「まずは100記事書きましょう」。アフィリエイトを始めると、ほぼ必ず出会う助言です。
この言葉が広まった理由はよく分かります。初心者にとって、やるべきことが数字で示されるのは分かりやすい。迷う時間が減り、手が動くようになります。
ただし、100という数字は「目標」であって「根拠」ではありません。100本書けば収益が発生する仕組みがどこかにあるわけではなく、100本書く過程で何を学ぶかが本当の中身です。そこを飛ばして本数だけを追うと、100本目に何も残らないという結果になります。
100という数字は、何を測っているのか
記事数が示すのは生産量です。どれだけ手を動かしたかは正確に表します。しかし、事業として知りたいのは別のことです。
- そのテーマに需要があるか
- 競合に対して勝てる余地があるか
- 読者が申込まで進む導線があるか
- 紹介できる商品が十分にあるか
記事数は自分がどれだけ作業したかを示しますが、需要・競合・成約への距離は何ひとつ示しません。この4つはすべて、書く前に調べられることでもあります。
100本という目標が危険なのは、これらを確かめないまま走り出せてしまう点です。数字を追っている間は前に進んでいる実感があるため、確認を後回しにしていることに気付きにくくなります。
数を目標にすると、記事の役割が曖昧になる
本数を先に決めると、埋めるためのテーマ探しが始まります。
すると、こういう記事が並び始めます。
本数を埋めるために生まれやすい記事
- 「◯◯とは」 検索意図が同じ
- 「◯◯の意味」 検索意図が同じ
- 「◯◯を分かりやすく」 検索意図が同じ
- 「◯◯ 初心者向け」 検索意図が同じ
言葉は違いますが、読者が知りたい内容はほぼ同じです。4本作っても、答えている問いは1つしかありません。
さらに、似た記事が並ぶとサイト内で評価が分散します。どのページを主として扱えばよいのか、検索エンジンにも読者にも分かりにくくなります。本数は増えたのに、それぞれのページの役割は薄くなっていく状態です。
数字を達成するために似た内容を量産すると、1本あたりの目的が曖昧になります。
100本目を待たずに判断できることがある
「100本書かないと結果は分からない」と言われることがあります。しかし、100本すべてを公開しなくても確認できることは少なくありません。
10本の段階で見えること
- 検索結果に表示されているか
- 表示された時にクリックされているか
- 読んだ人が次のページへ進んでいるか
- 進んだ先で広告リンクが押されているか
10本のうち数本でも上位に近づけば、そのテーマで戦える可能性が見えてきます。逆に、10本すべてがまったく表示されないなら、100本に増やしても同じ結果になる可能性が高い。その場合に必要なのは追加ではなく、テーマ選定の見直しです。
100本目で気付くより、10本目で気付いたほうが、使える時間も費用も残っています。
「本数が必要な場面」も確かにある
ここまで読むと本数を否定しているように見えるかもしれませんが、そうではありません。
あるテーマ全体を扱うメディアを作る場合、一定の網羅性は必要になります。比較記事だけを置いても、読者はその比較の前提を理解できません。基礎知識、事例、注意点、料金、手続きの流れなど、複数のページが揃って初めて媒体として機能します。
問題は「本数を目的にすること」であって、結果として本数が増えること自体ではありません。
必要なのは順番です。何に答えるページが要るのかを先に決めれば、必要な本数は自然に決まります。その結果が80本になることも、150本になることもあります。最初に100と決めておく理由はありません。
本数の代わりに置く、4つの確認項目
目標を「本数」から「役割の充足」に変えると、進み方が具体的になります。
- 読者が最初に検索する疑問に答えるページがあるか
- 複数の選択肢を比較できるページがあるか
- 申込前の不安に答えるページがあるか
- それぞれの間に、読者が移動できる案内があるか
この4つが埋まっていない状態で本数だけを増やしても、読者は同じ場所で止まります。逆に4つが埋まっていれば、10本でも成約は発生し得ます。
また、成果が出るまでの期間や必要な本数は、テーマの競合状況、紹介する商品、制作体制によって変わります。他のサイトが100本で結果を出したという話は、その媒体の条件での結果であり、自分の条件にそのまま当てはまるとは限りません。
100本書いても反応がない時に確かめる三つの可能性
すでに本数を積み上げたのに反応がない場合、原因は一つとは限りません。少なくとも次の三つは切り分けて考える必要があります。
-
そもそも検索されていないテーマだった
読者が言葉にしない悩みを扱っている場合、記事をいくら増やしても検索からは訪問されません。この場合に必要なのは追加ではなく、同じ商品につながる別の入り口を探すことです。検索以外の集客も含めて設計し直す判断になります。
-
検索はされているが、競合が強すぎた
表示はされているのに順位が上がらないなら、同じ土俵で戦えていない可能性があります。対象を絞る、扱う条件を限定する、独自の比較軸を持ち込むなど、正面からぶつからない切り口を探すほうが現実的です。
-
読まれているが、次に進む先がなかった
アクセスはあるのに成果が出ない場合、不足しているのは記事ではなく導線です。読み終えた読者が比較や申込へ進めるようになっているかを確認します。この状態で本数を足しても、増えるのは行き止まりのページだけです。
この三つは対処がまったく違います。原因を特定せずに「とりあえずもう100本」と決めてしまうと、効かない作業を倍にすることになりかねません。
10本目の段階から、読者の動きを確かめる
100本目を待たず、10本目の段階から読者の動きを確かめる。これを前提にすると、記事制作は「積み上げ作業」から「検証作業」に変わります。
次の1本を書く前に、ここまでの数本が何を教えてくれたかを言葉にしてみてください。読まれた記事と読まれなかった記事の違い、次のページへ進んだ読者と離脱した読者の違い。その差が説明できるなら、11本目の企画はこれまでより確実になります。
丸投げアフィリエイトでは、記事制作だけでなく、読者・商品・集客・導線をつなぐ収益設計を重視しています。作る工程は進んでいるのに収益への道筋が見えない場合は、現在の記事一覧と紹介したい商品を整理したうえで、全体設計から検討してみてください。