キーワード選定でまず見るのが検索数、という進め方は一般的です。数字として明確で、比較もしやすい指標だからです。
ただ、この数字が示しているのは需要の量だけです。制作にどれだけかかるかも、収益にどれだけ近いかも、この数字からは読み取れません。
判断に必要な情報のうち、検索数が担っているのは一部にすぎません。
検索数が示さない三つのこと
同じ検索数でも、次の三点はまったく違うことがあります。
検索数からは分からない要素
- 上位を取るまでの難度 競合次第
- 収益までの距離 読者の段階次第
- 紹介できる商品の有無 市場次第
需要の量だけでは、制作の難度も利益への距離も分かりません。三つのうち一つでも欠けると、上位を取っても成果は発生しません。
四つの軸で見ると、判断が変わる
検索数に加えて、少なくとも次の三つを並べて見ると、選ぶべき言葉が変わります。
選定に使う四つの軸
- 検索数:どれだけの人が探しているか
- 競合強度:いま上位にいるのはどんなページか
- 成約距離:その読者は購入までどの段階にいるか
- 商品の有無:紹介できる商品が複数あるか
検索数が小さくても、競合が弱く、成約に近く、商品が揃っている言葉は有望です。逆に検索数が大きくても、他の三つが揃わなければ成果は出にくくなります。
この四つはいずれも、実際に検索して確認できます。特別な道具は要りません。
競合強度は、上位のページを見れば分かる
数値化しなくても、並んでいるページを見れば見当がつきます。
- 公式サイトや大手比較サービスが占めているか
- 個人や小規模のサイトが混ざっているか
- 上位のページが最近更新されているか
- 扱われていない条件や視点が残っているか
4番目が最も重要です。上位が揃っていても、特定の条件について答えていなければ、そこに入る余地があります。
逆に、上位のページがすべての条件を丁寧に扱っているなら、同じ土俵で勝つのは簡単ではありません。
成約距離は、言葉の形に表れる
読者がどの段階にいるかは、検索している言葉からある程度推測できます。
段階の目安
- 「とは」「意味」:知る段階、購入は先
- 「選び方」「基準」:検討の入口
- 「比較」「おすすめ」「違い」:検討中
- 「申込」「条件」「口コミ」:直前
3と4に近いほど、少ない訪問でも成果につながります。1に集中していると、訪問は増えても収益は伸びにくくなります。
同じ100人でも、どの段階の100人かで結果は変わります。
想定例:検索数で選んだ場合と、四軸で選んだ場合
考え方を整理するための想定例です。実在する媒体の記録ではありません。
検索数だけで選んだ言葉
- 検索数 多い
- 競合 大手が占有
- 成約距離 遠い
- 結果 上位に届かない
四軸で選んだ言葉
- 検索数 少ない
- 競合 個人サイト中心
- 成約距離 近い
- 結果 上位を取り、成果が発生
検索数だけを比べれば前者が魅力的に見えます。しかし、事業として成立するのは後者です。
候補を一覧で比べる形にする
四つの軸を頭の中で比べようとすると、結局は検索数の大小に引きずられます。書き出して並べると判断が変わります。
候補表に入れる項目
- キーワード
- 検索数(おおよその規模で十分)
- 上位の顔ぶれ(公式/大手/個人)
- 読者の段階(知る/選ぶ/決める)
- 紹介できる商品の数
- 着手の優先度
10件ほど並べると、優先すべき言葉がはっきりします。検索数が最大の候補が最優先にならないことも珍しくありません。
この表は一度作れば使い回せます。記事を公開して結果が出たら、その実績を追記していくと、次の選定の精度が上がります。
選定でつまずきやすい点
四つの軸で見ても、判断に迷う場面があります。よくある論点を整理します。
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検索数のデータがない言葉はどう扱いますか
数値が取得できない言葉でも、需要がないとは限りません。実際に検索して、関連する候補が表示されるか、上位に相応のページが存在するかを見れば、ある程度は判断できます。成約に近い言葉ほど、数値としては小さく出る傾向があります。
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競合が強くても狙うべき場合はありますか
成約距離が近く、紹介できる商品も揃っているなら、条件を絞った形で入る余地があります。正面から同じ内容で挑むのではなく、上位が扱っていない条件に限定すれば、競合強度は実質的に下がります。
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商品が1社しかない場合は避けるべきですか
避ける必要はありませんが、その1社に依存する構造になることは意識しておきます。条件が変わったり提供が終了したりすると、そのページの収益は失われます。同じ市場に他の選択肢が現れる見込みがあるかも合わせて確認しておくと安全です。
検索数を無視してよいわけではない
ここまで読むと、検索数を見る必要はないという主張に見えるかもしれません。そうではありません。
需要がまったくない言葉を狙えば、上位を取っても訪問は発生しません。目標とする収益から逆算したとき、必要な訪問数が確保できるかどうかを判断するには、この数字が要ります。
問題は「検索数だけで選ぶこと」であって、検索数を見ること自体ではありません。
また、どの軸を重く見るかは状況によって変わります。立ち上げ期は競合強度を優先し、記事が揃ってきたら検索数の大きい言葉へ広げる、という進め方もあります。段階に応じて重みを変えてください。
次の1本を、四つの軸で見てみる
いま候補にしている言葉について、四つの軸をそれぞれ確認できているでしょうか。
実際に検索して上位を見る。読者の段階を推測する。紹介できる商品があるかを調べる。この三つを足すだけで、選定の精度は変わります。数分の確認で、数週間分の制作を無駄にせずに済むこともあります。
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