてください。権利の問題になる可能性があり、判断は自分ではできません。心配がある場合は、候補を変えるほうが早く済みます。

7.URLとの関係

サイト名とURLは別のものですが、揃えておくと覚えやすくなります。名前を決めたら、それに対応するドメインが取得できるかを確認します。

希望のドメインが取得できない場合、名前を変えるか、別の形にするかを選びます。名前とURLがまったく無関係でも運営はできますが、口頭で伝えるときに二つ覚えてもらうことになります。

ドメインとサイト名の関係については、ブログの独自ドメインとは?サイト名・URL・サーバーとの関係を解説で詳しく解説しています。

8.長さを決める

長い名前は、正確に覚えられにくくなります。一方、短すぎる名前は、既に使われている可能性が高くなります。

目安として、口頭で一息に言える長さに収めると扱いやすくなります。文字にしたときも、検索結果の表示で切れない長さが望ましい形です。

長い名前を使う場合、短縮形を決めておく方法もあります。ただし、短縮形が別のものと混同されないかも確認が必要です。

9.候補を三つに絞る

ここまでの観点で、候補を三つまで絞ります。三つ以上あると決められなくなり、二つだと比較が甘くなります。

候補を絞る作業の例(架空の手順)

  • 思いついた名前を10個ほど書き出す。
  • 既存の名称と紛らわしいものを外す。
  • 読み上げ検査で書き取れなかったものを外す。
  • 扱う分野の見当がまったくつかないものを外す。
  • 残ったものから三つを選び、四つの観点で比較表を作る。

比較表を作ったら、一日置いてから見直します。決めた直後は良く見えても、時間を置くと違和感に気づくことがあります。

10.決めた後の作業

この五つを済ませておくと、後から整理する手間が減ります。特に一つ目は、複数の場所で使い始めてから直すと作業が増えます。

11.変えたくなった場合

運営していると、扱う範囲が変わって名前が合わなくなることがあります。変えること自体はできますが、影響を確認してから決めます。

影響が出るのは、既に紹介されているリンク、登録済みの媒体情報、読者の記憶です。URLを変えなければ、影響は限定的です。URLも変える場合は、それまでの評価が引き継がれない可能性があります。

変えると決めたら、告知して、しばらく旧名も併記します。急に変えると、以前から読んでいる人が別のサイトだと思うことがあります。

12.時間をかけすぎない

名前を決められずに、開設が数週間遅れることがあります。名前は重要ですが、記事の中身ほどではありません。三つの候補から選べないなら、四つの観点で点数を付けて、高いものを選んでください。

完璧な名前を探すより、問題のない名前で始めるほうが前に進みます。混同がなく、口頭で伝えられ、表記が揺れない。この三つを満たしていれば、十分に使えます。

名前が読者の判断に与える影響は、記事の中身に比べれば小さいものです。良い名前だから読まれるということはありませんし、平凡な名前だから読まれないということもありません。読まれるかどうかは、その名前の下にどんな記事が並んでいるかで決まります。

ただし、混同だけは別です。既存の名称に似ていると、読者が別のサイトと取り違えるだけでなく、相手方から連絡が来る可能性もあります。ここだけは時間をかけて確認し、少しでも紛らわしければ候補から外してください。

決めた後は、名前について考える時間を終わりにします。運営していると、もっと良い名前を思いつくことがありますが、変えるたびに説明のやり直しが発生します。決めた名前で続けるほうが、読者にとっても分かりやすくなります。

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