ストック型ビジネスで顧客が継続する理由を知るには、満足したかだけでなく、何を使い、どの仕事に役立ち、次の期間にも必要かを確認します。契約が続いていることだけでは、提供が使われているか分かりません。顧客への質問と実際の利用記録を組み合わせ、維持する提供と見直す提供を選ぶ方法を紹介します。
契約が続いていても、理由は一つではない
毎月のサービスを続ける顧客は、成果物が必要、相談先を確保したい、利用する機会がこれからあるなど、異なる理由を持つ場合があります。現在の契約者を同じ満足度でまとめると、次の期間に何を求めるかが分からなくなります。
利用が少ないことも、一律に問題とは判断できません。必要なときだけ相談する提供なら、相談がない月にも利用を続ける理由があるかもしれません。一方、毎月の実作業を約束したサービスで利用がないなら、依頼方法が分からない可能性もあります。まず提供の性質を確認します。
調査の目的は、継続する人を肯定的に評価することではありません。どの提供が顧客の仕事に役立つかを把握し、必要なものを維持することです。追加の機能を売りたいという目的を先に置くと、質問が誘導的になりやすいので注意します。
最初は、直近の利用場面を尋ねる
「このサービスは役立っていますか」と聞くだけでは、顧客は一般的な感想を返すことがあります。「最後に使ったのはどの仕事ですか」「使う前はどうしていましたか」と、具体的な場面を聞くと、提供が果たす役割を把握しやすくなります。
さらに、受け取ったものを使った後、何を自分で行ったかを聞きます。提供物が便利でも、顧客側で多くの修正が必要なら、改善の余地があるかもしれません。反対に、その顧客が自分で判断したい部分を代行すると、価値を下げる場合もあります。
時間や手間が減ったという回答があった場合も、どの工程が変わったかを尋ねます。顧客が感じる効果を、そのまま全員への効果として宣伝しないようにします。個別の場面で分かったことと、まだ確認できていない一般的な効果を分けて記録します。
| 調べること | 質問の例 | 記録する内容 |
|---|---|---|
| 利用の場面 | 直近では何の仕事に使いましたか | 作業、時期、利用した提供 |
| 以前の方法 | 契約前はどの方法で対応していましたか | 代替手段と困っていた点 |
| 残る負担 | 受け取った後に何を準備しましたか | 顧客側の作業と修正 |
| 次の必要性 | 次の期間に予定している仕事はありますか | 必要な時期と用途 |
仮の月次資料サービスで、継続理由を分ける
架空の例として、毎月の顧客向け資料を制作するサービスを考えます。ある顧客は、資料をすぐ配布できることを理由に利用しています。別の顧客は、文章の確認を受けられることを重視しています。同じ納品物を受け取っていても、継続する理由が違います。
前者にとっては、納品日と形式が重要かもしれません。後者にとっては、確認の観点と修正の説明が重要になる場合があります。両者へ新しいデザインを増やしても、最も必要な提供を改善したことにはならない可能性があります。
もう一人の顧客が、将来の利用へ備えて契約しているとします。その理由を聞かずに、利用量が少ないから満足していないと判断すると、対応がずれます。必要なときに使えると理解しているか、利用の開始方法を知っているかを確認します。
この例は調査結果の扱いを示す仮定で、実際の顧客の割合や成功事例ではありません。少数の面談から全顧客の理由を断定せず、利用記録や他の顧客の返答と照合します。顧客固有の背景による判断か、共通する課題かを分けてください。
話しやすい顧客だけで判断しない
よく返答してくれる顧客や、関係が良好な顧客だけに話を聞くと、利用しにくい人の事情が見えません。利用が多い人、少ない人、開始したばかりの人など、状況を分けて確認します。ただし、回答を無理に求める必要はありません。
顧客の負担を減らすため、質問の目的と所要時間を伝えます。継続契約の勧誘なのか、提供改善のためなのかを曖昧にしないようにします。返答がないことだけを理由に、不満や退会予定だと推測しないことも大切です。
担当者が変わった顧客には、以前の人が継続を選んだ理由が引き継がれているかを確認します。現在の担当者が利用方法を知らなければ、内容を増やすより、初回の案内に近い説明が必要な場合があります。顧客の組織の変化も、利用へ影響します。
返答を、確認できた事実と希望へ分ける
面談の記録には、実際に利用した内容、利用しなかった内容、今後の希望を分けます。「毎月相談を増やしてほしい」という希望は、現状で相談が不足している事実とは同じではありません。どんな場面で必要だったかを聞いてから、追加提供を考えます。
顧客の要望をすべて基本サービスへ入れると、提供の負担が増える場合があります。一人だけに必要な追加と、複数の対象者が困る共通の問題を分けます。前者は別の提供を考える余地があり、後者は案内や手順を改善する候補になります。
返答のまとめには、質問した時期と顧客の状況も残します。繁忙期の回答と通常期の回答では、必要な提供が変わることがあります。以前の要望を、現在も全員が必要としている条件へ書き換えないようにしてください。
利用記録と面談が違うときは、意味を確かめる
利用しているという返答があっても、ログや作業記録では少なく見える場合があります。記録の対象が違う可能性があります。資料を一度ダウンロードして繰り返し使う顧客なら、閲覧回数だけでは利用を把握できません。どこで使っているかを確認します。
逆に閲覧が多くても、必要な情報を探せず何度も開いている場合があります。操作の回数をそのまま満足と捉えないようにします。利用記録は質問を作る材料であり、顧客の目的を単独で説明するものではありません。
支払いが続いているという記録も、提供が役立つことの直接の証明ではありません。予算の確認や契約の見直しがまだ行われていない可能性もあります。契約の仕組みと、利用を続けたい理由を別々に確かめてください。
調べた理由から、次の提供を選ぶ
調査後には、維持するもの、説明を直すもの、試すものを分けます。現在の顧客が使っている提供を急に変える前に、何が必要とされているかを確認します。新しい希望へ応えるために、既存の重要な仕事を削らないようにします。
変更を小さく試すなら、何を改善したいかを記録します。利用方法を分かりやすくしたいのか、受け取る内容を変えたいのかを決め、次の面談や記録で確認します。変更した数を改善の成果とせず、顧客が目的へ進みやすくなったかを見ます。
提供量の確認は、定期サービスの対応上限へ、更新の時期は契約更新の管理へつながります。必要な提供を確認してから、それを維持できる容量と期限を考えましょう。
継続事業の入口としては、ストック型ビジネスの継続理由も参考になります。情報を提供する場合には、購読と有料情報の境界で、何への対価かを確認できます。
他社商品を紹介するアフィリエイトは、顧客へ毎月のサービスを提供する方式とは異なります。契約継続の理由をそのまま当てはめず、読者の利用と成果報酬の条件を別に調べます。収入源を選ぶ際も、支払いが続く根拠を方式に合わせて確認することが大切です。
最初は一人の顧客へ、直近の利用、以前の方法、次の必要性を聞くことから始められます。返答を他の記録と照合し、共通する理由と個別の事情を分けます。継続している事実を確認するだけでなく、継続する理由を理解することが、提供の改善につながります。