報酬が1万円入っても、手元に1万円残るわけではありません。売上は受け取った金額、利益は売上から運営にかかった費用を引いた残りで、この二つを分けて記録しないと実際の状況が分かりません。記録の形は簡単で構いません。
この記事では、売上と利益の違いと、簡単な収支台帳の作り方を扱います。税務上の所得計算や、何が経費として認められるかという判断は扱いません。その点は税務署や税理士に確認してください。
1.三つの数字を区別する
| 数字 | 意味 | 記録する時点 |
|---|---|---|
| 発生額 | 管理画面に表示された成果の合計 | 記録しない(参考のみ) |
| 売上 | 実際に入金された金額 | 入金された日 |
| 支出 | 運営のために払った金額 | 支払った日 |
| 残額 | 売上から支出を引いた額 | 月末に計算 |
一行目を記録しない理由は、取り消される可能性があるためです。発生した数字を売上として記録すると、後から却下されたときに帳尻が合わなくなります。
2.なぜ分けるのか
売上だけを見ていると、増えているように見えても実際には減っていることがあります。費用が増えていれば、手元に残る額は減ります。
逆に、売上が横ばいでも、費用を見直せば残額は増えます。どちらを改善すればよいかは、二つを分けて見ないと分かりません。
また、続けられるかどうかの判断にも使います。残額がずっとマイナスなら、いつまで続けられるかを計算する必要があります。
3.簡単な台帳の様式
表計算でも手帳でも構いません。月ごとに、次の項目を記録します。
- 月:記録する対象の月
- 入金:その月に振り込まれた金額。窓口ごとに分けて書く
- 支出:その月に払った金額。項目ごとに分けて書く
- 残額:入金から支出を引いた額
- 累計:これまでの残額の合計
最後の累計が重要です。単月では黒字でも、累計でマイナスが続いていることがあります。始めてからいくら使ったのかは、累計でしか分かりません。
4.入金の記録
入金は、実際に口座に入った日と金額を記録します。管理画面の表示ではなく、通帳や明細の数字を使います。
複数の窓口を使っている場合、窓口ごとに分けて記録します。どこからいくら入っているかが分かると、どの案件が効いているかも見えます。
振込手数料が引かれている場合、引かれた後の金額を入金として記録します。実際に増えた金額が売上です。
発生から入金までの流れについては、アフィリエイト報酬はいつ振り込まれる?発生から入金までの流れで詳しく解説しています。
5.支出の記録
支出は、項目ごとに分けます。毎月かかるもの、年に一度かかるもの、一度きりのものを区別すると、見直しやすくなります。
| 種類 | 例 | 記録の仕方 |
|---|---|---|
| 毎月 | サーバー代 | 毎月計上する |
| 毎年 | ドメイン更新 | 支払った月に計上する |
| 一度きり | 有料テーマ、機材 | 支払った月に計上する |
| 不定期 | 画像素材、外注費 | 発生した月に計上する |
年に一度の支出は、その月だけ残額が大きくマイナスになります。これは異常ではありません。月ごとの変動を見るときは、この点を考慮します。
6.平均で見る
月ごとの数字はばらつきます。年払いの費用がある月、成果がまとまって確定した月など、単月では判断しにくくなります。
そこで、年間の合計を12で割った平均も出しておきます。平均の入金と平均の支出を比べると、実際の状況が見えます。
ただし、始めて数か月では平均に意味がありません。データがたまるまでは、累計だけを見るほうが実態に合います。
7.未確定分をどう扱うか
管理画面には、発生したが確定していない金額が表示されます。これを台帳に入れるかどうかは、目的によります。
収支の記録としては入れません。実際に入っていない金額だからです。ただし、参考欄として別に記録しておくと、確定率の変化に気づけます。
別欄に記録する場合も、残額の計算には含めません。含めると、実際より良い数字が出て、判断を誤ります。
8.自分の時間を入れるか
自分が作業した時間は、支出には計上しません。実際に払ったお金ではないためです。
ただし、別に記録しておく価値はあります。月に何時間使って、残額がいくらだったか。この二つを並べると、時間あたりの結果が分かります。
この数字を、給料と比べて落ち込む必要はありません。始めた直後は、時間あたりで見るとかなり低くなります。判断材料として持っておく程度で構いません。
9.記録を続ける工夫
台帳が続かない原因は、記録が面倒だからです。項目を増やしすぎると、書くのが負担になります。
最初は、入金、支出、残額の三つだけで構いません。続けられるようになってから、項目を増やします。
また、記録する日を決めておきます。月末の決まった日に、その月の分をまとめて書く。習慣にすれば、忘れにくくなります。
10.領収書との関係
支出を記録するとき、その根拠となる領収書や明細も保管します。台帳の数字と、実際の支払いを後から照合できるようにします。
保管の方法は、紙でも画像でも構いません。どこに保管したかを台帳に書いておくと、探すときに楽になります。
領収書と契約情報の整理方法は、アフィリエイトに使うお金を記録するには?領収書と契約情報の整理方法で詳しく解説しています。
11.赤字が続く場合
始めた直後は、入金がゼロで支出だけがある状態が続きます。これは想定内です。
問題になるのは、いつまで続けるかを決めていない場合です。累計のマイナスが増え続けると、どこで判断すべきか分からなくなります。
あらかじめ、「累計でこの額まで」という上限を決めておきます。上限に達したら、続けるか見直すかを判断する。この形にすれば、際限なく続くことを防げます。
12.黒字になったとき
入金が支出を上回るようになっても、すぐに支出を増やさないでください。数か月続くかを確認してから判断します。
一度の入金が大きかっただけの場合があります。その月だけを見て有料ツールを増やすと、翌月から負担になります。
増やすなら、累計がプラスに転じてからが安全です。それまでに使った分を回収してから、次の投資を考えます。
13.数字を見る頻度
毎日見る必要はありません。むしろ、頻繁に見ると一時的な変動に反応してしまいます。
月に一度、台帳を更新するときに見れば十分です。その際、前月との比較と、累計の変化を確認します。
大きく変わった月があれば、理由を書き添えます。「この月は年払いのドメイン更新があった」といった記録が、後から見返すときに役立ちます。
14.確認する項目
- 入金は、実際に振り込まれた金額を記録している。
- 支出は、項目ごとに分けて記録している。
- 未確定の成果を、売上に含めていない。
- 累計を計算している。
- 続ける上限を決めている。
- 領収書の保管場所を決めている。
六つのうち、三つ目と五つ目が抜けやすい項目です。未確定分を含めると数字が良く見え、上限がないと判断ができません。
15.窓口ごとの内訳を持つ
入金が複数の窓口から来るようになったら、合計だけでなく内訳を見ます。どの窓口からいくら入っているかが分かると、力を入れる先が決まります。
内訳を見ると、ほとんど入金のない窓口が見つかることがあります。管理の手間だけがかかっている状態です。整理する候補になります。
ただし、すぐに解約しないでください。掲載中のリンクや、未入金の報酬が残っている可能性があります。確認してから判断します。
16.案件ごとの内訳も見る
窓口の内訳に加えて、案件ごとの内訳も記録できると、さらに判断しやすくなります。どの記事のどの案件が効いているかが分かります。
ただし、記録の手間が増えます。始めたばかりで件数が少ないうちは、窓口ごとで十分です。件数が増えてから、案件別に分ける形で構いません。
手間をかけすぎて記録が続かなくなるほうが問題です。続けられる範囲で、必要な情報だけを残してください。
17.台帳は判断の道具
記録の目的は、正確な数字を残すことそのものではなく、判断に使うことです。続けるか、費用を見直すか、時間の配分を変えるか。
売上だけを追っていると、この判断ができません。売上と支出を分け、残額と累計を見る。この形にしておけば、数字から次の行動が決まります。
売上と支出を分けるという考え方は、規模が大きくなっても変わりません。今のうちに習慣にしておくと、扱う金額が増えたときに慌てずに済みます。
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