記事は記事だ、と一括りに考えると、どの記事にも同じ作り方をすることになります。同じ構成、同じ長さ、同じ商品紹介。
しかし、人を集めるための記事と、商品を選んでもらうための記事では、必要な要素が違います。評価すべき数字も違います。
この二つを同じものとして扱うと、どちらの役割も中途半端になります。
求められる要素が違う
それぞれの記事に必要なものを並べると、重なりが少ないことが分かります。
集める記事に必要なもの
- 検索されている言葉 入口として
- 疑問への明快な回答 滞在してもらう
- 次のページへの案内 送り出す
売る記事に必要なもの
- 比較の基準 選ぶために
- 条件と向き不向き 絞るために
- 申込前の不安への回答 決めるために
知識を得る段階と商品を選ぶ段階では、必要な説明がまったく異なります。
評価する数字も別にする
役割が違えば、うまくいっているかを判断する基準も変わります。
それぞれの評価軸
- 集める記事:訪問数、次のページへ進んだ割合
- 売る記事:到達した人数、広告リンクが押された割合、成果件数
集める記事に成果件数を求めると、正しく評価できません。その記事の役割は送り出すことだからです。
逆に、売る記事に訪問数を求めるのも適切ではありません。到達する人数は入口側で決まるためです。
混ぜると、両方が弱くなる
一本の記事で両方を狙うと、構成に無理が出ます。
- 基礎の説明が長く、商品にたどり着くまでが遠い
- 商品の話が早すぎて、まだ検討していない読者が離れる
- どちらの読者にも過不足がある
- 検索でどの言葉に対応するかも曖昧になる
一本で二つの役割を担わせると、どちらの読者にも合わない構成になります。
分ければ、それぞれの読者に必要な内容だけを書けます。長さも適切になります。
想定例:分けた場合の構成
考え方を整理するための想定例です。実在する媒体の記録ではありません。
二本に分けた形
- 集める記事:仕組みや基礎を説明し、選び方のページへ案内
- 売る記事:比較の基準を示し、条件別に推奨し、申込へ案内
集める記事は、商品の話をほとんどしません。その代わり、疑問に明快に答えて、次へ送ります。
売る記事は、基礎の説明を省きます。すでに理解している読者が来る前提で、選ぶための情報に集中します。
どちらも短くなり、それぞれの読者にとって読みやすくなります。
役割を決めてから書く
記事を書き始める前に、どちらの役割かを決めておくと構成が固まります。
- この記事は、読者を集めるためか、選んでもらうためか
- 読み終えた読者は、次にどこへ進むのか
- この記事で評価する数字はどれか
- 商品の話をどこまで含めるか
4番目が最も分かれる部分です。集める記事では、商品名を出さずに次のページへ送る形もあります。
この判断を先にしておけば、書きながら迷うことがなくなります。
集める記事から、売る記事へ送る
役割を分けると、二つをつなぐ案内が必要になります。ここが弱いと、分けた意味がなくなります。
案内で伝えること
- 次のページに何が書いてあるか
- 読むとどんな判断ができるようになるか
- いま読むべきか、後でよいか
「詳しくはこちら」だけでは、進む理由が伝わりません。「費用と対応範囲を条件別に比較しています」と書けば、必要な読者だけが進みます。
案内は記事の末尾だけでなく、関連する説明の直後にも置きます。最後まで読まない読者にも届く位置に配置する必要があります。
既存の記事を分けるときの判断
すでに一本で両方を扱っている記事がある場合、分けるかどうかで迷います。
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上位を取れている記事も分けるべきですか
分けると、そのページの評価が変わる可能性があります。上位を維持しているなら、まず商品部分を別ページに切り出し、元の記事からは案内を置く形にします。元のページはそのまま入口として残せます。
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分けると内容が薄くなりませんか
薄くなる場合、そもそも一方の役割に十分な中身がなかったということです。売る記事として独立させられないなら、比較の基準や条件の説明が不足しています。分けようとすることで、足りない部分が見えます。
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どちらから作るべきですか
売る記事からです。集める記事を先に作っても、送る先がなければ読者は離脱します。先に受け皿を用意しておけば、入口を増やした分がそのまま経路を通ります。
一本で両方を担う場合もある
ここまで読むと、必ず分けるべきだという主張に見えるかもしれません。常にそうとは限りません。
読者がすでに商品を知っていて、比較だけを求めている場合は、一本で完結できます。検索されている言葉が「比較」や「おすすめ」であれば、集めることと売ることが同じページで成立します。
問題は「役割を決めずに書くこと」であって、一本で両方を担うこと自体ではありません。
また、分けるべきかどうかは検索されている言葉によって変わります。その言葉で来る読者がどの段階にいるかを確認すれば、判断できます。実際に検索して上位のページを見れば、どちらの形が求められているか分かります。
いまの記事は、どちらの役割か
公開している記事を数本開いて、それぞれがどちらの役割かを分類してみてください。
集める記事ばかりなら、売る記事が不足しています。逆に、売る記事しかないなら、そこへ人を送る入口が足りていません。分類するだけで、次に作るべきものが決まります。
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