アフィリエイトサイトは、広告を並べておく場所ではありません。読者が何かを決めようとして立ち止まった地点に置かれ、決めるために足りない情報を渡すのがこのページの仕事です。渡した結果として読者が販売元へ移動し、そこで購入すれば報酬になります。順番が逆になると、何を書けばよいか分からなくなります。

この記事では、読者が疑問を持ってから販売ページへ移動するまでを場面ごとにたどります。収益導線の設計方法や、集客用の記事と収益用の記事をどう分けるかといった運営の話は、別の記事の範囲です。ここでは一人の読者の動きだけを見ます。

1.読者は最初から買う気で来ていない

記事にたどり着く人の多くは、商品名を知りません。困りごとや疑問を言葉にして検索し、その言葉に合う記事を開きます。この時点では、買うかどうかも、何を買えばよいかも決まっていません。

ここを取り違えると、いきなり商品を勧める文章になります。読者から見ると、まだ聞いていないことに答えられている状態です。離脱する理由としては十分です。最初に必要なのは、読者が抱えている疑問に触れることです。

逆に、既に商品名で検索してきた読者もいます。この人は比較の段階にいるので、基礎の説明より、条件の違いや向き不向きが知りたい状態です。同じサイトでも、記事によって読者の段階が違います。

2.場面ごとに何が渡されるか

一人の読者が、疑問を持ってから販売ページで購入するまでを、七つの場面に分けてみます。各場面で、ページが渡すものが変わります。

場面読者の状態ページが渡すもの
1. 困りごとに気づく言葉にできていない何が問題なのかを言い当てる
2. 検索する言葉にしてみたその言葉に対応する説明がある
3. 読み始めるこれは自分の話かを確認中対象者と前提条件を明示する
4. 選択肢を知る方法が複数あると分かる選択肢を並べ、違いを示す
5. 絞り込む自分の条件に合うものを探す向く場合と向かない場合を書く
6. 確認する決める前の最後の不安価格や条件の確認先を案内する
7. 移動する販売ページを見に行くどこへ行けば何が分かるかを伝える

表の右の列を見ると、どの場面でも渡しているのは情報だけです。商品そのものでも、値引きでもありません。この七つが一つの記事に全部入ることもあれば、複数の記事に分かれることもあります。

3.最初の3行で決まること

読者が記事を開いて最初に判断するのは、「ここに自分の答えがありそうか」です。ここで違うと思われれば、以降の内容は読まれません。したがって、冒頭で疑問に触れ、この記事で何が分かるのかを示す必要があります。

よくある失敗は、業界全体の説明から始めることです。書き手にとっては順序立った導入でも、読者は自分の疑問が扱われるのか分からないまま読み進めることになります。結論を先に置き、条件や例外を後から足すほうが、離脱を減らせます。

また、冒頭で「この記事は誰向けか」を書いておくと、対象外の読者は早く離れます。これは損失ではありません。対象外の読者には、早い段階で別の記事や情報源を探してもらうほうが親切です。

4.販売ページとの役割分担

販売ページは、その商品を買ってもらうために作られています。仕様、価格、申込手順など、正確で最新の情報が置かれています。一方で、他の選択肢との比較や、向かない人への注意は、あまり書かれません。

記事の側は、この抜けている部分を担当します。複数の選択肢を並べる、条件によっては別の方法がよいと書く、確認しておくべき点を挙げる。これらは販売元には書きにくく、読者には必要な情報です。

逆に、価格や在庫のように変わりやすい情報を記事に書き込むと、すぐ古くなります。こうした情報は販売ページで確認してもらう形にしておくほうが、読者にとっても正確です。役割を分けておくと、記事の保守も楽になります。

5.移動してもらうときに伝えること

販売ページへの案内は、押させることが目的ではありません。読者が次に何を確認すべきかを伝えることが目的です。「詳しくはこちら」とだけ書かれたリンクは、先に何があるか分からないので、押す判断ができません。

案内文に入れる要素

  1. 移動先で何が分かるのか。価格なのか、申込条件なのか、在庫なのか。
  2. 今の時点で確認しておくとよい項目。読者が見落としやすい条件。
  3. 戻ってきて比較を続けてもよいこと。その場で決める必要はないと示す。

この三つが書かれていると、読者は目的を持って移動できます。目的を持って販売ページを見た人は、内容を読まずに離れる人より、判断まで進みやすくなります。

案内文の具体的な書き方は、アフィリエイト記事から販売ページへ案内する文章の作り方で詳しく解説しています。

6.読者が戻ってこないのは失敗ではない

記事を読んで、今回は買わないと決める読者もいます。これは記事が失敗したわけではありません。買わないという判断も、読者にとっては必要な結論です。向かない人に買わせないことは、記事の仕事のうちに入ります。

無理に購入へ寄せた文章は、短期的には成果が出ることがあります。しかし、条件を理解しないまま申し込んだ読者は解約や返品に至りやすく、成果も取り消されます。書き手の信用も残りません。

読者の判断が分かれる前提で書くほうが、結果として続けやすくなります。買う人、見送る人、別の方法を選ぶ人。それぞれに必要な情報が置いてあるページが、繰り返し読まれます。

7.サイト全体では、入口と出口が要る

一本の記事だけでは、七つの場面を全部は覆えません。基礎を知りたい人が読むページと、比較の段階にいる人が読むページでは、必要な内容が違うからです。複数のページで分担することになります。

このとき必要になるのが、ページ同士のつながりです。基礎を読んだ人が次に比較のページへ行けること、比較の途中で用語が分からなくなった人が説明のページへ戻れること。この行き来ができないと、読者はサイトの外へ出ていきます。

つながりの作り方は難しくありません。本文の中で、詳しく知りたくなりそうな場所に、該当するページへの案内を置くだけです。数を増やすことが目的ではないので、読者が本当に知りたくなる場所だけで足ります。

入口の数も同じ考え方です。読者が最初に来るページは一つとは限りません。どのページから入っても、サイト全体が何を扱っているのか分かるようにしておくと、他のページも読まれやすくなります。

8.広告の置き場所ではなく、判断の場所

ページの中に広告リンクを何本置くかを先に決める人がいます。しかし、読者から見れば、リンクの本数は関係ありません。必要な情報が揃っていて、次に行くべき場所が分かることが大切です。

リンクが多すぎると、どれを押せばよいか分からなくなります。少なすぎて、判断が済んだ読者が移動先を見つけられないのも困ります。判断が終わる場所に、移動先が置いてある。この状態が自然な形です。

置き場所を決めるには、自分で記事を読み返して、どこで読者が「では、どこで買えるのか」と思うかを探します。その位置が、案内を置く場所です。文字数や段落数で機械的に決めるものではありません。

9.一つのページが担当する範囲を決める

七つの場面を一つのページに詰め込むと、長いだけで焦点のない記事になります。実際には、ページごとに担当する場面を決めます。基礎を説明するページ、選択肢を比べるページ、申込前の確認をまとめるページ、といった分け方です。

この四つを決めてから書き始めると、書く内容が絞れます。最初の記事から完璧に分ける必要はありませんが、「このページは誰のどの段階のためか」だけは決めておいてください。

アフィリエイトサイトは、読者の判断を助ける場所です。広告の置き場所として設計すると、読者にとって読む理由のないページになります。読者の行動の側から組み立てるほうが、結果的に販売元へ移動してもらいやすくなります。

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