サーバーを契約し、ドメインを取得し、WordPressを入れ、テーマを設定した。ここまで来ると、事業が動き出したように感じます。
実際、この作業には時間がかかります。調べることも多く、初めてなら数日から数週間かかることもあります。完了したときに達成感があるのは当然です。
ただ、ここで完成したのは「情報を置く場所」です。誰に何を届けるのか、何で収益を得るのかは、まだ何も決まっていません。開設と開始は別の工程です。
開設作業には、手順書が存在する
サイトの開設が進めやすいのには理由があります。答えが決まっているからです。
- サーバーの契約手順は決まっている
- ドメインの取得手順も決まっている
- WordPressの導入手順も調べれば出てくる
- テーマの設定にも正解に近いものがある
調べれば手順が見つかり、そのとおりに進めれば終わります。判断を求められる場面がほとんどありません。
一方、この後に控えている仕事には手順書がありません。どの市場を狙うのか、誰に向けるのか、何を紹介するのか。これらは自分で決めるしかなく、正解も一つではありません。開設が進むのは易しいからであって、事業が前に進んだからではありません。
「場所を用意した」と「届ける相手を決めた」の違い
店舗に置き換えると分かりやすくなります。物件を借り、内装を入れ、看板を出した。これは開店準備です。
しかし、何を売るのか、いくらで売るのか、どんな客層に来てほしいのかが決まっていなければ、開店したとは言えません。ドアを開けても、商品が並んでいない状態です。
開設は終わったが決まっていないこと
- 対象読者 未定
- 紹介する商品 未定
- 集客の入口 未定
- 収益が発生する仕組み 未定
顧客像も商品も未定なら、誰に何を届ける媒体なのかがまだ決まっていません。
この状態で記事を書き始めると、テーマが毎回変わります。書いた本人にとっては同じ興味の延長でも、訪れた読者から見れば、何のサイトなのか分からない集合体になります。
準備が長引くほど、判断は難しくなる
開設まわりの作業には、いくらでも追加できるという性質もあります。
- テーマをもう少し良いものに変える
- デザインの細部を調整する
- プラグインを比較して入れ替える
- ロゴを作り直す
- プロフィールを書き直す
どれも「やったほうがよさそう」に見えます。しかも作業自体は進むので、手応えもあります。
ただ、これらは読者がまだ一人も来ていない段階では、効果を確かめようがありません。誰も見ていないページの配色を調整しても、良し悪しを判断する材料が手に入らないからです。
公開して初めて分かることと、公開前に決めておくべきことは違います。この二つを分けておかないと、確かめられない作業に時間を使い続けることになります。
開設の次に決める、四つのこと
手順書がない工程だからこそ、決める順番を先に持っておくと迷いにくくなります。
記事を書き始める前に決める
- どんな状況の読者に向けるのか
- その読者が最後に何を選ぶのか(紹介する商品)
- その商品に、代わりとなる選択肢があるか
- 読者が最初に来るのはどのページか
この四つが決まると、書くべき記事は自然に絞られます。逆にここが空欄のまま記事を増やすと、後から並べ替えても媒体としてまとまりません。
すべてを完璧に決める必要はありません。仮でも構わないので、言葉にしておくことが重要です。仮説として置いておけば、公開後の反応を見て修正できます。何も決めていなければ、修正すべき対象すら分かりません。
公開前に決めることと、公開後にしか分からないこと
準備が長引く原因の多くは、この二つを分けていないことにあります。分けておけば、どこで手を止めて公開に進むかを判断できます。
- 公開前に決める:対象読者、紹介する商品、最初の入口ページ
- 公開前に決める:読者が申込へ進むまでの経路
- 公開後に分かる:どの記事が読まれるか
- 公開後に分かる:どこで読者が離れるか
- 公開後に分かる:どの説明が足りていないか
デザインの調整や記事の細かな表現は、後者に近い性質を持ちます。読者の反応を見てから直したほうが、判断の材料が揃います。逆に対象読者や商品を決めないまま公開すると、反応を見ても何を直せばよいのか分かりません。
想定例:一年間、準備を続けたサイト
考え方を整理するための想定例です。特定のサイトの事例ではありません。
よくある準備の進み方
- サーバーとドメインを契約する
- テーマを購入し、設定を整える
- ロゴとプロフィールを作る
- 使い方を学ぶために教材を読む
- もう少し整えてから公開しようと考える
この流れの各段階は、どれも間違っていません。ただし、この期間中に読者からの反応は一件も得られていません。何を直せばよいかという情報が、まったく増えていない状態です。
同じ時間を使うなら、対象読者と商品を仮で決め、記事を数本公開して反応を見たほうが、次に何をすべきかが具体的になります。準備の質は、公開してから上げることもできます。
開設が無意味だという話ではない
ここまで読むと、開設作業を軽視しているように見えるかもしれません。そうではありません。
公開できる場所がなければ何も始まらないのは事実です。表示速度、読みやすさ、スマートフォンでの見え方など、後から直すと手間がかかる部分もあります。最初に整えておく価値は確かにあります。
問題は「開設を完了と受け取ること」であって、開設作業そのものではありません。
また、必要な準備の量はテーマや体制によって変わります。扱う商品によっては、表示すべき情報や守るべき表現のルールを先に確認しておく必要もあります。他の人が省略した工程を、自分も省略してよいとは限りません。
事業が動き出す日は、契約日ではない
サーバーを契約した日ではなく、読者へ何を届けるか決めた日から事業は動き始めます。
今、自分のサイトについて「誰の、どんな判断を助けるサイトなのか」を一文で言えるでしょうか。言えるなら、次に作るべきページはもう決まっています。言えないなら、記事を増やす前にそこを決めるほうが早く進みます。
丸投げアフィリエイトでは、記事制作だけでなく、読者・商品・集客・導線をつなぐ収益設計を重視しています。作る工程は進んでいるのに収益への道筋が見えない場合は、現在の記事一覧と紹介したい商品を整理したうえで、全体設計から検討してみてください。