できるだけ手間がかからず、早く結果が出る方法を探す。時間が限られているなら、自然な考え方です。

ただ、この基準で選び続けると、一つの分野に留まる期間が短くなります。難しい局面に入るたびに、より簡単そうな方法へ移ることになるためです。

移るたびに、それまでの学習はリセットされます。

簡単さを基準にすると、乗り換えが前提になる

どの方法にも、始めやすい部分と難しい部分があります。

起こりやすい流れ

  1. 簡単そうな方法を見つけて始める
  2. 最初の数週間は順調に進む
  3. 判断が必要な局面で手が止まる
  4. 別の「もっと簡単な方法」を探し始める

3番目は、どの方法にも必ず現れます。簡単に見えたのは、まだその段階に達していなかったためです。

新しい方法へ移るたびに初期の学習を繰り返すため、改善の経験が積み上がりません。

乗り換えでリセットされるもの

分野を変えると、持ち越せないものがあります。

これらは、続けていれば判断材料になります。移ると、また同じことを一から確かめることになります。

経験が積み上がるのは、同じ場所で試行を重ねたときです。

難しい局面は、越えると差になる

手が止まる場面は、多くの人が同じように直面します。

止まりやすい場面

  • 市場を決める 判断材料が足りない
  • 比較の基準を作る 正解がない
  • 成果が出ない期間 続ける根拠が見えない

ここで多くの人が離れるため、越えた先は競合が減ります。難しい部分は、そのまま参入障壁として働きます。

簡単な部分だけで成立する方法があれば、すでに多くの人が到達しています。

想定例:三つの方法を試した一年

考え方を整理するための想定例です。実在する記録ではありません。

一年間の経過

  • 1〜4か月 方法Aを開始、判断で止まる
  • 5〜8か月 方法Bへ移動、また同じ段階で止まる
  • 9〜12か月 方法Cを開始
  • 手元に残ったもの それぞれの入門知識

三つの方法について、始め方は分かるようになりました。しかし、どれについても難しい局面を越えた経験がありません。

同じ一年を一つの分野に使っていれば、少なくともその局面での判断材料は残っていたはずです。

「簡単さ」以外の基準を持つ

選ぶときの基準を変えると、続けられるかどうかも変わります。

4番目が判断の軸になります。残るものがある方法なら、途中で結果が出なくても次に活かせます。

逆に、何も残らない方法は、続けても乗り換えても同じ状態に戻ります。

難しい局面を、作業に分解する

止まる原因の多くは、やるべきことが大きすぎて着手できないことにあります。分解すると進めるようになります。

「市場が決まらない」を分ける

  1. 候補を三つ書き出す
  2. それぞれで実際に検索してみる
  3. 上位の顔ぶれを記録する
  4. 紹介できる商品の数を数える
  5. 三つを並べて、条件のよいものを選ぶ

「市場を決める」という作業は判断に見えますが、分解すると調べる作業が大半です。調べ終われば、選ぶ部分は短時間で済みます。

止まっている作業を分解できるかどうかが、越えられるかどうかを分けます。分解できない場合は、その工程について知識が不足している合図でもあります。

方法を変えるかどうかの判断

続けるべきか移るべきか、迷う場面での考え方を整理します。

効率を求めること自体は正しい

ここまで読むと、苦労するべきだという主張に見えるかもしれません。そうではありません。

限られた時間で成果を出すには、効率的な方法を選ぶ必要があります。無駄な作業を避け、短縮できる部分は短縮する。この判断は事業として当然のものです。

問題は「難しい局面が来たら別の方法を探すこと」であって、効率を求めること自体ではありません。

また、合わない方法から離れる判断は妥当です。生活の条件に合わない、必要な資源が用意できない。こうした理由であれば、早く見切るほうが損失は小さくなります。判断の根拠が「難しくなったから」でないかを確認してください。

いま止まっているのは、どの局面か

手が止まっているなら、その理由を言葉にしてみてください。

判断ができないのか、時間が足りないのか、方法が合わないのか。判断で止まっているなら、それは移っても同じ場所で止まります。そこを越える方法を探すほうが、次の方法を探すより早く進みます。

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