企業のオウンドメディアへ成果報酬型の紹介を導入するときは、ASPへの登録だけでなく、会社として誰が契約し、どの媒体を使い、どの部署へ報酬を記録するかを整理します。紹介する商品の適合と、法人名義のアカウント・承認・管理資料をつなぐ準備が必要です。登録した担当者しか状況が分からない状態で公開を始めないようにします。
広告の契約と、記事の発注を分けて扱う
記事を外注する契約と、広告主やASPのプログラムを利用する契約は違います。制作会社が原稿を作っても、自社の名義で提携する条件や支払先は自社で確認する必要があります。誰が登録を行い、利用条件を確認し、掲載を承認するかを社内の作業として決めます。
法人が使える登録方法や必要情報はサービスごとに異なります。個人の登録手順をそのまま会社へ当てはめないようにします。会社情報、担当窓口、登録する媒体、受取口座など、求められる内容を申込み時の公式情報で確認します。登録が完了しても、すべての広告主へ提携できるとは限りません。
ASPの比較や一般的な選定はASP選定ガイドで確認できます。本記事では、すでに企業が持つ媒体に導入する際、登録と社内の責任を一致させる準備へ絞ります。案件の魅力と契約管理のしやすさを、別の確認項目にします。
登録前に、四つの資料をそろえる
| 資料 | 記載する内容 | 社内の確認先 |
|---|---|---|
| 媒体情報 | URL、運営会社、読者、扱う分野 | 媒体責任者 |
| 掲載方針 | 対象商品、広告表示、比較の基準 | 編集・事業責任者 |
| アカウント管理 | 名義、連絡先、権限、引き継ぎ方法 | 管理担当 |
| 収入管理 | 成果の資料、確定・入金、担当部門 | 経理・事業担当 |
申請する媒体の説明と、公開する内容を合わせます。会社紹介サイトとして登録したのに、関係のない大量の比較記事を掲載する計画なら、媒体の用途を説明し直す必要がある場合があります。対象のサイトや掲載方法に条件があるかを確認し、承認済みだから自由に使えると扱わないようにします。
会社の取引先や競合を紹介する場合、契約上の制約と社内の営業方針も確認します。紹介できる案件を探す担当者だけでは判断できない内容があります。誰へ相談すると掲載の可否が決まるかを記載し、確認待ちの原稿を公開しない工程を設けます。
仮の社内導入で、担当の境界を作る
説明用の仮定として、広報担当が運営する業務情報媒体へ成果報酬を加える会社を考えます。編集者が案件を調査し、事業責任者が掲載範囲を判断し、管理担当が会社名義のアカウントを保管し、経理が確定と入金を照合する分担です。これは特定企業の運用実績ではありません。
この分担で重要なのは、担当の名前を並べることより、資料をどの順に渡すかです。編集者は商品条件と比較の根拠、事業責任者は掲載の承認、経理は確定した報酬の情報を受け取ります。管理画面にアクセスできない担当も、必要な資料を受け取れるようにします。
社内の人数が少なければ一人が複数の役割を担えます。ただし、同じ人でも確認項目を分け、登録情報や契約を会社の管理場所へ残します。担当者の個人メールや私的な口座に依存したまま事業化するのは避け、利用するサービスの条件に沿って法人の管理方法を確認します。
提携の条件を、公開前のチェックへつなぐ
提携が認められても、使える画像、商品名の表記、紹介方法、成果の対象者、広告の掲載場所などに条件がある場合があります。条件を読む担当と原稿を書く担当が違うなら、必要な範囲を制作資料へ入れます。規約全文を渡すだけで、公開時の確認を済ませたことにしないようにします。
広告主の審査や提携の基礎は提携申請の準備と管理で確認できます。今回の媒体では、記事の元の目的と紹介商品の条件が合うかも加えて確認します。広報記事へ広告を置く場合、読者が会社の推奨と誤解しないよう利益関係を説明します。
成果の発生を試すために、社員が不自然な申込みを行う方法は使いません。自己申込みなどの可否は案件ごとの条件を確認し、テストのためだから認められると考えないようにします。計測の確認方法は、サービスが認める手順と制作環境に合わせます。
入金に必要な資料を、最初から残す
報酬管理では、成果の発生、承認、支払予定、入金を分けます。媒体側のクリックを会計へ渡すだけでは確定収入が分かりません。経理がどの資料を必要とするかを開始前に聞き、管理画面や通知から取得できる範囲を確認します。帳簿の具体的な扱いは会社の取引に応じて判断します。
複数の案件で報酬がまとまって入る場合、その内訳を確認できる資料が必要です。入金額だけを見ても、どの媒体や記事に関わるか分からないことがあります。媒体部門の評価に使う内訳と、会社の経理に使う入金記録をつなぎ、同じ額を二重に報告しないようにします。
申込み時の情報が変わった場合も、担当を決めて更新します。会社の住所、担当者、メール、受取口座、登録する媒体などは、公開記事とは別の管理事項です。担当交代で通知が読まれなくなると、案件終了や条件変更の連絡を見落とす可能性があります。
外注先には、必要な権限だけを渡す
社内稟議では、期待売上だけを申請するのではなく、試す範囲と責任を示します。登録する媒体、対象の読者、候補の商品、追加の管理時間、収入を確認する資料を並べます。未確認の案件を将来の確実な売上として扱わず、条件を調べる段階の予算と、継続する予算を分けると判断しやすくなります。
媒体が複数ある会社では、登録するサイトと広告を公開するサイトが一致するかを確認します。一つの媒体で認められた掲載が、別の媒体でも使えるとは限りません。サービスの条件を確認し、対象URLと管理の番号を会社の台帳へ残します。サイトを移転したり分けたりする場合も、登録情報の変更が必要かを調べます。
導入後の確認日を決め、掲載した案件の条件、社内の通知先、経理への提出を点検します。制度や利用条件が変わっても、登録時の資料だけで運用を続けないようにします。細かい規約の全てを毎回原稿へ写す必要はありませんが、実際の作業へ関係する変更を判断できる担当が必要です。
会社の承認が済む前に記事だけが完成した場合は、公開を待つ範囲を明示します。原稿の制作と、広告の公開を別工程として管理すれば、制作の遅れと契約の未確認を取り違えにくくなります。
記事制作や広告設置を外部へ頼む場合、アカウント全体の管理権限まで必要かを確認します。作業に応じた情報や広告コードを渡す方法もあります。共有する権限をサービスの機能と契約に合わせ、作業が終わったときに戻せる状態を作ります。外注先へ渡した情報の一覧も会社で持ちます。
媒体が利用者や問い合わせの情報を扱う場合、その共有範囲は別に確認します。広告を設定するためだから読者の個人情報まで渡してよい、とは限りません。契約と実際の作業を見て、必要な情報を限定します。個人情報の取扱いは適用される制度と会社の方針で確認してください。
担当交代時には、利用するASP、提携中の案件、連絡先、確定報酬、未対応の変更通知を引き継ぎます。パスワードだけを渡しても、公開中の記事と契約の関係は分かりません。記事台帳に広告の対象と確認日を残すと、終了や変更に対応しやすくなります。
法人の体制を整えたら、紹介案件の選定基準と、部門収支への反映へ進めます。収益を生むアフィリエイトサイトを事業として運営するには、紹介情報だけでなく、会社名義の契約と記録を継続して管理する必要があります。