どちらも記事を書く点は同じですが、売るものが違います。他社商品の紹介では商品の用意もサポートも広告主が担い、自分のコンテンツ販売では制作から購入後の対応まで自分の担当になります。この違いが、必要な準備と負担を分けます。
この記事では、二つの形を比較します。どちらが収益性が高いかを断定したり、情報商材の作り方を説明したりするものではありません。始める段階で、何を引き受けることになるかを整理します。
1.担当する範囲が違う
| 工程 | 他社商品の紹介 | 自分のコンテンツ販売 |
|---|---|---|
| 商品の企画 | 広告主 | 自分 |
| 商品の制作 | 広告主 | 自分 |
| 価格の決定 | 広告主 | 自分 |
| 紹介・説明 | 自分 | 自分 |
| 決済の仕組み | 広告主 | 自分または販売サービス |
| 購入後のサポート | 広告主 | 自分 |
| 返金の対応 | 広告主 | 自分 |
| 収益 | 成果に応じた広告費 | 販売価格から手数料を引いた額 |
表の右列は、ほとんどが自分の担当です。収益の割合は大きくなりますが、引き受ける仕事も増えます。左列では、記事を書くこと以外はほぼ担当しません。
2.収益の出方
他社商品の紹介では、一件あたりの報酬が決まっています。売れた数に応じて収入が決まりますが、一件あたりを自分で上げることはできません。
自分のコンテンツ販売では、価格を自分で決められます。手数料を引いた額がそのまま収入になるため、一件あたりの金額は大きくなりやすい形です。
ただし、価格を上げれば売れる数は減ります。また、価格に見合う内容を用意する必要があります。金額を自由に決められることは、有利さを意味しません。
3.用意するものの違い
他社商品を紹介する場合、用意するのは記事だけです。商品は既に存在しているので、その条件を調べて整理します。
自分のコンテンツを売る場合、商品そのものを作ります。何を教えるのか、どこまで含めるのか、どういう形式にするのか。これらを全部決めてから、制作に入ります。
制作にかかる時間は、記事一本とは桁が違います。内容によりますが、数十時間かかることも珍しくありません。その間、収入はありません。
4.購入後に発生する仕事
見落とされやすいのが、売った後です。他社商品なら、使い方の質問も返金の相談も販売元が受けます。自分は関与しません。
自分のコンテンツでは、購入者からの質問に自分が答えます。内容に誤りがあれば訂正し、購入者に知らせる必要があります。返金を求められた場合の対応も決めておかなければなりません。
購入者が増えるほど、この対応の時間も増えます。制作は一度で済みますが、対応は続きます。
5.信頼の前提が違う
他社商品を紹介する場合、読者が判断するのは商品そのものです。書き手を知らなくても、商品の条件が分かれば決められます。
自分のコンテンツを売る場合、読者は書き手を評価します。この人の説明にお金を払う価値があるか、という判断です。開設したばかりのサイトでは、この判断材料がありません。
したがって、自分のコンテンツ販売は、無料で公開した内容が評価されてから成立しやすくなります。順序として、後になるのが自然です。
6.始める順序
一般的に進めやすい順序
- 無料の記事を書き、読者の疑問に答える。
- 他社商品を紹介し、条件を整理する記事を作る。
- 読者からの反応や質問から、需要のある領域を知る。
- その領域で、無料記事では扱いきれない内容を整理する。
- 有料で提供する形を検討する。
この順序なら、作るものが読者の需要に基づきます。逆に、最初から有料コンテンツを作ると、需要があるか分からないまま制作時間を使うことになります。
7.無料と有料の線引き
両方を扱う場合、どこまでを無料にするかが問題になります。判断に必要な情報を有料側に置くと、読者は不信感を持ちます。
基本的な考え方は、判断に必要な情報は無料、実行を助ける道具や個別の支援は有料、という分け方です。知る権利を人質にする形にしないことです。
また、有料コンテンツを売るために無料記事の内容を薄くすると、無料記事が読まれなくなります。入口が細れば、有料側にも人は来ません。
8.費用と手数料
他社商品の紹介では、サイトの費用以外はかかりません。報酬から手数料が引かれることはありますが、条件は窓口が定めています。
自分のコンテンツ販売では、決済の仕組みが必要です。販売サービスを使う場合、手数料が引かれます。自分で決済を用意する場合、その設定と管理が発生します。
手数料の割合はサービスによって違います。売る前に確認し、手取りがいくらになるかを計算しておきます。
記事投稿サービスで販売する場合の確認事項は、noteでアフィリエイトを始めたい人へ|有料記事販売との違いと確認事項で詳しく解説しています。
9.内容の責任
他社商品について書く場合も、書いた内容の責任はあります。ただし、商品そのものの品質については、販売元が責任を持ちます。
自分のコンテンツでは、内容の品質も自分の責任です。誤りがあれば、購入者に不利益が生じます。公開前の確認が、無料記事より重くなります。
特に、確実な結果を約束するような書き方は避けなければなりません。学べば必ず成果が出る、といった表現は、根拠を示せません。
10.在庫という概念
どちらの形にも在庫はありません。物を仕入れる必要がないという点では共通しています。
ただし、自分のコンテンツには制作の初期投資があります。売れなければ、制作にかけた時間が回収できません。在庫の代わりに、時間が投資されています。
物を仕入れて売る場合との比較は、アフィリエイトとネットショップの違い|在庫・接客・利益の出方で比較で詳しく解説しています。
11.どちらも扱う場合
両方を扱うことは可能です。無料記事で集め、他社商品を紹介し、さらに自分のコンテンツも用意する、という形です。
ただし、時間の配分に注意が要ります。コンテンツの制作に時間を取られて、記事の更新が止まると、入口が細ります。
また、読者から見て、どちらの立場で書いているかが分かる状態にしておきます。自分の商品と競合する他社商品を比較する場合、書き方に配慮が必要です。
12.判断するための質問
- 数十時間かけて制作し、売れなかった場合に受け入れられるか。
- 購入者からの質問に、継続して対応できるか。
- 返金を求められた場合の方針を決められるか。
- 無料で公開している内容が、既に評価されているか。
- 価格に見合う内容を用意できると、自分で説明できるか。
五つのうち、四つ目が実質的な判断基準になります。無料の記事が読まれていない段階で有料のものを作っても、買う人がいません。
13.初心者が最初に選ぶなら
始めたばかりなら、他社商品の紹介から入るほうが無理がありません。商品が既にあり、条件も公開されているので、調べて整理すれば記事になります。
制作の負担がないぶん、記事を書く作業に集中できます。書く手順が固まり、読者の反応も見えてから、次を考えれば足ります。
14.価格の決め方が難しい
自分のコンテンツを売る場合、価格を決める作業が発生します。これは想像以上に難しい判断です。
安くすれば買われやすくなりますが、対応の手間は同じです。購入者が増えるほど、質問への対応時間が増えます。高くすれば手取りは増えますが、期待も高まります。
判断の材料としては、制作にかけた時間、購入者が得られるもの、同種のものの相場があります。ただし、相場をそのまま採用すると、内容が見合わない場合があります。
他社商品を紹介する場合、この判断は発生しません。価格は広告主が決め、自分は条件を説明するだけです。判断の負担が一つ少ない形です。
15.どちらにも共通すること
どちらの形でも、読者の疑問に答えることが出発点です。売るものが違うだけで、必要な情報を整理して渡すという作業は変わりません。
また、確認していないことを書かない、条件を明示する、誇張しないという原則も同じです。形式を変えても、書き方の基本は変わりません。
どちらを選ぶかで迷っているなら、今の自分に時間があるかで決めてください。制作にまとまった時間を割けないなら、他社商品の紹介から入るほうが手が止まりません。時間ができてから、作る側に回ることもできます。
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