記事の制作が追いつかない。だから書き手を増やす。人数が倍になれば、公開できる本数も倍になるはずです。

ところが、実際にはそうならないことがあります。納品は増えたのに、公開される本数が変わらない。

制作の速度を決めているのが、書き手の人数ではない場合があるためです。

公開までには、書く以外の工程がある

原稿が届いてから公開されるまでに、いくつかの作業が挟まります。

納品後の工程

  1. 内容を確認する
  2. 修正を依頼する、または自分で直す
  3. 事実関係を確かめる
  4. 導線と内部リンクを整える
  5. 公開して、関連ページから案内を置く

確認する側と入稿する側の能力が変わらなければ、原稿の待ち行列が伸びるだけです。

これらの工程を担っているのが一人なら、その人の処理量が全体の上限になります。

人数を増やすと、確認の負担も増える

書き手が増えると、確認すべき原稿も比例して増えます。

人数を倍にした場合

  • 納品 倍になる
  • 確認の作業量 倍になる
  • 確認する人 変わらない
  • 結果 未確認の原稿がたまる

さらに、書き手ごとに文体や構成の癖が違うため、統一する作業も増えます。人数が増えるほど、この調整に時間がかかります。

結果として、原稿は増えたのに公開が遅れるという状態になります。

詰まっている場所を先に測る

増員を決める前に、どこで止まっているかを確認します。

3番目が多いなら、書き手を増やしても状況は悪化します。まず、たまっている分を処理する体制が必要です。

2番目で時間がかかっている工程が特定できれば、そこを分担するほうが効果的です。

想定例:書き手を3人から6人にした場合

考え方を整理するための想定例です。実在する体制の記録ではありません。

増員後の状態

  • 月間の納品 15本 → 30本
  • 月間の公開 15本 → 17本
  • 未公開の在庫 増加
  • 費用 倍増

費用は倍になりましたが、公開はほとんど増えていません。増えた原稿が確認待ちで滞留しているためです。

この場合、次に必要なのは書き手ではなく、確認と入稿を担う人です。あるいは、確認の手順を簡略化する仕組みです。

確認の負担を下げる方法

人を増やす以外に、工程そのものを軽くする手もあります。

負担を下げる工夫

  1. 発注時の指示を詳しくして、修正の回数を減らす
  2. 確認する項目を四つ程度に絞る
  3. よくある修正を書き手に共有し、事前に防ぐ
  4. 導線の設置を、発注内容に含める

1番目が最も効きます。修正の往復が一回減るだけで、公開までの日数は大きく縮まります。

3番目は、同じ指摘が繰り返されている場合に有効です。指示に追加すれば、その修正は発生しなくなります。

分担するなら、確認の工程から

人を増やす場合でも、どの工程に入ってもらうかで効果が変わります。書き手より先に検討したい役割があります。

分担の候補

  1. 原稿の一次確認(誤りや抜けのチェック)
  2. 事実関係の裏取り
  3. 公開作業と内部リンクの設置
  4. 公開後の情報更新

1番目を分けると、自分は最終確認だけに集中できます。全文を読む作業が減るため、処理できる本数が上がります。

3番目と4番目は手順が決まっているため、任せやすい部分です。判断を含まない作業から分けていくと、体制を組みやすくなります。

体制を広げるときに迷いやすい点

人数と工程の組み合わせは、状況によって最適解が変わります。

増員が有効な場面もある

ここまで読むと、人を増やすべきでないという主張に見えるかもしれません。そうではありません。

確認と入稿の体制が整っていて、原稿の供給が足りない状態であれば、増員はそのまま公開本数の増加につながります。ボトルネックが制作側にあるなら、増やす判断は正しくなります。

問題は「詰まっている場所を確かめずに増やすこと」であって、増員そのものではありません。

また、どこが詰まるかは体制によって変わります。一人で運営している場合は確認が、複数人で分担している場合は情報共有が詰まりやすくなります。自分の体制で何が滞っているかを見て判断してください。

いま、何本が待っているか

納品済みで未公開の原稿が、いま何本あるでしょうか。

数本たまっているなら、供給ではなく処理が追いついていません。この状態で発注を増やすと、在庫が積み上がるだけです。まず処理の側を整えるほうが、同じ費用で結果が変わります。

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